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豪ドル/円 NZドル/円 週間為替見通し「豪CPIは市場予想以上!RBAは利上げ幅を再拡大する!?」ハロンズ 2022/10/29

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪CPIは市場予想以上!RBAは利上げ幅を再拡大する!?

今週の振り返り

今週は10月24日の東京時間朝方に、財務相・日銀による円買い介入と思われる動きがあり、豪ドル/円、NZドル/円は大きく下落しました。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ速度が減速するとの思惑から米ドル売りが強まりました。豪ドル、NZドルは対米ドルでは買われたものの、米ドル/円が下落したため、豪ドル/円、NZドル/円が大きく上値を伸ばすには至りませんでした。豪ドル/円は94.67円前後で週初を迎え、一時92.92円前後まで急落後、95.44円付近まで買い戻されました。NZドル/円は85.60円前後で週初を迎え、一時84.12円前後まで急落後、85.58円付近まで買い戻されました。

注目のRBA理事会!四半期CPIの上伸を受けて利上げ幅再拡大はある?

26日に豪7-9月期四半期消費者物価指数(CPI)が発表されました。結果は前年比+7.3%と予想(+7.0%)を大きく上回り、1990年の4-6月期以来の高水準となりました。豪準備銀行(RBA)が10月4日の理事会の時点で予測していた2022年末のインフレ率が7.75%です。RBAの予想よりもインフレの勢いが強まっている可能性があります。

では、RBAは11月1日の理事会で利上げ幅を0.50%に再拡大するのでしょうか?
筆者は10月に続いて0.25%利上げを継続すると予想しています。

RBAが利上げ幅を縮小したのは、「短期間で急速に上昇させた金利が経済に与える影響をみたい」からです。そして、RBAが短期間で急速に金利を上げたのは6月~9月(4カ月連続で0.50%利上げ)です。元々、金融政策の変更が実体経済に影響を与えるには数カ月以上かかると言われている上に、利上げを開始したのが5月ですので、CPIに利上げの影響が完全に反映されているとは考えにくいことです。
そのため、年内(あと2回の会合)は様子を見たいのではないか?と見ています(10月のCPIが引き続き高水準だった場合は、12月から利上げ幅拡大)。

他方で、前述しましたがインフレ率がRBAの年末の予想にかなり近づいてきていることも事実です。そして、RBAがインフレ率とともに重視している労働市場の動向も気になります。9月の豪雇用統計は8月からほぼ横ばいだったことは、ネガティブ要因として捉えられがちです。しかし現在の豪州の労働市場は、1978年に月次統計を開始して以来、失業率は過去最低(一番良い)、労働参加率は過去最高水準(過去最高は2022年7月の66.8%)です。「インフレは予想以上に加速しており、労働市場は引き続き堅調」とRBAが判断すれば、来週の理事会での利上げ幅再拡大は十分あり得ると思います。その場合は、FRBの利上げ幅縮小観測が強まっているだけに、豪ドル買いの圧力は強くなりそうです。

利上げ幅を0.25%で維持。利上げ幅を0.50%に再拡大。どちらもあり得ますので保有ポジションにはご注意ください(10/28時点の市場予想では0.25%利上げが優勢。間を取って0.40%利上げして政策金利をキリの良い3.00%にするのもあり?)

その他にも注目経済指標が盛りだくさん

そのほか、来週は経済イベントが多数予定されており、気が抜けません。以下国別に触れていきたいと思います。

中国
10月31日に国家統計局の公表する10月製造業購買担当者景気指数(PMI)、11月1日と3日にそれぞれ、10月Caixin製造業PMIと10月Caixinサービス業PMIが発表されます。中国では10月16日~22日に5年に一度の共産党大会が開催され、「68歳になったら引退する」という慣例を破り69歳の習近平国家主席の3期目続投が決まりました。党幹部も習氏の側近で固められたため、今後の中国経済への不透明感が高まっています。前述の各PMIの結果が予想を下回ると、中国経済減速への懸念はさらに強まることとなり、中国と交易関係の強い豪ドルにはネガティブ要因となります。

豪州
豪州では9月小売売上高や9月住宅建設許可件数、9月貿易収支といった主要な経済指標のほかにもRBAによる四半期金融政策報告(7-9月期)が公表されます。前回、4-6月期の四半期金融政策報告では2022年末のインフレ見通しを大幅に修正(5.9%⇒7.75%)したほか、経済成長見通しを下方修正しました。豪経済の見通しが下方修正されると豪ドル売りの圧力がかかってきそうです。そのほか、小売売上高では豪州の家計消費が高インフレ、高金利下でも引き続き堅調に推移しているかどうかを確認することとなります。貿易収支では、鉄鉱石をはじめとした資源価格の下落が貿易黒字幅を縮小させると予想しています。

NZ
NZでは3日に7-9月期の雇用統計が発表されます。失業率は2021年10-12月期に1986年の統計開始以来、最低となる3.2%を記録しました。それ以降3.2%~3.3%と低水準での推移となっていることから、この水準を維持することがNZ準備銀行(RBNZ)が大幅利上げを継続する一つの条件となりそうです。

テクニカル的には

豪ドル円は、日銀・政府による介入(公表はしていない)の影響で一時95円台から92円台へ急落する場面がありましたが、すぐに94円台まで切り返して底堅く推移しています。ただ、上値に関しては98.79円前後を起点とした下落トレンドラインや一目均衡表の分厚い雲が抵抗となり95円台で伸び悩んでいます。そのため、来週は95円台の抵抗となる水準を上抜けられるかが注目です。一目均衡表の雲を上抜けることができれば三役好転で買いシグナルが点灯し、上値模索の展開となる可能性があります。なお、下落トレンドラインに沿って上値が重たい展開が続くことも考えられます。その場合は、上値を切り下げつつ93円付近をサポートに保ち合いとなるか、直近の安値である90.85円前後に向けて下落する展開も頭に入れておきたいです。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:90.50-96.50、NZD/JPY:83.00-88.00

10/31 週のイベント:

10/31 (月) 09:30 豪 9月小売売上高(前月比)
10/31 (月) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
11/01 (火) 06:45 NZ 9月住宅建設許可件数(前月比)
11/01 (火) 10:45 中国 10月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
11/01 (火) 12:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
11/02 (水) 06:45 NZ 7-9月期四半期就業者数増減(前期比)
11/02 (水) 06:45 NZ 7-9月期四半期失業率
11/02 (水) 09:30 豪 9月住宅建設許可件数 (前月比)
11/03 (木) 09:30 豪 9月貿易収支
11/03 (木) 10:45 中国 10月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
11/04 (金) 09:30 豪 豪準備銀行(RBA)、四半期金融政策報告

一言コメント:

毎月のことなのですが…豪州、NZ、中国では月末月初に数多くの経済指標が発表されます。そのため、月末月初のハロンズは書くことが盛りだくさん。必然的に月の中旬頃は経済指標の予定も少なく、書くことに苦慮しています。もう少し均等に分けてもらえるとレポートを書く側としては助かるのですが…と、ハロンズを書き始めてかれこれ数年。ずっと思っています。

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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