読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX「円安か円高かはあくまで貿易収支次第であることは、歴史が物語っている」

f:id:okinawa-support:20190826111921p:plain

 

総括

FX「円安か円高かはあくまで貿易収支次第であることは、歴史が物語っている」

ドル円=142-147、ユーロ円=139-144、ユーロドル=0.95-1.00

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(10位)、株価4位(4位)、史上最大の貿易赤字による円安に立ち向かう財務省、伝統の逆風介入」
9月下旬は例年ドル円が上昇する傾向があるが、今年も、日銀ドル売り介入という波乱要因はありながら、かろうじて上昇した。7月下旬のドル下げと同様に、傾向がはっきり表れる10日間だった。10月初旬は過去のデータは上げ下げマチマチなので、データより、日々の需給、チャート、ニュース、当局の動きに集中したい。

 さて9月22日(プラザ合意記念日)の日銀介入は約2.8兆円のドル売りで、当日のブローカー出来高からは予想通りだった。貿易赤字下でのドル売りは史上初で財務省も流れに反しての介入なので苦労が多い。プラザ合意以降は、逆に貿易黒字の円高でのドル買い介入であったので、介入に関わらず160円から75円までドル円は下落した。今後も10日ごとの貿易統計で需給をつかんでいきたい。今年は史上最大の貿易赤字へ向かっている。

 一方、株価は「所得・資産倍増政策」にかかわらず大幅下落しているが、経済指標はしっかりしている。本日発表の日銀短観も持ち直すだろう。企業収益も改善しており、円安は金額的にはメリットなのだろうが、物価高による消費者の反発が強く、政治家経由で財務省へ円安是正の圧力がっかっている。それゆえの介入であった。自民党・政治家の命運を握る介入なので今後も続くが、円安か円高かはあくまで貿易収支次第であることは、歴史が物語っている。9月下旬程のドル高要因はないが、需給はまだドルタイト、そこへ当局の円安けん制が続く展開となる。


*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)12位(11位)、3Q・GDP改善か。ドル高の需給構造は変わらず。インフレ低下も物足りないか」
欧米ともに高インフレで断固たる金融引き締めを行うとしているが、経済指標の強弱はまったく違う。平時でも欧州は低成長であったが、コロナ禍、ロシア侵攻下でその差が如実に表れている。アトランタ連銀の3Q・GDPナウは前回の0.3%から急上昇し2.4%となった。消費支出の拡大、国内投資の拡大、財の輸出の改善が影響した。これによって11月のFOMCでの0.75%利上げ確率が高まっている。
 ただ今週発表の9月雇用統計では雇用者数は減少が予想されている。併せて平均時給の伸びもチェックしたい。消費者物価は2か月連続で低下し、原油、天然ガスも下落傾向にあるが、FRBとしては、水準自体が8%超なので、金融引き締めは継続といったところだ。ミシガン大学の1年先の期待インフレ率は4.7%と2021年9月以来の低水準であるが、これもまだFRBの姿勢を変えるには至っていない。

 また貿易赤字の改善、資源取引でのドル需要増もドルを引き上げている。その分、日欧が貿易赤字に陥っている。今年のドル高相場は金利差だけではなく、貿易需給の差がもたらしている。この需給構造に変化がでればドル高基調も変転するだろう。


*ユーロ「通貨8位(8位)、株価13位(13位)DAX)、先週は英国の騒動から反発、経済指標悪化でユーロも弱いが介入は否定」
 先週はポンド騒動がありながら、意外と強く、週間では2位となった。好材料が出たわけでなく、ポンド騒動での急落でのリバウンドが強烈だった。ただ年間では貿易赤字に転じたことで12通貨中8位と弱い。

経済指標は弱いながらも高インフレが収まらずECBは断固たる金融引き締めの姿勢を続けることとなる。9月の消費者物価は前年同月比10%上昇。エネルギーと食品価格が引き続きインフレ率を押し上げたが、これらを除いたコアインフレ率も予想を上回り、過去最高の4.8%に達した。10月27日のECB理事会でも0.75%の大幅利上げが予想されている。ロシアが欧州へのガス供給を遮断する中で、物価上昇が加速、一方でリセッションに陥る可能性はますます高まっている。独の主要4経済研究所は、今年の独の経済成長予測を春時点の2.7%から1.4%に引き下げた。来年の予測は3.1%からマイナス0.4%に引き下げた。
「ガス価格の高騰でエネルギーコストが劇的に上昇しており、購買力が大幅に低下している」と指摘した。

一方、為替については、レーンECB専務理事が、「ユーロドルの最近の下落が金融政策を調整するような状況は考えられない」と指摘した。為替はECBの政策が影響を及ぼすと期待される域内の要因を「支配するほど大きくない」と述べた。日本のように介入を実施する可能性は低い。


*ポンド「通貨9位(11位)、株価3位(3位)、ポンド騒動の下落後は急反発で先週は最強通貨、新政権の試練は続く」
 先週、ポンドは強烈な反発を見せ最強通貨となった。ただ年間では12通貨中9位と弱い。ポンド相場は昔から今まで、このような波乱が多い。一方株価は通貨安で世界でFT株価指数は3位とまずまずだ。S&Pは格付け見通しをネガティブにし、与党の支持率が急落するほどに、トラス新首相の政策は評価が低かった。S&Pはトラス政権が示した大型減税を柱とする補正予算案について、政府の借り入れコストを押し上げるだけでなく、8月時点で前年同月比9.9%と高止まりする物価上昇を抑制する取り組みを難しくし、財政不均衡を著しく拡大させる危険があるとの認識を示した。

 大型減税案は財政不安を招き、ポンドの対ドル相場が一時過去最安値を更新したほか、英国債利回りも急上昇した。英国債相場の暴落を防ぐため、英中銀がは長期国債を無制限に買い入れる市場介入に踏み切ったことで国債相場とポンドは急反発した。また英2Q・GDP確報値は前期比0.2%増と、速報値の0.1%減から予想外にプラス成長に上方改定されたことも市場を落ち着かせた。ただ英中銀の国債での介入はパニック状態の市場を落ち着かせるのに役立ったものの「信頼できるものでも、協調的でもない」との見方が多い。
 世論調査大手ユーガブは9月29日、与党保守党の支持率は21%にとどまり、最大野党労働党が54%で33ポイント上回ったとする調査結果を発表した。保守党が大差で不人気となった背景には、今月発足したトラス政権が打ち出した大型減税策の不平等さなど、経済対策への不満がある。


*豪ドル「通貨7位(5位)、株価7位(10位)、利上げ減速論があるが、月次CPIはまだ高い。今週は政策金利決定」
 RBAの利上げ減速論とエネルギー価格の下落で9月は12通貨中11位と弱い。年間でも8月の4位から7位へと順位をさげた。RBAは「利上げペースをある時点で鈍化させる機会を探っている。9月RBA時理事会でも0.25%もしくは0.5%の利上げを行べきかどうかについても議論した」としている。しかし、新しく創設された月次消費者物価(従来は四半期ごと)では、8月は前年比6.8%上昇。7月の7.0上昇から減速し6月の水準に戻ったが、2Qの前年比6.1%上昇は上回り、3Qに上昇が加速する可能性を示唆した。統計局は「7月から上昇率がわずかに低下したのは、自動車用燃料価格の上昇が大幅に鈍化したのが主因」としている。
 今週のRBA理事会では0.5%の利上げが予想されている。RBA利上げ減速論は先送りか。前倒しの0.25%利上げならサプライズか。


*NZドル「通貨10位(9位)、株価8位(6位)、利上げ減速論と貿易赤字で弱い、今週は政策金利決定」
 9月は最弱通貨となった。年間でも12通貨中、11位と弱い。中銀自ら発した利上げ減速論とエネルギー価格下落で弱含む豪などの資源国通貨に連れ安となった。今週は政策金利決定がある。予想は、利上げは減速せず0.5%の利上げだ。中銀は新型コロナウイルスのパンデミック期間に実施した緩和措置の巻き戻しをいち早く開始した中銀の一つ。物価上昇率は1Qに30年ぶりの高い伸びとなったが、2Qはさらに7.3%に加速。NZドル安による輸入物価押し上げという形でインフレが高止まりする公算も強い。物価上昇率については、中銀目標とする1-3%を上回る伸びが少なくとも来年末まで続くとの予想だ。今年平均の予想は6.5%(7月調査では6.0%)、来年は3.5%(7月調査は2.8%)から上振れした。

 利上げ減速論がNZドル安を招き、インフレが高止まりし、利上げ減速が難しくなっている。NZ中銀オア総裁は「インフレ抑制のためにまだやるべきことはあるが、大変な作業は殆ど終わった。引き締めサイクルは非常に成熟しており、非常に上手くいっている」と発言しているが。また拡大する貿易赤字もNZドルの弱みだ。

テクニカル分析

*ドル円「7週連続週足陽線、介入日の高値は越えず」
日足、9月22日に24年振りのドル売り介入が出て高値145.90、安値140.35と5円55銭の大きな値幅を残した。その後はジリ高推移も9月22日の高値を越えず。9月22日-30日の下降ラインが上値抵抗。9月22日-30日の上昇ラインがサポート。ボリバン中位超え、5日線、20日線上向き。
週足、7週連続陽線。日銀ドル売り介入があるも陽線を維持した。ただ9月19日週の高値145.90を上抜けず。9月19日週-26日週の上昇ラインがサポート。9月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ上限に近い。
月足、9月はボリバン2σ上限を上抜いたまま終える。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「週足3週売り陽線、月足は4か月連続陰線」
日足、ボリバン3σ下限から反発し一時ボリバン中位に近づく。まだ1.0割れ。9月29日-30日の上昇ラインがサポート。9月20日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
週足、3週ぶり陽線。ボリバン2σ下限から小反発。9月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線は下向き。
月足、4か月連続陰線。ボリバン2σ下限。8月-9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。


*ユーロ円「3日連続陽線」
日足、3日連続陽線。ボリバン2σ下限から反発。9月29日-30日の上昇ラインがサポート。8月24日-9月23日の上昇ラインがサポート。9月22日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ上限から日銀円買い介入もあり下落も、先週は3週ぶり陽線。8月1日週-9月26日週の上昇ラインがサポート。9月19日週-26日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、日銀ドル売り介入でボリバン3σ上限から急落、ボリバン中位まで下落。ただ9月月足陽線。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。