ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
日々、相場情報発信中!
目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・10月20日に辞任したトラス前首相の後任として、チャールズ国王の任命を受けてリシ・スナク氏が英国の新首相に就任した(10月25日)。
・英10月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、速報値)はそれぞれ、45.8、47.5となり、予想(48.0、49.0)と前月(48.4、50.0)を大幅に下回った。製造業は2020年5月以来の低水準となった(10月24日)。
・英9月小売売上高(除自動車燃料)は前月比-1.5%と予想の-0.4%を大幅に下回る。前月分は-1.6%から-1.7%へ下方修正(10月21日)。
・英9月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.1%(予想+10.0%)と7月に記録した約40年振りの記録に並んだ(10月19日)。
・英4-6月期国内総生産(GDP、改定値)は前期比+0.2%と速報値の-0.1%から上方修正された(9月30日)。10月12日に発表された英8月月次GDPは前月比-0.3%と再びマイナス成長に転じている。
・10月11日に発表された、英6-8月失業率(ILO方式)は3.5%と前回(3.6%)から低下。賃金上昇率(除賞与、3カ月平均、前年比)は+5.4%と堅調な伸びを継続していた。
・9月22日にイングランド中銀(BOE)は0.50%の利上げを実施し、政策金利を2.25%とした。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中3人が0.75%の利上げ支持。次回会合は11月3日。
今日のメインシナリオ
2つの期待。英新政権の健全政策と米利上げサイクル減速観測がポンドを支える?
10月25日に英保守党党首選に勝利した、リシ・スナク元財務相がチャールズ国王の任命を受けて、英国の新首相に就任した。スナク首相は、9月に行われた前回の保守党党首選(トラス前首相に敗れ2位)では「インフレが改善するまでは減税しない方針」を打ち出していた。就任の演説では「経済の安定と政治への信頼感を取り戻す」と語ったことや、前政権の大型減税案を撤回したハント財務相をはじめ主要閣僚を留任させたことが好感され、ポンド買いが優勢となっている。本日は英国の主要経済指標の予定はない。そのため、スナク新政権への期待がもうしばらくポンドの下値を支えるとみている。他方で、10月21日に発表された英9月小売売上高・除自動車燃料や、24日に発表された10月製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI、速報値)が予想を下振れていた。英国経済は高インフレ、高金利の影響により減速期に入っている可能性が高いため、新政権への期待が一巡すれば景気が悪化する見通しのポンドには売り圧力がかかってきそうだ。
英国外の材料では米国の新築住宅販売件数など一連の経済指標に注目したい。先週末に米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを減速させる可能性を示す報道が出てからは、米経済指標の結果に米ドルが素直に反応するようになっている(良ければ米ドル買い、悪ければ米ドル売り)。FRBが利上げサイクルを終了するわけでないため、これまで一方的に進んだ米ドルの独歩高状態への調整とも見れるが、11月2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まではこの流れが続くと見ている。
個別の想定シナリオ
■英新政権の政権運営に対する期待
⇒ポンドは買われる
チャート分析
注目材料
米経済指標
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円、ポンド/米ドルともに雨。12時にポンド/米ドルのRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
経済指標カレンダーはコチラ
【PR】昨今の為替のニュースでFXに興味を持った方におすすめ!初心者向けセミナーを開催予定!
【PR】人気の複数通貨ペア スプレッド縮小キャンペーン | │初心者にもわかるFX投資 | 外為どっとコムのFX
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。