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ユーロ円の11月見通し「対ドルでのユーロ安再燃を警戒」

【外為総研 House View】

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執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 10月の推移
・10月の各市場
・10月のユーロ/円ポジション動向
・11月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 11月の見通し

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 10月の推移

10月のユーロ/円相場は140.901~148.403円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.6%上昇した(ユーロ高・円安)。

前月に約20年ぶりの安値へと売り込まれたユーロ/ドルが自律的に反発した他、ドル/円が32年ぶりに151円台へと上昇したことから、ユーロ/円は2014年12月以来約8年ぶりに148.40円前後まで上伸した。21日の高値更新直後には本邦政府・日銀の円買い介入と見られる動きで急落。その後は、英国の首相交代で同国の財政不安が和らいだことからポンドが上昇するとユーロにも買いが入った。

ただ、欧州中銀(ECB)が予想通りに75bp(0.75%ポイント)の大幅利上げを決めた27日には再び急落。エネルギー高などで傷んだユーロ圏経済に配慮してECBが利上げのペースを緩めるとの見方が広がった。ところが、日銀が大規模金融緩和の維持を決めた28日には円売り主導で急反発するなど、中旬以降は荒い値動きを示現する局面が目立った。

ユーロ/円 10月の推移

ユーロ/円10月の4本値
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

5日
独8月貿易収支は予想(47億ユーロの黒字)を大幅に下回る12億ユーロの黒字にとどまった。ウクライナ戦争によるエネルギー高騰の影響などから輸入が増えた結果、黒字は少なくとも1996年のユーロ発足以来で最低となった。

6日
ECBは9月理事会の議事録を公表。「一部のメンバーは50bpの利上げを主張」したが、最終的には「すべてのメンバーが主要金利を75bp引き上げることで合意」したことが明らかになった。さらに「金融政策はデータを注視し続けるべきで、あらかじめ設定された経路をたどるべきではない」「高インフレが定着するとの懸念が高まる中、経済成長鈍化を代償にしても積極的に金融政策を引き締める必要がある」とした。

10日
ロシアがウクライナの首都キーウなどへのミサイル攻撃を行ったことから地政学リスクの高まりを受けてユーロが下落。その後、「ドイツはエネルギー危機対応で(反対の立場を示していた)欧州連合(EU)共同債を支持」とする一部報道が伝わると買い戻しが入ったが一時的だった。

14日
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナとの戦争については「大規模な攻撃は今のところ計画していない」「ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある」「2週間以内に軍事動員を終了する予定」と述べた。ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退したとの見方からユーロの買い戻しが優勢となった。

18日
独10月ZEW景況感調査の期待指数は-59.2と予想(-66.5)ほどには落ち込まなかった。ZEW所長は「今後6カ月で実質国内総生産(GDP)が減少する可能性が大幅に高まった」「全体として経済見通しは再び悪化している」との見解を示した。同時に発表されたユーロ圏10月ZEW景況感調査は-59.7だった(前回-60.7)。

24日
独10月製造業PMI・速報値は45.7(予想47.0)、同サービス業PMI・速報値は44.9(予想44.9)。ユーロ圏10月製造業PMI・速報値は46.6(予想47.9)、同サービス業PMI・速報値は48.2(予想48.2)だった。

25日
独10月Ifo企業景況感指数は84.3と予想(83.5)を上回ったものの、前月(84.4)から僅かに低下して2020年5月以来の低水準を記録した。独Ifo経済研究所は「独経済は厳しい冬を迎えている」との見解を示した。

27日
ECBは主要政策金利を予想通り75bp引き上げて1.25%から2.00%にすると発表。声明では「今後も利上げを継続する」としながらも「3回連続の大幅利上げにより、理事会は金融緩和からの撤退を相当程度進められた」と指摘。その上で「今後数回の会合に渡って引き上げを継続する」との文言を削除した。その後、ラガルド総裁が「第3四半期の経済活動は著しく減速したと見られる」「第4四半期と23年第1四半期はさらに減速する可能性が高い」との見解を示すとユーロ安の勢いが増した。

28日
独7-9月期GDP・速報値は前期比+0.3%と予想(-0.2%)に反して増加。4-6月期(+0.1%)から伸びが加速した。独経済は底堅さを維持しているとの見方からユーロの買い戻しが優勢となった。その後に発表された独10月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+10.4%と、前月の+10.0%から加速し、予想(+10.1%)を上回った。EU基準の10月CPIも前年比+11.6%と予想(+10.9%)を上回る伸びとなった。

10月の各市場

日経平均、独DAX

独国債利回り(2年、10年)

10月のユーロ/円ポジション動向

ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

11月のユーロ圏注目イベント

11月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 11月の見通し

10月31日に発表されたユーロ圏の10月消費者物価指数(HICP)は速報値ベースで前年比+10.7%と過去最大の伸びを記録した。エネルギー危機が企業と家計に打撃を与える中で、第4四半期(10-12月期)はマイナス成長に落ち込むとの見方が強い。そうした中で、11月のユーロ相場が前月の堅調を維持できる公算は小さいだろう。10月のユーロは対ドルでいくぶん強含んだが、これは9月に約20年ぶりの安値に沈んだ反動と見られる。パリティ(1ドル=1ユーロ)の回復が一時的だったことからも自律反発の域を出ないと考えられる。欧州中銀(ECB)が景気に配慮して利上げのペースを緩める可能性が浮上したことがユーロの重しになりそうだ。10月27の理事会でECBは「3回連続の大幅利上げにより、理事会は金融緩和からの撤退を相当程度進められた」と指摘。その上で「今後数回の会合に渡って引き上げを継続する」との文言を削除した。インフレが米国よりも高いにもかかわらず米国よりも早いタイミングで引き締めペースを鈍化させるとすれば、ユーロは対ドルで下落する公算が大きい。11月はユーロ安・ドル高の流れが再開する可能性があり、対ドルでのユーロ安がユーロ/円の重しになるだろう。
(予想レンジ:141.000~151.000円)

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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