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FX「22年の円安要因に変調、今週は12月消費者物価で勝負、現在5か月連続低下中」

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総括

FX「22年の円安要因に変調、今週は12月消費者物価で勝負、現在5か月連続低下中」

ドル円=130-135、ユーロ円=138-143、ユーロドル=1.04-1.09

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨12位(11位)、株価16位(11位)、22年の円安要因に変調、ただ貿易はまだ赤字」
 高インフレ、高金利、円安の問題は2023年は改善してくるだろう。要はサプライチェーン問題であり、問題を引き起こしたのは、コロナ感染による労働量不足とロシアのウクライナ侵攻だろう。それらが価格高騰を招き、中銀は利上げを行い、日本は貿易赤字が膨らみ円安となった。西側のサプライチェーン改善の努力は22年後半から結果を出し始めている。原油やLNG価格も低下している。それにより、インフレも低下の兆しが出てきて利下げとはいかないが利上げ減速の傾向が出てきた。日本は円安への対処として円買い介入で貿易赤字の需給を変えた。まだ貿易赤字が続くが輸入の伸びがやや減少し始めている。22年ほどのパニック的な円安や高インフレはないだろう。またこれ以上の利上げは景気後退にも繋がる国も出てきている。

 西側の価格重視による「オフショアリング」から、安全保障重視の「ニアショアリング」の転換も行われつつある。ロシア離れが進み、また中国離れも想定への動きだ。ロシアとしては、混乱を起こして再び価格を釣り上げたいところなので、その影響は一時的にまた起こるだろうが持続性はない。問題は中国離れであるが、資源価格上昇には影響がないのでパニックにはならないだろう。以上を勘案し、資源高、高インフレ、高金利、円安問題は改善するだろう。日本の貿易収支が再び黒字に転換すれば円高なのだが、まだ数字的には赤字が続いているので、浮き沈みしながらの円高への流れとなろう。ただそうなると企業収益のさらなる増加は望めなくなる。急な円高となっても介入することは、円安への対応よりも難しくなる。米国は円買い介入より、米国の競争力を悪化させる円売り介入に対して厳しい姿勢をとる。

 また、日銀は新聞を通じてフォワードガイダンスの出し入れを行っている。1月18日の金融政策決定会合後の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを引き上げる観測があり、これは円買い要因としてくすぶるだろう。まずは今週の東京消費者物価、貿易統計、さくらリポートか。


*米ドル「通貨5位(2位)、株価(NYダウ)12位(9位)、今週は12月消費者物価で勝負、現在5か月連続低下中」
2022年の米成長率予想は2.3%、23年は1%に減速する予想だ。インフレはピークの9.1%から7.1%まで低下したことで、利上げ幅を0.75%から0.5%へ12月FOMCで縮小した。2月FOMCでは、さらに0.25%の利上げ幅に縮小する予定だがカギは今週の12月消費者物価だ。ただFRBには目標の2%には程遠いので利上げを継続する見方が強い。ウィリアムズNY連銀総裁は、労働市場の逼迫により物価圧力は高い状態が続く公算が大きく、当面の高金利が正当化されるとの見解を示した。デーリーSF連銀総裁も、「当局の物価安定目標への到達はかなり先だ、市場がインフレについて、なぜそれほど楽観的なのか私には分からない。インフレ抑制への「道のりはまだ長い」と述べた。利上げ継続に対して成長見通し低下、景気後退懸念がのしかかってくるので、利上げ幅を0.25%するというのが今の市場の見方だ。

 それによってドルは10月からは軟調だ。12通貨中で。10月は7位、11月は最下位、12月は9位と、年間では2位を維持したが、4Qは弱かった。高インフレ、高金利の調整が始まったからだ。高インフレではドル高も容認された。
 12月雇用統計は事前に雇用は強いとされたが、大手企業の大幅人員削減の報道もよく目にするところで不安感が出てきたようだ。また、ゼロコロナ政策緩和も感染者増加の報道もある中国経済の動き、米中の軍事対立も気になるところである。週末には日米首脳会談あり。


*ユーロ「通貨10位(4位)、株価4位(13位)DAX)、2022年は円同様に終盤上昇した。23年に繋がるか」
2022年は3Qまで下位を低迷していたが、4Qに一気に順位を上げて4位で終えた。ユーロドルの年足は長い下ヒゲを残し上昇圧力を感じさせる。ユーロ円年足は22年4Qは上ヒゲを残した。4Qだけでいえばユーロは円より弱かった。
 ロシアのウクライナ侵攻以降は「持たざる国」の弱みで下落したが、4Qに入ってからは資源価格の下落やサプライチェーンの回復でインフレがやや低下、その中でもECB当局者は金融引き締めを維持しユーロ上昇に繋がった。日本ほどエネルギーの海外依存度が高くないこともユーロ上昇に寄与した。原油価格、天然ガス価格はロシアの侵攻当時の水準を下回っている。インフレは11月の10.1%から12月は9.2%に低下したが、ECBの目標の2%から程遠く、ECBは金融引き締めの継続を強調している。ただ2023年の成長見通しは22年の半分以下の1%台以下だ。高インフレでも景気減速で、小幅な利上げとならざるを得ない。また米国の利上げ減速でドルが下落すればユーロが対価として買われる場面も出て来るだろう。FRBとECBを比べると、金融引き締め度はECBが勝っている。ラガルドECB総裁は、一段の利上げが必要だと示唆した。消費者物価急騰を抑えるために必要な措置だと論じたが、1%割れの成長でその主張を続けることは出来なくなる。


*ポンド「通貨5位(10位)、株価6位(5位)、EU離脱後遺症とスタグフレーション懸念、年初はしっかり」
2022年は円に次いで弱く12通貨中10位であった。通貨が弱い分、株価は上昇し、FT株価指数は年初来0.91%高と、世界でも数少ないプラス圏市場となった。2023年の成長見通しは0.5%と低い。22年3QのGDP確報値は、前期比0.3%減と速報値の0.2%減から下方修正された。設備投資が低調だった。設備投資は前期比2.5%減少した。速報値は0.5%減だった。前期比成長率はG7で最低となった。企業は、ブレグジット後の貿易をめぐってまだ苦しんでいるようだ。EU離脱によって英国のGDPは、残留していた場合の水準を5.5%下回り、鉄道や医療など公共サービスへの圧迫が強まったとの研究結果が発表された。英シンクタンク、欧州改革センター(CER)は、成長低下が財務省の収入にも影響を及ぼしていると指摘。英国がまだEUの単一市場の一部であれば、秋季財政報告で発表された増税は必要なかっただろうとの見方を示した。

また3Qの家計所得は4四半期連続で減少し、生活水準が極めて悪化していることが示された。インフレ調整後の1人当たり可処分所得は3Qに0.5%減少した。英国が1年間続くリセッションに既に入っているのはほぼ確実で1990年代初頭に経験したリセッションよりもひどい可能性があるともされている。インフレは11月で10.7%と10月の11.1%から低下したがまだ高くスタグフレーションに向かっている。
 ただ年初は、下げ過ぎたこともあり、買い注文が入って底堅い。


*豪ドル「通貨3位(5位)、株価14位(7位)、11月消費者物価発表に注目、対中は関係改善」
2022年の豪ドルドルの年足は下ヒゲ長く上昇圧力はある。豪ドル円は、やや上ヒゲが長く下落を示唆。年末は豪ドルは対ドルで強く、対円で弱かったが年初もこれを継承するか。
さていち早く世界で利上げ減速を実施したRBAだが、12月理事会の議事要旨によると、これまでの積極的な引き締めの効果が表れるのに時間がかかるほか、不透明な環境では慎重な対応に利点があることを踏まえ、政策金利の据え置きを検討した。理事会では0.5%もしくは0.25%の利上げ、金利据え置きの3つの選択肢を検討したが、0.25%利上げを支持する意見が優勢だった。

22年5月の引き締め開始以降、中銀が利上げ停止を検討したのは12月が初めて。中銀は特に、世界経済の先行きが悪化する中でインフレと労働市場の見通しにかなりの不透明感があると指摘。「この不透明感を認識し、メンバーは2023年の会合でもキャッシュレートについてさまざまな選択肢を検討する可能性に言及した」としている。
その上で「必要であればより大幅な利上げに戻すことを排除しない。反対に、景気の状況やインフレ見通しを評価する間、金利を一定期間据え置く用意もある」とした。
賃金上昇については、リスクバランスが上向きにシフトしたとし、4Qも需要は底堅さを維持したようだと指摘した。一方、消費の伸びは鈍化しつつあるとの見方を示した。
中銀はさらに、今後数カ月でインフレが一段と加速すると予想。「理事会は今後も追加利上げを行う見通しだが、事前に決まった軌道にはない」とし、インフレ率を2-3%の目標に低下させる方針を改めて表明した。
 今週は11月の消費者物価が発表される。10月は6.9%だったが予想は7.5%。政策金利発表は2月7日となる。
さて、豪のウォン外相は、北京で王毅国務委員兼外相と会談した。両外相が共同で発表した声明によると、中豪関係の改善に向け、摩擦の要因となっている貿易や豪州人拘束問題などについて協議を進めることで一致した。ウォン氏は、中国による豪産品への貿易制裁を緩和するよう求めたが、早速、中国が豪からの石炭輸入再開を許可した。両国の外交関係樹立50年に当たり、習近平国家主席とアルバニージー豪首相ら両国首脳が祝電を交換した。習氏は「私は中豪関係の発展を高度に重視している」と関係修復に意欲を示した。


*NZドル「通貨7位(8位)、株価13位(12位)、22年終盤失速の要因は」
2022年は12月半ばまで上位につけていたが終盤失速し、12通貨中8位に終わった。3Qの消費者物価が7.2%と高止まりしていることから、中銀が次回2月の会合で0.75-1.00%の利上げを行うと予想され、また3QのGDPも前期比で2.0%増、前年比で6.4%増と堅調な伸びとなった。国境が完全に再開されて旅行支出が増加したほか、建設部門の活動が拡大した。これでNZドルが買われていたが、いずれも3Q分で少し古い数字であった。
 その後発表された直近の12月の消費者信頼感指数は73.8と、2004年の調査開始以来最低に落ち込んだ。生活コストの急上昇が響いた。
11月の80.7から急低下した。経済が従来予想よりも深刻な景気後退に向かっている可能性があるとの指摘が出ている。

4Q消費者信頼感指数も75.6と、前期の87.6から急低下し、1988年の統計開始以来最も低くなった。ANZの企業信頼感も過去最低を記録している。次回、政策金利決定は2月21日であり、その前に消費者物価、生産者物価の発表がある。当初の大幅利上げ予想は修正されるだろう。

テクニカル分析

*ドル円「22年年足は大陽線も上ヒゲが長い。ボリバン中位以下での推移続く」
日足、雲下、ボリバン中位以下での推移続く。1月5日-6日の上昇ラインがサポート。12月20日-1月6日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。20日線下向き。
週足、21年10月17日からの下降トレンドが続き、ボリバン2σ下限、雲上限に到達。5週平均線が20週平均線を下抜く。12月19日週-1月2日週の下降ラインが上値抵抗。3月7日週-1月2日週の上昇ラインがサポート
月足、22年8月-11月の上昇ラインを下抜く。22年3月-12月、21年9月-22年3月の上昇ラインがサポート。10月-11月、11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2022年は大陽線に終わるも、長い上ヒゲを残し売り圧力を残した。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。


*ユーロドル「年足は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。下ヒゲが長く反発力あり」
日足、ボリバン2σ上限から反落。一時ボリバン3σ下限へ到達。現在はボリバン上位まで戻す。11月4日-1月6日の上昇ラインがサポート。1月3日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限まで上昇し雲中へ。11月28日週-1月2日週の上昇ラインがサポート。12月12日週-1月2日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線後、3か月連続陽線。まだボリバン下位。21年6月-22年12月の下降ラインが上値抵抗。10月-11月、11月-12月の上昇ラインがサポート。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。下ヒゲが長く反発あり。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインが上値抵抗。


*ユーロ円「5週線が20週線を下抜く」
日足、ボリバン中位や雲にに届かず反落。ボリバン2σ下限まで落ちて反発。ただ先週は上ヒゲも出て下押す。1月5日-6日の上昇ラインがサポート。12月29日-1月6日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
週足、ボリバン中位を割り込みボリバン2σ下限へ下落。8月1日週-1月2日週の上昇ラインがサポート。12月26日週-1月2日週の下降ラインが上値抵抗。5週線が20週線を下抜く。
月足、ボリバン3σ上限から反落。11月、12月は陰線。10月-12月の下降ラインが上値抵抗。8月-1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。14年-21年の下降ラインを上抜く。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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