豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
本日 12:30 RBA政策金利発表!
・10月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策会合を開催。市場予想の0.50%を下回る0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.60%とした。
・WTI原油価格は続落。中国の弱い経済指標の結果を受けて、同国での原油需要の見通し不透明感が高まっていること、欧州のインフレ率が過去最高水準まで上昇し景気後退リスクが高まったことが要因。一時1バレル=85ドル台まで下落(10月31日)。
・10月26日に豪統計局は7-9月期四半期消費者物価指数(CPI)と9月の月次CPIを発表。7-9月期CPIは前年比+7.3%(予想:+7.0%)、9月CPIも+7.3%(予想:+7.1%)とそれぞれ上振れとなった。7-9月期CPIのトリム平均は+6.1%となり、同項目の公表が開始された2003年以降で最大の伸びとなった。
・9月分の豪雇用者数は900人増と予想の2.5万人増を大きく下回る。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%と前月から横ばいとなった(10月20日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。次回は11月16日発表予定。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円の上値は重い?注目のRBA理事会で利上げ幅再拡大でも…
本日はRBA理事会が予定されている。先月、RBAは「急速かつ大幅な(6月~9月の4会合で2%)利上げの影響を見極めたい」と利上げ幅を0.25%に縮めた。そのため、「11月の理事会(本日)も0.25%利上げを実施し、様子見を継続する」というのが、市場予想の大勢を占めている。他方で、7-9月期CPIが予想を大きく上回りRBAの年末の予想値(前年比+7.75%)に接近していたことにより、RBAが利上げ幅を再拡大するとの予想も少ないながらも聞こえてくる。豪ドル/円は利上げ幅再拡大となれば、初動では買われることになりそうだ。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを落とさないとの見方が強まっていることもあり、豪ドルは買い一巡後は上値を抑制されそうだ。昨日、中国国家統計局が発表した中国製造業/非製造業購買担当者景気指数(PMI)はともに市場予想を下回った。また好不況の境目となる50.0も下回った。本日は10:45に10月Caixin中国製造業PMIが発表される。民間統計であるCaixinも弱い結果となれば、中国と交易関係が強い豪ドルには相応の売り圧力がかかってきそうだ。
個別の想定シナリオ
■RBAが利上げ幅を0.50%に再拡大する
⇒ポジティブサプライズとなり、初動では豪ドルが買われる
⇒FRBは大幅利上げを継続するとの思惑が強まっている
⇒米豪の金利差は拡大する
⇒豪ドルは対米ドルで下落
⇒米ドル/円は介入警戒により、上昇スピードが抑制される
⇒豪ドル/円の上値は限定的
チャート分析
今後の注目材料
中国10月Caixin製造業PMI
RBA理事会
米10月ISM製造業景況指数
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは晴れ。8時に豪ドル/米ドルの移動平均で買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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