執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
執筆日時 2022年10月28日 18時20分
米FOMC以外のイベントにも注目集まる、荒れた展開も
10月24日週の米ドル/円は振幅の大きな値動き
政府・日銀による円買い・ドル売り介入観測や、米国の利下げスピード鈍化の思惑から、足もとのドル高トレンドが巻き戻されました。米ドル/円は週明け早朝に145.449円まで下げた後、149円半ばまで切り返したものの、上値は重く145.110円まで押し戻されました。(各レート水準は執筆時点のもの)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
FXライブ/為替予想【実践リアルトレード】ECB・米GDP Live、米国景気後退シグナルか(2022年10月27日)- YouTube
米ドル安材料をいくつ減らせるか
来週は11/1(火)に米10月ISM製造業景況指数、11/2(水)に米連邦公開市場委員会(FOMC)、11/3(木)に米10月ISM非製造業景況指数(総合)、11/4(金)に米雇用統計と重要イベントが並んでいます。特に重要なのはFOMCであることに変わりありませんが、FEDウォッチャーのニック・ティミラオス氏の指摘にあった「継続利上げに対しそれが本当に必要か再考する可能性」の真偽を確かめるのであれば、他の指標結果も注視されます。米ドル/円は経済指標の強弱に一喜一憂することになりそうです。 もっとも、筆者は最終的には米国の利上げペースダウンはあっても、利上げサイクルは当面続くとの思いから、米ドル/円は日米金利差拡大を手掛かりに再度上方向を試すことになるのではないかと考えています。
ただ、最近の米ドル安の理由が①FRBの利上げペース鈍化観測、②月末のリバランスフロー、③債券市場の流動性低下による財務省による国債買い戻し、④日本・中国当局による自国通貨買い介入、⑤日銀・FOMC前のポジション調整など多岐にわたるため、イベントを通じても米ドル相場が安定しない可能性はあり、金利差だけを頼りに米ドル買いに大きくポジションを傾けるのは危険です。
米ドル/円、149円半ば越え達成ならその上も期待
8月11日安値(131.732円)からの上昇幅の61.8%地点である144.222円を前に調整ムードが一服しつつあり、上昇地合いは続いていると判断しています。そのため、買いでついていく方が無難と考えますが、151.942円(10月21日)からの下落幅の61.8%戻しに当たる149.332円を超えられなければ、再び調整ムードが広がりやすくなるでしょう。同ラインを越えられるかどうかがポイントになりそうです。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:145.500-149.500
10/31 週のイベント:
10/31(月) 8:50 日本 9月鉱工業生産・速報値
10/31(月) 19:00 日本 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
10/31(月) 22:45 米国 10月シカゴ購買部協会景気指数
11/1(火) 23:00 米国 10月ISM製造業景況指数
11/1(火) 23:00 米国 9月建設支出
11/2(水) 8:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
11/2(水) 21:15 米国 10月ADP雇用統計
11/2(水) 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
11/2(水) 27:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
11/3(木) 21:30 米国 9月貿易収支
11/3(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
11/3(木) 21:30 米国 7-9月期四半期非農業部門労働生産性・速報値
11/3(木) 21:30 米国 7-9月期四半期単位労働コスト・速報値
11/3(木) 22:45 米国 10月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)
11/3(木) 23:00 米国 10月ISM非製造業景況指数(総合)
11/3(木) 23:00 米国 9月製造業新規受注
11/4(金) 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
11/4(金) 21:30 米国 10月非農業部門雇用者数変化
11/4(金) 21:30 米国 10月失業率
11/4(金) 21:30 米国 10月平均時給
一言コメント
外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が平日毎日21時よりライブ配信しています。番組では、注目材料の紹介、テクニカル分析でエントリーポイントや利食い・損切りポイントを解説し、実際にリアルトレードも行っています。ご興味のある方は、一度、こちらにアクセスしてみてください。
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