総括
FX「22日に予算教書、格付け判断に影響。物価は低下」南アランド見通し
「通貨最下位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド7.2-7.7」
(ポイント)
*2月22日に予算教書
*予算教書は格付会社も注目
*直近の格付けは見通しが引き上げられていたが、停電で状況一変
*1月消費者物価は7%割れ
*今週は12月景気先行指標、1月生産者物価の発表
*中ロ・南アが合同演習
*電力不足で国家的な「災害事態」を宣言
*最弱通貨を継続、株価は小高い
*モルガン・スタンレーが判断引き下げ
*「負荷制限を終わらせるためのロードマップ」を発表
*経済成長率について、中銀は2023年は0.3%、24年は0.7%になると予想
*貿易赤字から抜け出す
*1月製造業PMIはまずまず、民間PMIは悪化
*政策金利は利上げ減速で0.25%引き上げ
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)
(停電継続で依然、年初来最弱通貨)
南アランドは停電継続で依然、年初来最弱通貨となっている。株価市場は利上げ減速で7位と健闘している。今週は12月景気先行指標、1月生産者物価が発表される。
(予算教書と格付け)
今週は2月22日に予算教書が発表される。これに格付け会社が注目している。長引く電力削減が経済に与える影響により、南アのリスクプロファイルが悪化している。
フィッチの格付けは、停電が2023年まで続くと予想していたが、「電力供給のさらなる悪化は、私たちの基本的なシナリオを超えており、2023年の経済成長率が平均1.1%になるという私たちの予測に下向きのリスクをもたらす」と述べた.
ムーディーズは「南アの最長の停電期間は信用にマイナス、停電の企業、消費者心理、投資への影響は、すでに低迷している国の経済成長見通しを弱め、社会的および政治的安定を脅かすと予想されます。高い失業率を考えると、社会的および政治的不安定性は、特に激化する可能性があります。」と述べた。
中銀は、長引く停電で2023 年の成長率予測を1.1% から0.3% に下方修正、今後3年間の成長率が2% 低下することを指摘した。フィッチは、財政赤字が 2022/23 会計年度末に5.1% になると予測しており、国の予測である4.9%と比較して拡大している。ムーディーズは、政府が支出を相応に削減すると予想しているため、赤字が大幅に拡大するとは予想していないと述べた。
直近の格付けは、フィッチ、S&P、ムーディーズはそれぞれ見通しを引き上げていたが、停電で、格下げも想定されるようになった。
(1月消費者物価は伸び鈍化)
1月の消費者物価は前年比6.9%上昇と、昨年12月の7.2%上昇から伸びが鈍化した。昨年7月には13年ぶりの高い伸びとなる前年比7.8%上昇を記録していたが、その後、インフレ圧力が和らいでいることが改めて浮き彫りとなった。コアは、前年比4.9%上昇。中銀は8会合連続で利上げを実施しているが、先月の利上げ幅は0.25%に縮小した。次回政策金利決定は3月30日。
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン3σ下限から反発
日足、ボリバン3σ下限から反発。2月13日-17日の上昇ラインがサポート。2月6日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く。20日線下向き。
週足、雲の下、3σ下限にも一時達すも先週は反発。2月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。5週、20週線下向き。
月足、3か月連続陰線。2月も陰転。雲中へ落ちる、21年11月-23年1月の上昇ラインを下抜く。22年12月-23年1月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年、22年は短い陽線。23年は陰転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
中ロ・南アが合同演習 極超音速ミサイル発射実験
ロシア、中国、南アフリカの3カ国は先週日、南ア沖のインド洋で海上合同軍事演習を開始したもようだ。ロシアから極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を装備したフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」が参加。タス通信によると、27日までの演習期間中、同ミサイルの発射実験が予定されている。
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