個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2022年9月14日13時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
昨晩の米CPIは事前予想+8.1％（前年同月比）のところ、結果が+8.3％、CPIコアは事前予想+6.1%に対して、結果が+6.3％という内容で発表されました。
これを受けて、ドル/円は142円から144円に急騰。
指標発表で２円値幅を一瞬で超えるなど、リーマンショック後の経済指標並みでして、この10年でもあったかな？というレベルです。
昨晩の発表直後は本当に驚きでした。
米国は利上げを開始して7ヶ月が経過しようとしています。そろそろ消費者物価指数に影響が出てきてもおかしくない時期なのですが、6ヶ月平均は8.55％です。
もはや、高止まりと言って良いでしょう。今の所、利上げの効果が全く見られません。
またCPIコアに至っては、ここ数ヶ月上昇傾向にあり、この半年間の平均値を上回る状況です。
原油価格の算定が入っていない数字で見ましても、物価上昇を演じていることは、利上げペースを緩めることすらできません。
この事実を受け止めるならば、米国利上げペースは引き続き、0.5-0.75％は必須となるでしょう。
この引き締めペースで緩やかに物価が落ち着く程度？と予想します。年明けの政策金利が4.5-5.00％でようやくCPIが6-7％に低下していれば良いかな？というレベルだと個人的には感じます。
目次
▼145円通過点はもはや今週中か？
▼今月はドル/円よりも上昇しているスイス/円！
▼押し目が見当たらない・・・・。
145円通過点はもはや今週中か？
出所：Tradingview
ドル/円４時間足からみていきます。
昨晩の発表で大陽線を出現させ、現在は144円台ミドルで推移をしております。
今朝ほど、本邦から口先介入が入り、144-145円を大きく乱高下している状況です。
しかしながら、先週と同じことを言っているので、効果は薄れてきていると思います。
欧州時間またはNY時間から145円のノックアウト・オプションの攻防が見られるように感じます。
ここを突破しますと、大きなショートカバーを含めて急伸する可能性が高そうです。
ドル/円ポジションは手仕舞いつつもまだロングポジションはキープしており、浅い押し目で拾っては上がったところを売る、デイトレ用エントリーも含めてトレードが良いと感じます。 テクニカル的にはRCI４時間足は調整反転失敗形状をしており、再びRCI26（水色）は0.00ラインを回復し、プラス圏に突入してきました。RCI52も本来ならば+80ラインを割り込むと下落が加速しやすいのですが、現状は全てそれを否定しつつあります。
こういった形状をした場合、高値を更新しやすいのでドル/円145円更新は時間の問題ではないかな、と考えます。
145円を超えますと1998年の高値147.65円近辺がターゲットとなります。ここを超えていきますと150円が見えてくることになります。
買いポジションはキープで良いのではないでしょうか。
今月はドル/円よりも上昇しているスイス/円！
出所：Tradingview
前回のコラムでもご紹介しました、スイスフラン/円です。
なんと1週間で5円も上昇しました。
先週のコラム：FX/為替予想「みんなの予想が当たると、オーバーシュートする説。ドル円150円到達は、もはやノルマか？」ひろぴーの 実践！ＦＸトレードストラテジー - 外為どっとコム マネ育チャンネル
来週は３ヶ月に一度のSNBが開催される予定で、ECBが0.75％の利上げをしたことから、政策金利が1.25％となりました。現在、スイスの政策金利は-0.25%という状況ですので、乖離が1.50％も出てきました。
ECBはまだ10月と12月に政策金利決定会合があることに対して、スイスは来週1回と12月に1回の二度だけとなります。
ECBとの金利差拡大を嫌がる傾向があるのがスイスですので、おそらくSNBも0.75％の利上げを実行してくると推測します。
もしかしたら、サプライズで1.00％の利上げすらも許容する可能性があります。
その値動きを先日から狙っていたのですが、現状はその通りとなってきております。
リスクオフでも買われやすい通貨ですので、現在のマーケットでは色々と都合がよい通貨だと思います。スイスフラン高が続きそうですので、ポジションはキープしつつも、さらに買い増しを狙ったトレードを続けていく予定です。
押し目が見当たらない・・・・。
出所：Tradingview
スイスフラン/円、４時間足に時間軸を落とします。
しかしながら正直、本当に堅調に押し目もなく上昇していることと、レジスタンスラインやサポートラインが非常に引きづらいため、次の押し目買い水準に正直悩んでいるのが現状です。
シンプルですが、４時間足ベースでトレンドラインの押し目を丁寧に拾っていく作戦ぐらいでしょうか？
イメージ的には仮で149.65に目安として線を引きましたが、トレンドラインと重なるかもしれない明日ぐらいをイメージして拾っていく予定です。
スイス/円のターゲットは、前回のコラムで記載した通り、1980年代につけた159円でしょうか？
この時代も苦しいインフレ相場でしたから、信憑性があるようにも感じます。
スイス/円に関しては中長期目線ですが、ひとまず来週のSNB待ちでしょう。
今週もドル/円とスイス/円の買いトレード中心で攻めていこうと思います、ご参考まで。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」（前編）
＜もくじ＞
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」（中編）
＜もくじ＞
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる！？
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」（後編）
＜もくじ＞
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
ひろぴーFX＆Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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