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FX「バイデン大統領とイエレン財務長官がドル高容認、日本は史上最大の貿易赤字か」

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総括

FX「バイデン大統領とイエレン財務長官がドル高容認、日本は史上最大の貿易赤字か」

ドル円=146-151、ユーロ円=142-147、ユーロドル=0.95-1.00

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価3位(4位)、史上最大の貿易赤字による円安。米国もドル高円安容認。それに立ち向かう単独介入」
 今週、発表される9月貿易統計が、予想通り2兆円程度の赤字となれば、1-9月累計で約14兆円の赤字となり、この時点で2014年の年間赤字記録の12.7兆円を上回る。2014年前後ではドル円は75円から125円へ50円上昇し、最近の101円から148円の47円の上昇に匹敵する。1981年から2010年の約30年間は「貿易黒字円高」の歴史だったが、2011年以降は「貿易赤字円安」に移行しつつある。「貿易黒字円高」での円売り介入が難しかったのと同様に、「貿易赤字円安」時代の円買い介入は、需給の流れに立ち向かうものなので、断続的かつ大量にやらないと効果がない。ただG7の為替合意では「介入原則不可」なのでそれは難しい。

 今回の介入も米国やG-7にお伺いを立てながらのものであり、効率的ではなく即効性がない。貿易赤字で円安となっているのに、「投機的」と言わないと介入のお墨付きが出ない。円安は貿易赤字によるもので、それを是正しないと円高にならない。ただ円安デメリットの声が大きいが、企業収益は過去最高、対外純資産は100兆円増加、物価も世界と比べれば低い。円安メリットも大きい筈だ。黒田日銀総裁も物価上昇は一時的と発言している(そうなら円買い介入は不要か)。

 バイデン大統領やイエレン財務長官も「ドル高」を容認している。日本の輸入全体のエネルギー依存度は高く、EUの倍の26%である。原油高が通貨安に結び付きやすいのが日本だ。一時的な介入で貿易需給を覆すのは難しく、介入で荒れ相場になっても、まだ円安トレンドは続くのだろう。日銀総裁の繰り返しの金融緩和継続発言も円安を促進している。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)11位(12位)、バイデン大統領とイエレン財務長官がドル高容認」
 ドルは依然、強く年初来、12通貨中2位。バイデン大統領やイエレン財務長官がドル高を容認した。バイデン大統領は10月15日、「ドルの強さに関しては心配していない。他国については懸念している」とし、ドル高を容認す姿勢を示した。国内の物価高対策を優先する構えを鮮明にした。イエレン米財務長官は14日、「市場で決定される為替レートがドルにとって最良の体制であり、それを支持する」と語り、ドル高を修正する意思がないと示唆した。インフレとの闘いがバイデン政権の最優先課題だと述べた。米国では11月8日に中間選挙を控え、物価高対策が争点になっているが、9月の消費者物価は前年同月比8.2%上昇した。伸びは1981年11月以来の大きさとなった6月の9.1%上昇から鈍化しているものの、予想の8.1%上昇を上回り、FRBが11月の会合で0.75%ポイント利上げするという見通しが強まった。

 経済は弱くはない。アトランタ連銀の3Q・GDPナウは2.8%と強い。ただ株価は金利の急上昇にまだついていけず今年はハイテク産業中心に大幅下落(年初来でダウ18.45%安、ナスダック34.03%安)。貿易赤字は継続だが、資源高の影響もあり、赤字拡大の日欧とは異なり、赤字が縮小していることもドル高に寄与している。資源高、サプライチェーンの問題が解決するまでドル高の流れも継続か。今週はベージュブックで米国産業(製造業や観光業)がドル高の影響を受けているかチェックしたい。

*ユーロ「通貨7位(8位)、株価13位(13位)DAX)、貿易赤字で弱いユーロ。円よりは強い。景気後退でも高金利でさらに利上げか」
 対ドルでは年初来14.55%安と弱いが、対円では10.45%と強く、12通貨全体では7位。目くじらを立てるほど弱くはない。ユーロ円は再び年初来高値に近い。インフレを大胆に抑制する政策は米国と同じだが、(資源を)持てる国の米国とは経済指標に大きな差がある。それがドルとの差だが、かつての貿易黒字大国の独を中心としたユーロ圏も貿易赤字が続いていることはユーロ安の要因だ。
 8月のユーロ圏貿易収支は510億ユーロの赤字と、2015年1月以降で最大の赤字となった。エネルギー高騰で輸入額が増加したことが背景。前月は340億ユーロの赤字。10カ月連続の赤字となった。輸出は前年比24%増の2311億ユーロ。輸入は53.6%増の2821億ユーロ。ただ日本と比べると、輸入全体に占めるエネルギー輸入は12%程度で日本の26%と比べると低く、それがユーロ円上昇の要因となっている。

 金融政策への要人の発言はほぼ似通っている。ラガルド総裁は、景気減速と、さらに多くのセクターに広がるインフレがユーロ圏の金融安定を脅かしていると指摘した。インフレが高止まりしているため年内2回の理事会で0.75%ずつの利上げを行うべきで、バランスシートの縮小議論は来年になるとの見方が多い。
 ユーロ圏が冬にリセッションに陥ったとしても、中立水準に戻すだけではインフレ抑制には不十分で、「中立水準を上回る必要がある」とされている。現時点では、インフレ期待は依然十分に抑制されているが、断固たる措置をとらなければ深刻なリスクがある。ユーロ共同債の報道で一時、金利が低下したが、のちに否定され金利は再上昇している。

*ポンド「通貨9位(9位)、株価5位(3位)、政治的ドタバタが終わり、正しい財政政策でポンドは先週、最強通貨」
 過ちを正せば評価される。ポンドは年初来で対ドルでは17.35%安、対円では6.82%高。対円では一時円より弱くなったが、減税政策を取りやめたことで円とNZドルを抜いて9位に位置している。政局は混とんとしているが、財政政策を元に戻したことでポンドも回復、先週はポンドは最強通貨、10月もここまで2位となっている。長期的には恒久的な貿易赤字があり。長期的なポンド安傾向は160年ほど続いている。
160年前の高値は1ポンド9.9ドル台であった。ポンドは下落の歴史であり、ドル安を目ざしたプラザ合意以降でもドルより弱くなっている。

 トラス英首相は14日、クワーテング財務相を更迭するとともに、金融市場の混乱の原因となっていた大型減税策を事実上撤回した。市場から「ノー」を突き付けられ、与党からも圧力がかかった末に目玉政策を断念した形で、トラス政権は発足から1カ月余りで早くも正念場を迎えている。一方、野党労働党は「敵失」に攻勢を強めている。保守党の支持率は23%と、労働党の51%に大きく差をつけられている。
 トラス首相は「成長率を引き上げ、英国をさらに豊かにするという約束をやり遂げる決意だ」と強気の姿勢を崩さなかった。ドタバタ騒動は別にして、正しい財政、金融政策に戻れば、ハント英新財務長官や英中銀は安定志向なのでポンド相場は落ち着いてくる(週末には与党議員からトラス首相辞任の声が聞こえてきた)。

*豪ドル「通貨7位(7位)、株価6位(7位)、利下げ減速論と中国景気減速で豪ドルドルは5週連続陰線と弱い」
 豪ドルは3月、4月は12通貨中で年初来で最強通貨になることもあったが、このところ弱い。9月12日週からは5週連続陰線で、年初来では8位に下落している。10月月間でははここまで最弱通貨となっており11位の円よりも弱い。二つの理由がある。RBAが9月から示唆した利上げ減速論を10月に実行したこと、また貿易依存度の高い中国の景気減速が続いていることだ。9月に0.5%利上げを行なった後、RBAロウ総裁が議会で「今後の追加利上げを示唆した上で、金利上昇に伴いある時点で利上げペースを鈍化させることが適切だ。インフレ抑制のためにさらなる利上げが必要だが、事前に設定した経路はなく、すでに金利が大幅に上昇していることを認識している」と発言していた。その通り10月は0.5%の利上げではなく0.25%としていた。

 また中国経済は減速している。現在も続いているゼロコロナ政策が円滑な経済活動を妨げていることは確かだ。今週は、中国の9月貿易収支、3Q・GDP、9月小売売上や鉱工業生産の発表があるので注目したい。豪の指標では今週は9月雇用統計、ウエストパック景気先行指標などの発表がある。
 今月下旬には、岸田首相が豪を訪問する。訪問地は鉱産物資源が豊富なパースのようだ。

*NZドル「通貨10位(10位)、株価9位(9位)、3Q消費者物価と9月貿易収支の発表あり、年初来10位と弱い」
 NZドルも強いわけではないが、ここ2週間は豪ドルより強い。今月、0.5%利上げしたNZ中銀と、利上げ減速論に基づき0.25%利上げと減速したRBAとの差が出ているのだろうか。ただ年初来では、豪ドルが8位、NZドルが10位と、豪ドルがやや強い。資源を「持てる国」の豪ドルが強い。このところのNZの経済指標は弱いわけでもない。9月カード消費は前年比28.6%増で8月の26.9%増を上回った。国境開放で8月の海外からの訪問者は4748.8%増で7月の344.2%増を上回った。9月食料インフレは8.3%増と高い。悪かったのは9月企業PMIで52であったが8月の54.9を下回った。

 今週は3Q消費者物価の発表があり前年比6.6%の上昇で2Qの7.3%の上昇を下回る。9月貿易収支は18.2億NZドルの赤字予想だ。8月の24.47億NZドルの赤字からは改善する見込み。その他、9月サービス業PMIの発表がある。
 最近の話題は主要産業の農業にあった。アーダーン首相は、牛などの家畜のげっぷや尿によって温室効果ガスを排出する農家に直接課税する計画を発表した。2025年までに導入したい意向。世界初の取り組みとしている。NZは世界最大の乳製品輸出国。農業団体は「価格競争力を失い、産業空洞化を招く」と猛反発している。

テクニカル分析

*ドル円「8日連続陽線、9週連続週足陽線」
日足、8日連続陽線。3σ上限へ。ボリバン3σ上限は149.20。10月13日-14日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、9週連続陽線。日銀ドル売り介入があるも陽線を維持している。10月3日週-10月10日週の上昇ラインがサポート。9月19日週-10月3日週の下降ラインを上抜く。ボリバン2σ上限を上抜く。
月足、9月、10月はボリバン2σ上限を上抜いている。8月-9月の上昇ラインがサポート。3σ上限は159.19
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「一時、ボリバン中位まで戻すも、中位超えず」
日足、一時、ボリバン中位まで戻すも、中位超えず。10月13日-14日の上昇ラインがサポート。10月6日-14日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、10月3日週の長い上ヒゲで先週は押されるも週後半戻しほぼ寄り引き同時。9月26日週-10月10日週の上昇ラインがサポート。10月3日週-10日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線は下向き。
月足、4か月連続陰線。10月も陰線スタートで上ヒゲが長い。ボリバン2σ下限。8月-9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。ボリバン2σ下限到達。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「切り返し4日連続陽線でボリバン2σ上限へ」
日足、4日連続陽線でボリバン2σ上限へ。10月13日-14日の上昇ラインがサポート。913日-10月14日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン3σ上限から中位へ下落も、再び2σ上限まで戻す。9月26日週-10月10日週の上昇ラインがサポート。9月12日週-10月10日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、日銀ドル売り介入でボリバン3σ上限から急落、ボリバン中位まで下落。ただ9月月足陽線を維持。10月も陽線スタートでボリバン2σ上限上抜く。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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