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FX「米消費者物価発表後の為替の大きなブレは活用したいが一時的、円は短期的にはバンピーな動き。円にとっては資源価格の動きが重要」

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総括

FX「米消費者物価発表後の為替の大きなブレは活用したいが一時的、円は短期的にはバンピーな動き。円にとっては資源価格の動きが重要」

ドル円=129-134、ユーロ円=138-143、ユーロドル=1.04-1.09

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨7位(7位)、株価11位(15位)、短期的にはバンピーな動き。円にとっては資源価格の動きが重要」
 ドル円は年初来7位、先週は8位、2月はここまで6位と平凡な位置にいる。昨年10月の151台からの円高は一服した。年足も僅かだが陽転。円高の要因は円買い介入による需給調整、資源価格の下落で世界的にインフレがやや低下したこと。ただ先週は1月中旬の貿易統計が驚くべき3兆円超えの赤字、メキシコ、豪などのインフレ率低下が一服したこともあり、円高ドル安も一服した。テクニカルでは先週は全日下ヒゲが長かった。ドル安もバンピー(でこぼこ)となってきた。日銀総裁人事の思惑で円相場はバタバタしたが、国際派で学者の植田元日銀政策委員が就任するようだ。植田氏は当面はこれまでの金融庵和を続けると表明したが、過去に長期金利のコントロールは政策微調整には向かないなどと発言したこともあるので、時間が経つにつれ独自色を打ち出すだろう。貿易については小宮教授に学んだようなので管轄外だが貿易赤字も容認する可能性もある。

 今週は改善が予想される10-12月GDP、日銀人事、1月貿易統計の発表がある。貿易赤字が3兆円を超えるとショッキングでもある。また円買い要因としてはリパトリ玉や外債の利払いの円買いも散発する2月中旬以降だ。
 再びテクニカルだが11月以来上抜けなかったボリバン中位を越えたが、今度はボリバン2σ、3σ上限、雲下限が上値抵抗となる。一時的なインフレ低下の流れやロシアの不穏な動きで資源価格が上昇することもあるが、西側も対処方法を学んだので長続きしないだろう。世界的なインフレ低下の流れでも日本の輸入の減少や物価低下に結びつかないことは日本だけに生じている特異な現象だ。要は価格転嫁が遅すぎるということだ。

*米ドル「通貨6位(7位)、株価(NYダウ)16位(17位)、消費者物価発表後の為替の大きなブレは活用したいが一時的」
 ドルは上昇、1月の年初来10位から、先週末は6位へ浮上した。昨年2位のドルも今年は中位あたりで推移している。パウエル議長が「2023年はインフレ率が大幅に低下する年」と言いながらも、現状では目標の2%にほど遠く、FOMCメンバーからはタカ派の意見が続く。1月の雇用統計の大幅改善もあった。かといって次回の利上げ幅は0.25%予想と小さい。FOMCでも断言出来ない不安感が見え隠れしている。

 今週注目の1月消費者物価は予想は前回の6.5%上昇から6.2%上昇へ縮小も、クレーブランド連銀のインフレフォーカストは6.48%とやや高め。アTランタ連銀のGDPナウも強めになっている。また労働省は、消費者物価算出に使用するウエートを更新する。具体的には、住宅のウエートを44.384%とし、43.008%から引き上げ、一方、輸送は16.744%と、17.737%から引き下げられた。食品も13.531%と、13.867%から引き下げられた。 ウエート変更で住宅部門が押し上げられるため、1月のコアインフレ率は上昇すると予想する向きもある。ミシガン大の1年先の期待インフレ率は4.2%と1月の3.9%から上昇。豪やメキシコのインフレも下げ止まったことから、米国も上昇思惑が高まったところでの発表となる。大きくブレても効果は1,2日で、長期にはパウエル議長の予想する23年のインフレ低下の道へ戻ると思う。資源価格の下落、上昇への対処方法が出来ているからだ。

 さらに債務上限問題、米中気球問題、ウクライナ軍備増強問題と波乱要因は多いが軸をしっかりと、一時的な波乱も活用したい。

*ユーロ「通貨8位(5位)、株価5位(3位)DAX)、ECBはタカ派だが経済指標が弱い」
 ユーロは株価ともに下落した。昨年9月のパリティー割れから、1ユーロ=1.1ドルまで上昇してきたが、2月は下落している。ユーロ圏の経済状況には大きな変化はないが、やはり米国1月雇用統計の非農業部門雇用者数の急増がドルを引き上げ、ユーロを下落させた。ユーロ圏の経済は製造業・サービス業PMIや景況感指数の改善で持ちなおしてきたが、先週はユーロ圏12月小売売上や、独鉱工業生産の悪化もあった。そこへ米雇用の改善がのしかかった。ECBの各国中銀総裁は多くがタカ派のコメントを続けているが、経済指標の改善がついてくなくなったら、スタグフレーション懸念も出て不安感を増幅する。

 ECBは今月、政策金利を0.5ポイント引き上げ、3月の会合でも同様の行動を取る方針を表明した。シュナーベルECB専務理事は、広範なインフレ低下が見られないことから、インフレ率をタイムリーに目標の2%に戻すために利上げを行う方針を堅持すると述べた。ナーゲル独連銀総裁は、インフレ期待が目標の2%を大幅に上回るのを防ぐため、断固とした行動を取らなければならないと述べ、一段の利上げが必要との考えを改めて示した。ただ経済指標がついてこないのでドルや円に抜きさられてしまった2月初旬であった。

*ポンド「通貨9位(9位)、株価12位(12位)、EUとの関係再構築など離脱後の弱さが浮き彫りに」
 12通貨中9位とやや弱い。IMFはG7の中で英国だけ経済成長予測を引き下げた。2023年の見通しをマイナス0.6%と前回の0.3%成長から下方修正した。2022年4QのGDPは前期からゼロ成長となり、市場予想と一致。景気後退はかろうじて免れたが弱いことには変わりがない。政策金利の今後では英中銀内で意見が分かれている。
 ハスケル委員は、持続的なインフレに対し「力強く行動する」用意があると表明。一方、テンレイロ委員は、金利はすでに高すぎる水準にあるため、今後の会合で利下げ支持を検討する可能性があると述べた。テンレイロ氏は昨年12月と2月の0.5%ポイント利上げに反対票を投じている。

 ベイリー中銀総裁は、インフレの潮目が変わったように見えるとしながらも、2024年半ばまでにインフレ率が目標を下回るという中銀の主要な予測にはリスクがあると改めて表明。「価格設定と賃金設定を巡る大きな不確実性があり、インフレ予測は大きく上振れする可能性がある」と述べた。

 さてスナク首相は、EUとの関係を再構築するための計画を策定するよう、閣僚や高官に内密に求めている。やはりEU離脱は、ウクライナのロシア侵攻という特殊な環境下にあるとはいえ、EUとの防衛、移民、貿易、エネルギー、国際基準などの問題を含む関係の重要性を浮き彫りにさせたようだ。EU離脱が失敗だったことを認めたものではないと、政府高官は主張するも、現在の英国の困難はEU離脱によるところも大きい。

*豪ドル「通貨4位(3位)、株価13位(9位)、予想通り0.25%利上げ。豪中関係改善も、米中関係緊張が気になる」
 RBAは予想通り政策金利を0.25%引き上げて3.35%にすると決定した。利上げは9会合連続。前回会合では、利上げ減速論の流れで政策金利据え置きの議論もされたが、その後発表された22年4Qの消費者物価が前年同期比で7.8%と約33年ぶりの高さとなったことで利上げ継続となった。ロウRBA総裁は「RBAの優先課題はインフレ率を政策目標の2-3%に戻すことだ」と述べ、今後数カ月はさらなる利上げが必要になるとした。一方、12月の小売売上高は前月比3.9%減で、20年8月以来の大幅減となった弱い面もあるので豪ドルの続伸はなかった。

 RBAは、声明で「今年は世界的な要因と内需の成長鈍化によりインフレ率が低下すると予想される。今年のCPI伸び率は4.75%に縮小し、25年半ばには3%程度になるとみられる。GDP成長率は23年と24年に1.55%程度に減速すると予想される」とした。賃金は過去数年の低水準から持ち直しつつあり、労働市場の逼迫とインフレ率の上昇により一段の伸びが予想される。4Qの賃金は2月22日に発表される。3Qは3.1%の伸びで、4Qは3.6%の伸びが予想される。今週は1月雇用統計の発表があり、失業率は3.5%、雇用者数は2万人の増加の予想だ。
 豪中関係は、通商担当相の会談が開催され改善方向だが、気球問題で揺れる米中関係が悪化すれば、豪中関係にも影を落とすだろう。

*NZドル「通貨11位(10位)、株価10位(11位)、弱い、2月利上げ幅は減速して0.5%か」
弱い。NZドルより弱いのは、電力問題で苦しむ南アランドだけだ。やや弱い指標が続いたが、弱さの主因は1月の米国雇用統計の大幅改善だろう。米国の強さを跳ね返す力がなかった。首相交代という不安要因や、オークランドの大洪水で非常事態宣言が出されたこともある。経済指標では22年4Q失業率は過去最低をわずかに上回ったこと、4Q消費者物価上昇率が7.2%だったが中銀予想を下回ったことなどがある。貿易収支は恒常的に赤字だ。12月住宅建設許可は弱く、これまでの利上げが影響したが、1月消費者信頼感指数、企業信頼感指数、企業PMIは改善した。

 今週は1月サービス業と総合PMI、1Q企業Iインフレ指数、海外からの訪問客数などの発表がある。政策金利決定は2月22日で、インフレの若干の低下もあり、前回の0.75%利上げ幅から減速した0.5%利上げとの予想だ。
 尚、アルバニージー豪首相とヒプキンスNZ首相は、共同会見を開き、最大の貿易相手国である中国との関係の重要性を強調した。「中国に対するわれわれの立場は明確であり、可能な分野で協力し、必要なときには反対し、われわれの国益のために関与する」と述べた。その上で、対中貿易の規模の大きさを踏まえ「中国と良好な経済関係を築き、貿易を行うことは豪州の国益にかなう」とした。

テクニカル分析

*ドル円「4日連続で131以下が下ヒゲ、年足陽転」
日足、5日連続で下ヒゲが長い。直近4日は131以下が下ヒゲ。ボリバン中位上抜く。2月3日-10日の上昇ラインがサポート。2月7日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日、20日線上向き。
週足、雲の上に出る。ボリバン2σ下限からは反発。5週線。20週線下向き。1月30日週-2月6日週の上昇ラインがサポート。1月2日週-2月6日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、3か月連続陰線。2月は陽転。5か月移動平均線は下向く。22年8月-11月の上昇ラインを下抜く。22年12月-23年1月の下降ラインを上抜く。22年3月-23年1月の上昇ラインがサポート。22年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、23年は陰線スタートだったが、米雇用統計で僅かだが陽転。2022年は大陽線に終わるも、長い上ヒゲを残し売り圧力を残した。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン3σ上限近くから2σ下限へ下落」
日足、ボリバン3σ上限近くから2σ下限へ下落。1月6日-2月10日の上昇ラインがサポート。2月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、2週連続陰線。ボリバン2σ上限近くから反落。雲中へ。1月2日週-2月6日週の上昇ラインがサポート。1月30日週-2月6日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、4か月連続陽線。2月は陰線スタート。ボリバン中位上抜けきれず。21年1月-6月の下降ラインが上値抵抗。22年12月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。2022年は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。下ヒゲが長く反発力あり。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインが上値抵抗だが迫っている。

*ユーロ円「再び雲の下、中位以下へ下落」
日足、再び雲の下、中位以下へ下落。1月19日-2月10日の上昇ラインがサポート。2月6日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発も中位を上抜けず反落。1月16日週-2月6日週の上昇ラインがサポート。12月19日週-2月6日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き。20週線上向き。
月足、2か月連続陰線。1月は陽転。2月は陰転。22年10月-12月の下降ラインが上値抵抗。22年8月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。今年も陽線だが昨年の高値には遠く、昨年の上ヒゲが効く。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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