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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計!強すぎる豪労働市場が利上げ継続を示唆??」ハロンズ FX 2023/2/11

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪雇用統計!強すぎる豪労働市場が利上げ継続を示唆??

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は91.25円前後、NZドル/円は83.48円前後で週初を迎えました。6日の早朝に日銀総裁人事を巡る観測記事が出たため、両通貨ペアともに前週末終値から40~50銭程度円安水準での取引開始となりました。
7日には豪準備銀行(RBA)の理事会が開催され、RBAは市場予想通り0.25%の利上げを実施しました。同時に発表された声明文の内容がタカ派に傾いたと判断され、豪ドル/円は一時91.92円前後まで上昇。NZドル/円もこの動きに連れて、83.87円前後まで上値を伸ばしました。その後は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が市場の期待したほどタカ派ではなかったことから、米ドル/円が下落。クロス円である豪ドル/円とNZドル/円はこの動きに連れて反落。
10日には日銀総裁人事を巡る一部報道を受けて円高が加速。豪ドル/円は一時90.23円前後、NZドル/円は一時82.32円前後まで下落しました(執筆時)。

RBAはタカ派に傾く!それでも市場の反応は薄い?

7日(火)に開催されたRBA理事会で、RBAは0.25%の利上げを実施しました。利上げ幅は市場の中心的な予想通りでした。市場では、①前回(12月)のRBA理事会で金利据え置きの可能性が検討されていたこと、②豪12月雇用統計で雇用者数が減少していたこと、③豪12月小売売上高が市場予想を大幅に下回る結果だったこと、などの理由から一部ではRBAが金利を据え置く可能性もあるとの見方がありました。しかし、政策金利と同時に公表された声明では、「高インフレが定着してしまうと、後にインフレを下げるにはコストがかかる」とし、今後については「インフレが目標(2-3%)に戻ることを確実にするために、今後数カ月更に金利を上げる必要がある」と示しました。これをこれまでの「金利は今後さらに上昇すると予想」という文言よりも強い意志を示したと市場は受け止めました。それと同時に「(政策について)事前に決められた道筋はない」との文言が削除されました。RBAはデータの良し悪しに関係なく、今後数カ月(最低でも2カ月)は0.25%利上げを継続すると表明したと筆者は受け止めています。
豪ドル/円はRBA理事会直後に付けた91.92円前後を頂点に、その後は反落となりました。これは米ドル/円が下落したことが大きく影響しています。豪ドル/米ドルでは、豪ドルが7日以降底堅くじりじりと下値を切り上げています。市場もRBAのタカ派化傾倒と受け止めています。

豪雇用統計が弱い結果でも…?

来週は16日に豪1月雇用統計が発表されます。12月の予想と結果は以下の通りです。全体的に予想を下回ったことがネガティブに捉えられました。

【豪州 2022年12月の雇用統計結果】

しかし、雇用の内訳をみると正規労働者数は増加しています。非常勤雇用者数の減少が多かったため、総合の雇用者数は減っていますが、雇用の質は上がっています。
1月の予想は雇用者数が2万人増、失業率は3.5%、労働参加率は66.6%となっています。市場予想を上回る結果となれば、豪州の労働市場の逼迫が続いている⇒インフレが高止まりする⇒RBAが5月以降も利上げを続ける可能性が高まる。となり、豪ドルには買い圧力がかかってきそうです。
一方で、予想を下回った場合ですが、前述の通り豪州の労働市場は逼迫した状態が続いています。3%台半ばの失業率は過去最低水準、労働参加率の66%台後半は過去最高水準(ともに1978年の月次統計開始以降)となっています。雇用が多少悪化したとしても、RBAはタカ派的な姿勢を崩すことはないでしょう。弱い結果に豪ドルは一時的に売られることはあるものの、買い戻されるのではないでしょうか。

来週の主役はやっぱり…

来週は14日に日米の注目イベントが予定されています。まず、東京時間には日銀新総裁人事が衆参両院の議院運営委員会理事会に内示され、採決されます。既に植田和男元日銀審議委員が新総裁に起用されるとのリーク記事が出ており、ドル/円を中心に円高が進んでいます。14日に実際に内示されることになれば、円高の巻き戻しが持ち込まれる可能性はあるでしょう。
また、14日は米1月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想は前年比+6.2%となっています。前月のCPIが+6.5%でしたので予想通りとなれば米国のインフレは更に鈍化することとなります。先日の強すぎる米1月雇用統計の結果を受けて、市場はFRBの金利予想を上方修正していました。仮に米国のインフレが予想以上に鈍化していたとなると、市場は再びハト派的な予想を強め、ドル売りに転じるのではないでしょうか。
日米の注目イベントが豪ドル/円、NZドル/円の動きにも大きく影響を与えることになると思います。14日は要注意の1日となりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は、週後半に91.50円付近で上値を抑えられました。目先の上値目途は同水準となりそうです。その上の水準を見ると、1月26日高値が92.81円前後となります。同水準には月足一目均衡表の転換線(92.90円前後)も位置していますので、レジスタンスとして意識されそうです。下値は目先は日足一目均衡表雲下限(89.90円前後)が意識されそうです。その下の水準では月足一目均衡表基準線(88.34円前後)がサポートとして機能しそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:88.50-93.00、NZD/JPY:81.00-85.50

2/13 週のイベント:

02/14 (火) 08:30 豪 2月ウエストパック消費者信頼感指数
02/14 (火) 09:30 豪 1月NAB企業景況感指数
02/16 (木) 09:30 豪 1月新規雇用者数
02/16 (木) 09:30 豪 1月失業率

一言コメント:

久々に地元の中華料理屋さんでテイクアウトを頼みました。
電話口で、「1月から値上げしましたがよろしいですか?」と確認されたので、「大丈夫です」と答えたのですが、予想していた以上の金額になっていました。料理に使う肉の種類(牛、豚、鶏)などで値上げ率が変わっていたのですが、値上げ幅が大きいものは約1.7倍になっていました。元々、値段以上のクオリティのお店だったのですが、お値段通りのお店になってしまいました。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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