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FX「世界利上げ減速論と需給(原油安、介入、貿易赤字縮小)で進む円高」

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総括

FX「世界利上げ減速論と需給(原油安、介入、貿易赤字縮小)で進む円高」

ドル円=131-136、ユーロ円=139-144、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「世界利上げ減速論と需給(原油安、介入、貿易赤字縮小)で進む円高」
10月半ばから触れてきた「世界利上げ減速論と介入でドル高の流れが変わる」というシナリオで動いている。
 9,10月の日銀介入、世界的な利上げ減速論、エネルギー価格のピークからの下落もあり、ドル円は3月から10月まで続いてきた上昇基調から反転した。円自体は11月は12通貨中で2位、12月は全面円高スタートとなっている。円安基調が覆ってきた。エネルギー価格の下落は、日本の貿易収支にはなかなか反映されず、輸入が輸出を大きく上回ってたが、11月初旬の貿易統計では輸出、輸入の伸びが前年比でそれぞれ20%台と均衡してきた。この傾向が続けば、需給からも円高を支える。今週は11月中旬までの貿易統計の発表がある。もちろん9.1兆円の円買い介入もジワジワと効果を出してきている。ここ1か月では日本の3大輸入品の原油、天然ガス価格は下落、石炭価格は上昇している。現在行われているOPEC総会にも注目したい。

 テクニカルでは日足はボリバン2σ下限に到達したが、週足はまだ下限までに少し余地があり、月足は大きな余地がある=1ドル100円前後。
 心配なのは円高で株安となり、円安で最高益となっていた企業収益が落ちこんで日本経済に勢いがなくなっていくこと、また物価は落ち着くだろうが、給与所得も減少するだろう。さらに日銀内で緩和の検証を求める声が強まり、緩和策の見直し議論にもつながる可能性があるとの観測は世界的な利上げ減速論と対称的だが、円買いを強めるかもしれない。

*米ドル「米ドルは11月は12通貨中で最弱、利上げ減速議論は。今週のPPI、来週はCPI」
 米ドルは11月は12通貨中で最弱となった。12月も8位スタートと年初来2位の強さはない。また昨年のFRB「インフレ一時的」から「断固として高インフレ抑制へ」、そして今は「利上げ減速論」となり、それに従ってドル相場は動いている。利上げ減速論はインフレを必ずしも抑制しているわけではないが、これ以上の利上げは経済成長まで抑制してしまうという考え方から来ている。今の所、実施しているのが豪RBAだが、12月の今年最後の各国の政策金利決定会合でさらに減速へ向かう中銀が出てくるかどうかが来年の相場を占うカギともなろう。

 12月14日のFOMCでも、これまでの0.75%から0.5%の利上げへと縮小するとの見方が強い。パウエル議長は「利上げペースの減速が理にかなう」と発言している。先週の11月雇用統計は改善したが、経済指標全体では強いものは少ない。FOMCでは今週発表される米11月PPI、来週のCPIが大きな手掛かりとなる。ベージュブックでは「インフレは今後、安定的に推移、もしくはさらに鈍化する」と予想している。11月FOMC議事要旨では大多数が「利上げペース減速が近いうちに適切になる」と判断している。原油価格の下げもドル下げに影響している。前回も触れたが11月のFOMC議事要旨では、米ドル高による海外経済、新興国経済への懸念が示され、ドル高で苦しむ国への配慮も示した。

*ユーロ「米国同様に消費者物価が大幅低下、製造業PMIは改善」
 ユーロは11月は月間5位。対ドルで2か月月足連続陽線、12月も陽線スタート。ただ円はさらに強く、11月は月足陰線。簡単に言えば、最近はドルより強く、円より安い。10月までの流れから反転している。反転の大きな理由は米国10月CPIの大幅低下から米国の利上げ減速論が出てきたことでユーロ自身の材料ではなかった。
 ユーロ圏もCPIが米国同様に大幅低下した。11月CPIは前年比上昇率が10.0%上昇となり、10月の10.6%から鈍化した。12月の利上げ幅が引き続き0.75%か、0.5%に縮小するかで見方が分かれていたが、0.5%利上げ予想が強まった。エネルギー価格が上昇鈍化に寄与する一方で、主要な懸念材料である食品価格のインフレは加速し続けている。
 
 デギンドスECB副総裁は、「今後3-4カ月間のインフレ率は現水準で推移する可能性があるが、2023年の1-3月には明らかな減速が見られるだろう」と述べ、「インフレが減速し始めているのは認識しているが、安定的で長期にわたり続く必要がある。インフレ動向がM字型であってはならない」と続けた。デギンドス副総裁はまた、ユーロ圏のリセッション入りを予想しているものの、指標からは落ち込みがそれほど深刻ではないことが示唆されていると語った。
 11月のユーロ圏製造業PMIは47.1と、前月の46.4から上昇した。S&Pは製造業縮小ペースの歓迎すべき緩和が示された。以前の大方の予想ほどには厳しい冬にはならないのではないかとの期待が裏付けられると述べた。

*ポンド「短期では強い。米国の材料主導で反転だが、英中銀も利上げ減速の見込み」
対ドルでは4週連続週足陽線。月足はユーロと同じく2か月連続陽線、12月も陽線スタートで、9月にパリティー割れと言われたところから急回復している。トラス前首相の財政拡大政策からの修正も評価されたのだろう。ただ年間では9位と低迷しているのは貿易赤字やEU離脱のメリットが結果として表れていないこともある。FRB、ECBと同様に利上げ減速予想が出ている。

 JPモルガンは2022年の成長率はプラス4.3%の見込みだが、来年はマイナス0.6%まで下振れるという。英中銀は、「英企業が物価上昇圧力は弱まっているとの見方を示している一方、雇用や投資は減少させるという。利上げの効果が浸透している可能性がある」とした。EU離脱や、パンデミックで圧迫されてきた英経済は今後、金融・財政政策の引き締めによって需要と供給双方が悪化し続ける見込み。景気減速では大幅利上げも続けられない。英中銀は政策金利を前回0.75%引き上げているが、12月の会合でもは0.5%の利上げに留める見込みだ。その前に11月消費者物価・生産者物価が発表される。

*豪ドル「今週も利上げ減速で0.25%の利上げか」
 4回連続0.5%利上げし、ここ2回は0.25%の利上げで利上げ減速を実践している豪RBAであるが、今回も0.25%の利上げ予想の見方が強い。利上げに影響を与える10月CPI上昇率は前年比6.9%と、9月の7.3%から減速した。7.4%以上への上昇予想からはサプライズであったが、同様の大幅低下は欧米でもあったことでエネルギー価格の下落が影響したのだろう。
 インフレがピークに達しつつある可能性が示唆され、一部で懸念されたほどの利上げが不要になる可能性も出てきた。
コアインフレ率の指標として注目される中銀トリム平均値は前月比0.3%上昇となり、昨年11月以来の低い伸びとなった。前年比の伸びも5.4%から5.3%に鈍化し、予想の5.7%を下回った。
 
 先週の経済指標も強くはなかった。10月の小売売上高は前月比0.2%減で、今年初めてマイナスに転じた。物価高と金利高が消費者の購買力に悪影響を及ぼし始めた。11月の豪住宅価格は前月比1.0%下落した。下落は7カ月連続。下落ペースは減速し始めているものの、家計資産が目減りし、今後の消費者信頼感と消費を圧迫する可能性がある。
今週の豪RBA理事会も以上を勘案し0.25%の利上げに留まるものと見られている。米国の利上げ減速論で豪ドルは直近上昇しているが、円がさらに強く対円では弱い。景気上昇へは減速している中国景気の回復が焦点となる。
 今週は政策金利の他、 求人広告 経常収支 GDP 貿易収支 消費者信頼感指数 企業信頼感指数などの発表がある。

*NZドル「タイムラグでの強さ。古いデータの高インフレで利上げ観測があり買われている不安はある」
10月は12通貨中10位であったが、11月は5位へ上昇した。11月は最強通貨であり、12月も3位スタートしている。好材料が多いわけでもない。インフレが抑制出来ず、と言っても現在の最新のCPIは3Qでありこれは前年比7.2%上昇で強かった。その後月次ベースでインフレを発表する他国のインフレは低下しているが、NZは古い7.2%だけが残り、10月に6.9%まで低下した豪と比べられNZドルが上昇した次第で、実勢を表していないかもしれない。11月の企業信頼感は、強いインフレ圧力の中、前月から悪化した。向こう1年間に経済が悪化すると予想した回答者の割合は、差し引き57.1%。10月調査時点では42.7%だった。向こう1年間に自社の事業が縮小すると予想している回答者は差し引き13.7%と、2009年の最悪水準からわずか8ポイントの差に迫った。10月は2.5%だった。
雇用意欲は2020年10月以降、初めて悲観に転じた。

 シルク中銀総裁補は、インフレを抑えるために金利をさらに上げる必要があり、国内経済は「浅い」リセッションに直面する可能性が高いと述べた。
来年2月の次回会合で利上げ幅を決定する際には、消費、企業投資、住宅などのデータを注視するとした。1月25日に予定されている4Qのインフレ指標も重要な材料になる。
先週、政策金利は過去最高の0.75%引き上げられ、約14年ぶりの高水準である4.25%に達した。2月にも0.75%引き上げられるとの予想に傾いており、来7月までに5.5%のピークに達すると完全に織り込んでいる。中銀はこの引き締めに世界的な成長減速が相まって、2023年半ばから1年間の景気後退が国内で起こると予している。

テクニカル分析

*ドル円「本格的に雲下入り。ボリバン2σ下限へ」
日足、本格的に雲下入り。ボリバン2σ下限へ。8月2日-12月2日の上昇ラインがサポート。12月1日-2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き
週足、ボリバン中位を下抜いて下限近くへ下落。5週平均線が20週平均線を下抜く。11月21日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。3月7日週-11月28日週の上昇ラインがサポート。
月足、11月は陰線。9月-10月の上昇ラインを下抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。ただボリバン3σ上限近くからは反落、上ヒゲが長くなってきた。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「ボリバン2σ上限に近づく。12月2日は下ヒゲ長い」
日足、ボリバン2σ上限に近づく。12月2日は下ヒゲ長い。12月1日-2日の上昇ラインがサポート。6月27日-12月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限。11月21日週-11月28日週の上昇ラインがサポート。2月7日週-11月28日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線後、2か月連続陽線。12月も陽線スタート。まだボリバン下位。2月-11月の下降ラインを上抜く。10月-11月の上昇ラインがサポート。21年6月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。ボリバン2σ下限到達し反発。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「雲の下へ急落。ボリバン3σ下限へ」
日足、雲の下へ急落。ボリバン3σ下限へ。9月28日-12月2日の上昇ラインがサポート。12月1日-2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、11月14日週-21日週の上昇ラインを下抜き、ボリバン中位へ下落。9月26日週-11月28日週の上昇ラインがサポート。11月21日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線上向き。
月足、ボリバン3σ上限から反落。11月は陰線。12月も陰線スタート。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。3月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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