読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX「米利上げ減速議論の行方は。FOMC議事要旨でもドル高に言及」

f:id:okinawa-support:20190826111921p:plain

 

総括

FX「米利上げ減速議論の行方は。FOMC議事要旨でもドル高に言及」

ドル円=137-142、ユーロ円=142-147、ユーロドル=1.01-1.06

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価7位(7位)、原油・天然ガス・石炭が決めるドル円相場に介入も参加」
 台湾統一地方選で与党敗北の報が入ってきた。中台、米中緊張高まるか、などの短期的材料にもなるが、中長期的には為替の需給には大きな影響がないだろう。日々無数に出てくる材料を短期的か、中期的な材料に分けて、短期・中長期の為替取引マネージメントに生かしたい。
 さて3月の115円から10月の150円と35円のドル高円安も日銀の介入や世界的利上げ減速論で調整が入ってきた。ただそれは短期的な要因だ、中長期的な要因の日本の貿易赤字のトレンドはまだ変わっていない。
 日本の貿易赤字の要因は、エネルギー=鉱物性燃料の価格に尽きる。原油価格は今年のピークの120ドルから76ドルまで下落したが、天然ガスは6.8ドル台、石炭は360ドル台とロシアのウクライナ侵攻前の水準を大きく上回っている。原油、天然ガス、石炭で約3兆円の輸入があり、月間2兆円の貿易赤字の主要な要因となっている。国別では豪が約1兆円、中東(主にUAEとサウジアラビア)が約1兆円の構成だ。ロシアの構成比は大きくはない。世界的な人口増でエネルギー価格の需要の底堅さはあり、下落が続くわけでもないが、原油・天然ガス・石炭の価格動向が日本の貿易赤字と為替に大きく関わっている。もちろん、今秋のドル売り円買い為替介入で、約4か月分の貿易赤字分を相殺し、その効果も円相場に現れていることは確かだ。介入で需給は変えられるが、その持続性と国際的に介入が容認されるかがポイントとなる。
 今後とも10日ごとの貿易統計からみる需給とそれが日々の仲値動向にどう反映されるかを見極めて日々の取引にも生かしたい。
また底堅い日本のインフレに日銀のとる対応をも注視しなければいけない時期でもある。また11月の米国債などの利払いの円買い要因は剥げ落ちる。


*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)11位(11位)、米利上げ減速議論の行方は。FOMC議事要旨でもドル高に言及」
 米ドルは年間では2位の強さだが、11月は12通貨中でトルコリラよりも弱く最弱通貨となっている。日銀のドル売り円買い介入、11月の米債の利払い償還、10月消費者物価の低下と利上げ減速論などが影響した。11月のFOMC議事要旨では、米ドル高による海外経済、新興国経済への懸念が示された。10月の消費者物価が前年比で9月の8.2%から7.7%へ低下したことでFOMC内でも利上げ減速論が出始めている。4か月連続の低下だが、7.7%という水準の高さや目標の2%からの乖離では利上げ減速に対する慎重論もある。11月30日のパウエル議長の講演で何か手がかりがあるかどうかだ。フェッドウオッチでは12月FOMCでは0.5%の利上げ確率が75%、0.75%の利上げ確率が25%となっている。12月14日のFOMCの前に、12月9日には11月の卸売物価、13日には消費者物価の発表があり十分な手掛かりを与えてくれる。
 今週は11雇用統計や個人消費支出(PCE)が発表される。米雇用はまだひっ迫していると言われながら、大手IT企業の大幅人員削減が続いているが、それが実際の雇用統計に反映されてくるかにも注目したい。
経済指標では相変わらず力強さはない。11月の総合購買担当者景気指数(PMI)は46.3と、10月の48.2から低下した。景気拡大・縮小の節目である50を下回ったのは5カ月連続。金利上昇に伴う需要鈍化を背景に新規受注が2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。


*ユーロ「通貨7位(7位)、株価12位(12位)DAX)、経済指標改善。11月30日の消費者物価に注目」
 今年は円同様に対ドルでは弱いが円ほど弱くはない。日本同様に「持たざる国」でエネルギー輸入に苦労しているが、全体の輸入に占めるエネルギー品目は6%程度で、日本の13%ほど高くなく、それがユーロを円よりは安定させている要因だ。11月は米国でも利上げ減速論が議論されドルが売られて対価としてユーロが買われている。ここ最近のユーロ圏の指標が改善傾向を示していることもユーロ買いに繋がっている。
 独IFOの11月の業況指数は86.3と、予想の85.0、前月の84.5から上昇した。11月の製造業、サービス業、総合PMIも前月より改善した。11月のユーロ圏景気期待指数はマイナス38.7で前月のマイナス59.7から改善した。独景気期待指数もマイナス36.7で、前月のマイナス59.2から改善した。12月の独消費者信頼感指数はマイナス40.2と前月のマイナス41.9から上昇した。
 注目は11月29日の独の11月消費者物価と30日のユーロ圏消費者物価である。ユーロ圏でも利上げ減速論が広まるかどうかである。政策金利決定は12月14日のFOMCの翌日の15日となる。
 尚、シュナーベルECB理事は、インフレがユーロ圏経済への脅威であり続ける中で利上げペースを減速させるのは時期尚早かもしれないと示唆している。


*ポンド「通貨9位(10位)、株価5位(5位)、リセッション懸念あるも高インフレで利上げ継続か。増税もあり苦しい」
 対ドルでは3週連続週足陽線と勢いがある。先週は最強通貨であった。米国でも利上げ減速論が議論され、ドルが売られたことによる他力本願的なポンド買いもあるが経済指標の好転や、またトラス前内閣での財政の失敗を反省して市場に評価される財政政策を取り続けていることもポンド買いが持続する要因だ。
 11月の総合購買担当者景気指数(PMI)48.3で前月の48.2から上昇、予想の47.5も上回った。10月の小売売上高は前月比0.6%増で前月の1.5%減少から改善した。
財政では550億ポンド規模の増税・支出削減を発表。石油・ガス会社に対する超過利潤税を延長し、個人所得や配当への最高税率適用額を引き下げ対象を拡大すると説明。一方で最低賃金を引き上げ、公共料金の支払いに苦しむ弱者には的を絞った支援を提供した。放漫な財政支出を避け市場の信頼を得ようとしている。
 12月15日に政策金利が決定されるがその前日に、11月消費者物価・生産者物価が発表される。10月消費者物価は前年比11.1%上昇であったが、予想は11.3%となお高い。政策金利は0.5%引き上げて3.5%となる予想だ。


*豪ドル「通貨6位(6位)、株価10位(10位)、利上げ幅のヒントをロウRBA総裁講演に求めたい」
 先週は12通貨中3位、11月月間では6位、年間では6位とまずまずの展開だ。持てる国の強みがある。ロウRBA総裁は、国内の物価が一段と不安定な局面に直面していると指摘した。国外要因がコスト押し上げ圧力となり、金融政策でインフレ率を狭い目標レンジ内に維持するのを困難にしているとし、世界が一段の供給ショックに直面していることを踏まえ、2-3%というRBAのインフレ目標を見直す価値はあると述べた。供給ショックに見舞われた状況はより複雑で「中銀にとって金融政策環境は一段と厳しくなる可能性が高い」と述べた。
国内のインフレ率は過度に高く、それを下げるためにさらなる利上げが必要と改めて述べる一方で規定路線はないとし、必要に応じて0.5%の大幅利上げに回帰する可能性もあれば、金利を調整せず状況を見守ることもあり得るとした。
 IMFは豪経済に関する年次報告書で、住宅価格の下落などの下振れリスクにより来年大幅な減速が見込まれるが、インフレ抑制に向けた金融・財政引き締め策を継続すべだとの考えを示した。新型コロナウイルス禍からの回復は先進国の中でも特に力強く、今年は3.7%の成長が見込まれるとした。ただ、金利上昇やインフレ高進、輸出の伸び悩み、住宅価格の下落を踏まえると、23/24年度の成長率は1.7%に減速すると予想した。12月6日の政策金利は0.25%から0.5%までの予想の範囲だが、12月2日のロウRBA総裁の講演も注目したい。
 さらに豪の経済を左右するのは対中関係だが、G20サミットでの豪中首脳会談では通商・人権問題が議論された。


*NZドル「通貨8位(9位)、株価13位(12位)、高金利だけでは通貨高は長期には維持できない」
 NZドルは年間では8位だが11月はここまで最強通貨となっている。既に今年の最終の政策金利決定は終えたが、0.75%引き上げて4.25%とした。4.25%は2009年1月以来の高水準。0.75%の利上げ幅はNZ中銀としては過去最大。NZ中銀は声明で、「インフレを中期的に目標レンジ内に回帰させるため、政策金利は以前に示したよりも早期に、より高い水準に達する必要がある」とした。
国内経済は23年2Qに縮小し始め、24年1Qまでマイナス成長が続くと予想した。議事要旨では1.0%の利上げも検討した。利上げは今回で9会合連続だ。
 一方、経済指標は思わしくない。11月の消費者信頼感指数は80.7で、6月以来の低水準を記録した。インフレ高進、金利上昇、住宅価格下落を背景に前月から5ポイント低下した。また10月の貿易統計は、21.29億NZドルの赤字となった。
 先の話だが、NZ中銀は来年2月に金利を0.75%引き上げ、4月にはさらに0.5%引き上げる予想が出てきた。ただ経済指標には力強さがなく、貿易収支も赤字である。高金利だけではNZドル高は維持できない。

テクニカル分析

*ドル円「雲の下で3日推移、今週は下降ラインの上で始まるか、上昇ラインの下で始まるか」
日足、雲の下で3日推移。雲の下に慣れてきたか。11月24日-25日の上昇ラインがサポート。11月23日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。下降ラインの上で始まるか、上昇ラインの下で始まるか
週足、4週連続陰線後はボリバン中位近辺で小康。5週平均線を上抜けず。11月7日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。11月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。
月足、11月は陰線で終わるか。9月-10月の上昇ラインを下抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。ただボリバン3σ上限近くからは反落、上ヒゲが長くなってきた。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「反発続く」
日足、ボリバン3σ上限に達し反落も先週は盛り返す。11月22日-25日の上昇ラインがサポート。11月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限へ。11月7日週-11月21日週の上昇ラインがサポート。11月14日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線後、10月は陽転。11月も陽線スタート。ボリバン2σ下限から反発。9月-10月の下降ラインを上抜く。9月-10月の上昇ラインがサポート。21年6月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。ボリバン2σ下限到達し反発。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


*ユーロ円「ボリバン中位越えず」
日足、ボリバン中位越えず。11月24日-25日の上昇ラインがサポート。11月23日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線下向き。
週足、144円半ばで持ち合う。11月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。11月7日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線上向き。
月足、ボリバン3σ上限から反落。11月は陰線スタートも下ヒゲ伸ばし反発。9月-10月の上昇ラインを下抜くか。3月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。