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FX「史上最大の貿易赤字。テクニカルではドル円上昇一服。日銀新総裁のスタンスは」

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総括

FX「史上最大の貿易赤字。テクニカルではドル円上昇一服。日銀新総裁のスタンスは」

ドル円=132-137、ユーロ円=141-146、ユーロドル=1.04-1.09

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(7位)、株価11位(11位)、史上最大の貿易赤字。テクニカルではドル円上昇一服。日銀新総裁のスタンスは」
 円安の要因は貿易赤字が一番大きいが、1月の貿易収支が赤字になりやすい月とはいえ、3.5兆円の赤字と単月では過去最大となったことは衝撃的だった。さらに米国1月雇用統計の大幅改善や消費者物価が予想を上回ったことで米金利が上昇したこともドル円を支えた。円は全体でも前週の7位から11位下落した。テクニカルでも2月は下ヒゲの長い日々が殆どでありドル円の押し目買い意欲が見えた。ただ先週末の2月17日は長い上ヒゲがボリバン2σ上限を超えたところで出て漸く売りにも動意が出てきた。昨年秋には約9兆円の円買い介入が行われたが、毎月2兆円程度の貿易赤字ではそろそろ効力がなくなってくるころだ。

 貿易赤字を生む資源価格は下落している。日本の輸入量も大きくは変わっていないが、鉱産物輸入の赤字が高水準で続くということは、延払い輸入で価格が高いまままでの輸入が多いかもしれない。資源安が貿易赤字減少に繋がるにはもう少し時間がかかるかもしれない。
 今週の指標では、製造業・サービス業PMI 企業向けサービス価格 消費者物価に注目したい。G20もある。一番の注目は新日銀総裁として政府指名の植田氏の国会での所信聴取・質疑だが、現在の超金融緩和政策から如何に離陸していくかを探ることとなる。2月下旬のクセとしてはややドル安の展開が多い。

*米ドル「通貨6位(6位)、株価(NYダウ)16位(16位)、季節・特殊要因でドル高。3月FOMCが0.25%から0.5%の引き上げかにはデータ必要」
 日本的にはドルは強い。世界的にはドルは普通の強さだ。円は12通貨中11位、ドルは6位。1月雇用統計・消費者物価をきっかけにドルは幾分上昇したが、1月の雇用統計は季節的要因(休み明けで雇用)で改善、消費者物価は前回述べたように構成ウエート変更で住宅部門が押し上げられた要因もあったようだ。3月22日のFOMC前の2月雇用統計・消費者物価を待たないと、0.25%か0.5%の利上げか結論は出しにくい。現在のフェッドウオッチでは0.25%利上げ確率は81.9%、0.5%利上げ確率は18.1%で0.25%が優勢。ただ1月雇用統計発表前は0.25%利上げ確率は90%超であったので、0.5%利上げが押してきている。消費者物価が高止まりしているということだが、事実は22年6月の9.1%のピークから戻すことなく低下している。もちろん基準を2%とするとまだ高いが資源価格の下落を背景に低下している。1月は予想を上回って上昇したことでドル買い戻しが入った。

 今週はFOMC議事要旨でさらに詳細を見極め、製造業・サービス業PMIで現況をつかみたい。資源国でもあるドルが去年ほどの強さがないのは、やはり既に22年2月の水準より資源価格が下落していることだろう。不安要因としては債務上限問題や米国政府が在ロシアの米国民に対し、ただちにロシアから出国するよう勧告していることだ。ロシアのウクライナ侵攻1年で再び情勢緊迫になるか気をつけたい。

*ユーロ「通貨7位(8位)、株価3位(5位)DAX)、2週間のユーロ安(対ドル)が一服し製造業・サービス業PMI待ち」
 米国1月雇用統計の強さと消費者物価が予想を上回ったことで、米国主導のドル買いでユーロが2週連続で下落したが、先週は下げどまった。今週発表される2月の製造業・サービス業PMIの予想が小幅改善となっていることもある。ECBの多くがタカ派だが、それでも独DAX指数が世界で3番目の強さ(年初来11.19)%高となっていることは、景気回復の一面をのぞかせている。12月のユーロ圏経常収支は159億ユーロの黒字で、黒字額は前月(127.9億ユーロ)から増加した。輸入減少と、賃金や投資収益などの項目を含む第一次所得の増加が背景。
 
 さて消費者物価も米国同様に順調に低下しているが、2%の目標と比べればまだ乖離しているのでタカ派発言が出るのだろう。シュナーベルECB専務理事は、市場はユーロ圏のインフレの持続性を過小評価している可能性があるとの認識を示した。市場が想定している以上の利上げを考えていると受け止められた。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、政策金利は夏にかけてピークに達する可能性が高いと述べた。ただ、年内の利下げは問題外との考えを示した。
 一方、パネッタECB専務理事は、ユーロ圏のインフレ率が低下し過去の利上げが経済に浸透する中、利上げ幅を小さくするべきで、将来の行動にコミットすることは避ける必要があるとの見方を示した。
ストゥルナラス・ギリシャ中央銀行総裁は、ユーロ圏のこのところのインフレ低下で楽観的な見方が高まっているとし、ユーロ圏をリセッションに追い込む水準まで金利を引き上げる必要はないとの考えを示した。様々な意見を取り入れて、一方向にタカ派でもない金融政策がとられそうだ。次回ECB理事会は3月16日でFOMCの前である。

*ポンド「通貨8位(9位)、株価8位(12位)、利上げ減速へ」
 円よりは強いが下位にいる。1月の米指標改善で下落したが対ドル1.24台から下落したが、先週は1.20台を維持した。IMFがG7の中で英国だけ2023年の経済成長予測を引き下げたことが、ポンドを弱くさせたが
その後の指標はまずまずだ。2022年10-12月の賃金(ボーナスを除く)は前年比6.7%増と、2001年の統計開始以降で最大の伸びを記録した。失業率は3.7%で横ばい。予想と一致し、約50年ぶりの低水準付近にとどまった。
 インフレは目標の2%には程遠いが低下している。1月の消費者物価の前年比伸び率は10.1%となり、12月の10.5%や予想の10.3%以上に鈍化した。昨年9月以来の低い伸びとなった。
コア上昇率も、12月の6.3%から5.8%に低下した。英中銀は、消費者物価の上昇が一段落した兆候が見られるとし、一連の利上げの終了が近いと示唆した。市場は3月の追加利上げを予想しているが、今回の指標は金利のピークがそれほど遠くないという見方をさらに強めそうだ。3月に0.5%の利上げがあるとの観測が後退し、利上げ幅が0.25%になるとの見方が強まっている。英中銀のチーフエコノミスト、ピル氏は、英中銀の今年の利上げペースは昨年より鈍化する公算が大きいが、金融引き締めサイクルを過度に早期に終了させないように注意する必要があるとの見方を示した。
ハント財務相は「インフレ率の低下は歓迎すべきことだが、闘いの終わりには程遠い」と述べた。

*豪ドル「通貨2位(4位)、株価14位(13位)、RBAは追加利上げ示唆、賃金指数に注目」
 通貨2位と強い。豪中貿易関係の改善と、昨年から行われてきた利上げ減速論に微妙に変化が出てきたことで買い戻されているが、米指標の強さで2月はやや弱い。RBAロウ総裁は、インフレ率を目標レンジに戻すため、今後数カ月のうちに追加利上げを行う必要があるとの認識を改めて示した。どこまで利上げが必要かは、世界経済や国内家計消費、インフレと労働市場の見通し次第だと説明した。市場が織り込む政策金利のピークは1カ月前の3.6%から4.1%程度に上昇し、あと3回の追加利上げを示唆する水準となった。軟調だった1月の雇用統計は労働市場が依然として非常に逼迫しているという中銀の評価に影響しなかったと述べた。

 今週は金融政策が重視する賃金指数(22年4Q)の発表がある。前期は3.1%の上昇、予想は3.5%の上昇だ。また前回のRBA議事要旨の発表もある。
 なお、RBAロウ総裁は、メディアや一部政治家から新たな批判にさらされている。金融政策決定後の非公開会合で複数の金融機関に説明を行ったとの報道がきっかけとなっている。チャーマーズ財務相は9月に満了するロウ総裁の任期を更新するかどうかの判断材料として、中銀の調査結果を用いる方針をあらためて示した。

*NZドル「通貨10位(11位)、株価9位(10位)、利上げ減速で0.5%の引き上げか、災害にも配慮」
 12通貨中、10位と弱いが円よりも強い。同じオセアニアでも豪ドルが2位と差をつけられた。持てる国、持たざる国の差と、NZのインフレがやや弱く利上げ減速論が出ているからだ。今週は政策金利の決定があある。NZ中銀は政策金利を0.5%引き上げて4.75%とする見通しだ。予想通りなら、利上げ幅を前回の0.75%から縮小することになる。
22年4Qのインフレ率は7.2%と、中銀目標の1-3%を大幅に上回っているが、住宅価格が急低下している上、世界的な景気減速懸念もあって、中銀は利上げペースを緩めるとの見方が示された。中銀は前回の会合で、2月は0.75%の追加利上げを行うとの見通しを示したが、その後幾つか変化が生じた。インフレおよび労働統計からは、インフレ圧力が想定より少し弱まっている。
 
 さてNZはサイクロン「ガブリエル」による影響を踏まえ、国家非常事態を宣言した。ロバートソンNZ財務相は、1月末の洪水と2月のサイクロン「ガブリエル」により、NZ経済が減速する可能性があると述べた。明らかにNZ経済の軟化が見られ、ある程度悪化すると思われるが、再建と復興で今年下期のGDPは改善する可能性があると述べた。NZ経済に重大な損害を与えることなく、我々は乗り切ることが出来ると思うとも発言。また、高インフレは誰にとっても悪いこと。インフレがピークに達したという証拠があるとも述べた

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ上限越えから、長い上ヒゲで売り圧力」
日足、2月6日に窓明けをして翌日窓埋めをするも長い下ヒゲが続き上昇を呼び込む。2σ上限まで上昇するも2月17日に上ヒゲを残して越週。22年12月15日-23年2月17日の下降ラインが上値抵抗。2月16日-17日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、雲の上に出る。ボリバン2σ下限からは反発。5週線上向き。20週線下向き。2月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。22年10月17日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、3か月連続陰線も2月は陽転。5か月移動平均線は下向く。22年8月-11月の上昇ラインを下抜く。22年12月-23年1月の下降ラインを上抜く。22年3月-23年1月の上昇ラインがサポート。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、23年は陰線スタートだったが、2月3日の米雇用統計で陽転。ただ2022年は大陽線に終わるも、長い上ヒゲを残し売り圧力を残した。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「3週ぶり週足陽線。日足は雲から抜け出す」
日足、ボリバン3σ上限近くから2σ下限へ下落。雲から抜け出す。1月6日-2月17日の上昇ラインがサポート。2月16日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、3週ぶり陽線。ボリバン2σ上限近くから反落。雲中へ。1月2日週-2月13日週の上昇ラインがサポート。1月30日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線上向き。
月足、4か月連続陽線。2月は陰線スタート。ボリバン中位上抜けきれず。21年1月-6月の下降ラインが上値抵抗。22年12月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。2022年は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。下ヒゲが長く反発力あり。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインが上値抵抗だが迫っている。

*ユーロ円「一転、雲の上、2σ上限へ上昇」
日足、雲の上、2σ上限へ上昇。2月15日-17日の上昇ラインがサポート。12月15日-2月17日の下降ラインが上値抵抗。上向いた5日線が20日線を上抜く。
週足、ボリバン2σ下限から反発も中位を上抜く。2月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。12月19日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、2か月連続陰線。1月は陽線。2月も陰転。22年10月-12月の下降ラインが上値抵抗。22年8月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。今年も陽線だが昨年の高値には遠く、昨年の上ヒゲが効く。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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