シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロングほぼ横ばい
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート小幅に増加】
9月27日時点で円のポジションは、ドルに対して8.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング、ショートともに取り崩されたがロングの取り崩しがやや大きかったことで、ネットショートは前週から0.1万枚増加。
期間中のドル/円相場は、24年ぶりに145.91円前後まで上昇した直後に政府日銀が円買い介入を実施。一時140.30円台へと急落したが、2営業日後には144円台を回復するなど波乱含みの相場展開となった。
そうした動きに加え、四半期末が迫っていたことから、多くの投機筋がポジション解消に動いたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロングほぼ横ばい】
9月27日時点でユーロのポジションは、ドルに対して3.4万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング・ショートともに大きな変化は見られず、ネットロングは前週からほぼ横ばい。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の景気後退(リセッション)懸念が高まりユーロ売りが優勢となると2002年5月以来となる0.9549ドル前後まで下落した。
20年ぶりの水準へと下落する中にあっても、投機筋のユーロの相場観にはほとんど変化がなかったようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート減少】
9月27日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.6万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに積み増されたものの、ロングの積み増し度合いが大きかったことからネットショートは前週から0.8万枚の減少。
期間中のポンド/ドル相場は、トラス英政権の打ち出した大型減税を含む経済対策が財政圧迫につながるとの懸念が広がったことで過去最安値となる1.0326ドル前後ま下落した。
そうした中で投機筋の相場観は交錯したと見られるが、安値拾いの押し目買いが優勢だったようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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