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「臨時調査:金融システム不安、経済危機に発展?FX投資家は冷静に見ている」外為短観 第166回

外為短観ロゴ

<第166回調査>2023年3月25日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2023年3月17日(金)13:00~2023年3月21日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は680件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:シリコンバレー銀行(SVB)の破綻は世界的な金融危機へ発展すると思いますか?
問8:シリコンバレー銀行(SVB)の破綻とその処理を巡る問題は、FRBの金融政策にどう影響すると考えますか?

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が30.6%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は47.9%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼17.3%ポイントと前月の△43.7%ポイントから再びマイナス(弱気見通し)に転じた。調査期間前後の米ドル/円相場は、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻やスイス大手銀行クレディ・スイスの経営不安からリスク回避の動きが強まり130.50円台まで下落。その後は、SVBの買収報道などを受けて米ドルを買い戻す動きがみられたが、金融システムを巡る懸念はくすぶり続けるとの見方から、個人投資家は円高・米ドル安の流れが強まると予想しているようだ。

今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が145.00円、最安値が121.37円となり、高値の平均値は136.70円、安値の平均値は128.80円であった。高値の中央値は136.00円、安値の中央値は129.20円だった。前月調査から1円程度、米ドル安・円高方向へシフトしている。

米ドル/円 予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、25.3%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は40.3%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼15.0%ポイントとなり、前月の△24.8%ポイントからマイナス(弱気見通し)に転じた。調査期間前後のユーロ/円相場は、スイス大手銀行クレディ・スイスの経営不安を受け、144円台から138円台まで大幅に下落した。その後、スイス中銀(SNB)より最大500億スイスフランの借り入れ計画を発表したことやスイス大手銀行のUBSが同行の買収を決定したことから欧州の金融システム不安はいくぶん後退したものの、米ドル/円相場の下落に引っ張られて一時138.83円前後まで下値を拡大した。また、16日に欧州中銀(ECB)が50bp(0.50%ポイント)利上げを行ったことなどから対米ドルではユーロが強含む中ではあるが、個人投資家は円高主導でユーロ/円が下落するとの見方に傾いたようだ。

今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が150.00円、最安値が130.00円となり、高値の平均値は145.49円、安値の平均値は137.85円であった。高値の中央値は145.00円、安値の中央値は138.00円であった。前月調査から1~2円程度、円高・ユーロ安方向にシフトした。

ユーロ/円 予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、28.4%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は36.8%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は▼8.4%ポイントとなり、前月の△25.2%ポイントからマイナス(弱気見通し)に転じた。調査期間前後の豪ドル/円相場は、豪中銀(RBA)金融政策決定会合でタカ派度合いが弱まり豪ドル売りが強まる中、米国・欧州の金融システムへの懸念も重なり、昨年12月20日以来の安値となる87.13円前後まで下落した。90円の心理的節目を明確に割り込み、下値模索の展開となっている豪ドル/円相場については、金融不安がくすぶる中で引き続き上値の重い展開を予想する個人投資家が多いようだ。

今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は93.09円、安値の平均値は86.36円であった。高値の中央値は93.00円、安値の中央値は86.61円で、2~3円程度円高・豪ドル安方向にシフトした。

豪ドル/円 予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、25.4%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は35.6%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は▼10.2%ポイントとなり、前月の△19.6%ポイントからマイナス(弱気見通し)に転じた。調査期間前後の英ポンド/円相場は、米国・欧州の金融システムへの懸念が広がる中で、164円台から一時158.56円前後まで下落した。その後、英2月消費者物価指数(CPI)が前年比+10.4%と予想(+9.9%)に反して前月(10.1%)から伸びが加速したことで英中銀(BOE)が金融政策委員会(MPC)で25bp(0.25%ポイント)利上げに動くとの見方が強まり161.67円前後から163.33円前後まで上値を伸ばした。しかし、英国の財政赤字拡大やインフレによる景気下押しが懸念される中、上値が重く円高・ポンド安に振れやすいと見る個人投資家が多いようだ。

今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が175.00円、最安値が150.00円となり、高値の平均値は166.48円、安値の平均値は156.96円であった。高値の中央値は165.50円、安値の中央値は157.00円で、前月調査から0.5円程度、英ポンド高・円安方向にシフトした。

英ポンド/円 予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が40.7%と最も多かった。次に多かったのが「米ドル」の30.1%で、「メキシコペソ(6.8%)」、「豪ドル(6.5%)」、「ユーロ(6.3%)」、「英ポンド(3.5%)」と続いた。前回最も多かった「米ドル」を「円」がかわして2カ月ぶりの首位に返り咲いた。「円」と回答した理由については「SVBショックでリスクオフの可能性」「クレディ・スイス問題で欧米経済が不安定」など、金融システムを巡る不透明感を挙げる向きが多かった。また「円が強くなるというよりはほかの通貨が弱くなる」として消去法的に円買いが強まるとの意見もあった。一方で「米ドル」と回答した理由については「金融不安によるリスク回避のドル高が起きると予想」との声も出ていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が37.8%と最も多かった。「円(27.9%)」、「ユーロ(11.9%)」と続いたあと、「トルコリラ(4.9%)」と「豪ドル(4.9%)」が並び、「英ポンド(3.4%)」、「スイスフラン(2.6%)」と続いた。「米ドル」と回答した理由については「銀行破綻で利上げ停止」「金融不安から利下げの可能性」などの声が挙がっていた。「リセッションが起こりそう」「現在の状況はリーマン・ショックの時より悪い」などと、米経済への懸念が米ドルの重しになるとの見方も出ていた。その他、少数ながらも「スイスフラン」と答えた向きからは、やはりクレディ・スイスの問題を懸念する声が挙がっていた。

問7:シリコンバレー銀行(SVB)の破綻は世界的な金融危機へ発展すると思いますか?

特別質問1:SVB破たんの影響

今回の特別質問として、米地銀シリコンバレー銀行(SVB)の破綻が世界的な金融危機へ発展する可能性について尋ねたところ、「そう思う」が37.6%、「そうは思はない」が62.4%であった。半数以上が、リーマン・ショックのような金融危機には発展しそうにないと見ていることがわかった。回答理由を自由記述形式で重ねて尋ねたところ「そう思う」と答えた向きからは「SVBは氷山の一角であり、今後、利上げの影響が表面化してくるためクレディ・スイスの件も追い打ちをかける可能性が高い」「その他の金融機関も、債券の評価損が響き、その不安から預金者が取付騒ぎをおこして、SVBと同じようなことが起こり得る」「消費者の心理に与える影響が大きく景気の急激な悪化を誘発する」などの意見が出た。一方、「そうは思わない」と答えた向きからは「SVB自体の資金運用が大きな問題であったことが判明しており、金融界全体への波及はないと考える」「リーマンショックを教訓に金融システムは改善されている」「リーマンのときと構造が違う。政府が具体的支援に乗り出している」などとする見解が示された。その他、「リーマンショックの経験から当局(政府・中銀)が迅速に対応している」とする趣旨の回答も散見された。

問8:シリコンバレー銀行(SVB)の破綻とその処理を巡る問題は、FRBの金融政策にどう影響すると考えますか?

特別質問2:SVB破たんによるFRB金融政策の影響

さらに「シリコンバレー銀行(SVB)の破綻とその処理を巡る問題は、FRBの金融政策にどう影響すると考えますか?」と尋ねたところ、「インフレ抑制を重視して構わず利上げを続ける」との回答が32.4%で、最も多かった。次いで、「3月はいったん利上げを見送り5月に再開する」が19.6%、「このまま利上げを打ち止めにしてしばらく金利を据え置く」が10.3%だった。以下、「数カ月利上げを見送り年後半に再開する(9.9%)」、「数カ月利上げを見送ったあと年内に利下げに転じる(6.3%)」、「年前半に利下げに転じる(0.9%)」と続いた。「わからない」は19.4%、「その他」は1.3%であった。問7では、過半数の個人投資家がSVB問題は金融危機に発展しないとの見方を示したが、FRBの金融政策への影響については見方が分かれていることがわかった。「その他」の回答としては「3月は0.25%の利上げを行なうがその後は据え置く」との意見があった。なお、この調査は3月FOMC(21-22日)の直前に行ったものである。FOMCは「米金融システムは強固」として0.25%の利上げを決めたが、次の利上げ(早ければ5月)が最後になる可能性を示唆した。一方で、年内の利下げ転換については否定的な見解を示した。

主要4通貨の相場とDI

主要4通貨の相場とDI(グラフ)

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