読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX「夏の円高はあった、ドル高を嫌う人も出てきた」

f:id:okinawa-support:20190826111921p:plain

 

総括

FX「夏の円高はあった、ドル高を嫌う人も出てきた」

ドル円=133-138、ユーロ円=136-141、ユーロドル=1.0-1.05

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価3位(3位)、夏の円高はあった」
 夏の円高はあった。貿易赤字拡大や黒田日銀総裁の頑なな大規模金融緩和発言があっても、何回か触れてきた「7月下旬からお盆の円高」は実在した。貿易赤字でも円高推移する時期があるのは、貿易黒字時代でも「晩秋の円安」があるので不思議でもない。実需の季節的動きや、米債利払いの偏りなどがある。上半期後半の7-8月は輸出予約のドル売りが入りやすい。6月の所得黒字の激減から7月は大きく回復するなどがある。
 さて日銀は22年度の物価目標を1.9%から2.3%へ引き上げた。成長見通しは2.9%から2.4%へ引き下げた。日本は元々物価の低い国で2%を超えることは珍しい。2%を超えれば金融を正常化してもいいのではないかと思う。日本の資産運用は預金が中心で貸出より多い。預金金利があれば、もう少し消費も活発化するだろう。消費低迷や賃金低迷は、超低金利も一つの要因だろう。3%は欲しい(夢か)。
 夏の円高はあっても膨大な貿易赤字は続く。1-6月のペースでは歴史上最大の貿易赤字となる。日本の貿易黒字が減少したり、貿易赤字になる時は、常に原油などのエネルギー価格が上昇している。最近は米国の尽力もあり原油価格は100ドルを下回っている。この傾向が続けば円売り圧力も収まってくる。

*米ドル「通貨1位(1位)、株価(NYダウ)10位(10位)、FOMCと2Q・GDPに集中したい。ドル高を喜ばない人も出てきた」
 いよいよFOMCと2Q・GDPの発表だ。米6月消費者物価が9.1%まで上昇した時は、1%の利上げ予想が出てきたが、その後、金利を大きく変動させれば不確実性が増大する恐れがあるとウォラーFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁が相次い0.75%利上げを支持し、さらに住宅関連指標の悪化や7月製造業&サービス業PMIの悪化で0.75%利上げ予想が多くなっている。米10年国債利回りも先週は一時3%台に乗せたが、週末は2.757%まで低下している。
 米国2Q・GDP予想は前期比年率で0.5%でリセッションを免れそうだ。多くの経済指標は悪化しているが6月の小売売上だけは5月の0.1%減少から1.0%増へ改善したことが影響しているのだろう。ただアトランタ連銀GDPナウは2Q・GDPをマイナス1.6%としている。
 さてドル高はパウエル議長はインフレを抑制するものとして容認したが、米国企業の決算はドル高で減少している。イエレン財務長官も一般論としてドル高は米企業の収益を損なうと発言した。ECB、仏中銀、NZ中銀など通貨安と高インフレに苦しむ国もドル高懸念を示唆した。IMFはドル高で新興国の債務負担が増えるとしてドル高を懸念した。米国は貿易赤字国だが、年初来、株価が大幅下落していることもあり、リパトリでドル買いの勢いがある。株価が落ち着いた方がリパトリのドル買いが減少しドル安になる可能性がある。

*ユーロ「通貨9位(9位)、株価13位(13位)DAX)、ラガルドECB総裁が利上げ継続発言。ECBでユーロ安懸念出始める。今週はGDPと消費者物価」
1ユーロ=1ドル割れから立ち直ったが、経済指標は弱いままであり、貿易収支も赤字化しているのでユーロ安懸念は残っている。ECBは先週、0.5%の利上げを発表した。ロシア産ガス供給不安による景気への影響が懸念されインフレ高進の中、リセッションリスクが強まっているにもかかわらず、2000年以来となる大幅利上げに踏み切った。またユーロ圏国債市場の分断化を阻止するツールも発表した。イタリアが新たに政治的混乱に陥る中、域内の脆弱な国の借り入れコスト急上昇を防ぐことを目指す。中銀預金金利はマイナス0.5%から0%に引き上げられ、ユーロ圏はマイナス金利を脱した。さらにラガルドECB総裁は先週末、インフレ率が目標の2%に回帰するまでECBは利上げを継続すると表明した。インフレ対応に向け、これまでで最も強いコミットメントを示す発言となった。
 仏中銀総裁を始め、ECBからもユーロ安を懸念が出始めている。介入はG7の合意もあり難しいが、日本とともにドル高懸念の声が大きくなれば、少々雰囲気が変わるかもしれない。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価2位(2位)、財政緊縮か拡大かそれが問題だ」
 12通貨10位と弱い。高インフレで経済指標が悪化、政権も安定しておらず、財政赤字は拡大、ウクライナ紛争の地政学リスクもある。なかなかポンドは強くなれない。6月インフレは9.4%、7月消費者信頼感指数はマイナス41で史上最低、6月小売売上も弱い。7月製造業・サービス業PMIは小幅改善した。6月の財政赤字は、物価高を受けた利払いの急増で2021年4月以来の高水準となった。
 さて、保守党党首選はスナク前財務相とトラス外務・英連邦・開発相の2人が勝ち残り、党員による決選投票に進むことが決まった、
 今回の党首選では、インフレ対策が焦点の1つとなっているが、スナク氏とトラス氏が掲げる対策は方向性が大きく異なる。スナク氏は財政健全化を主張し、減税はインフレが制御可能になった場合のみに行うと報じられている。一方、トラス氏は減税を掲げており、スナク氏の財務相時代に発表された大企業向け法人税の増税や国民保険料の引き上げを撤回する意向を示している。スナク氏から経済政策へのアプローチの違いが指摘されていたボリス・ジョンソン首相もスナク氏の政策を批判した。
 保守党員による投票は8月から郵送で行われ、勝者は9月5日に明らかになる。下院議員の支持が一貫して高かったスナク氏も、党員の支持集めでは苦戦が予想されている。調査会社ユーガブが7月19日に発表した保守党党員725人に対する調査結果は、両氏が決選投票となった場合にトラス氏が党首にふさわしいと回答した割合は54%だったのに対し、スナク氏は35%と大きく差がある。

*豪ドル「通貨4位(6位)、株価7位(9位)、月間最強。追加利上げ見通し、経済指標改善、財政良好。ただRBAの在り方は見直し」
 快調だ。先週は週間最強通貨、7月月間でも最強通貨、年間でも前週の6位から人民元や南アランドを抜いて4位へ浮上した。史上最低の失業率、最大の貿易黒字、健全な財政などが評価されている。対中関係も前政権より改善し、石炭輸出の制限も解除される見込みだ。RBA、民間銀行共に政策金利のさらなる引き下げを予想した。RBA議事要旨では、今後数カ月で豪の金融正常化に向け、さらなる対応を取る必要があるという点で政策委員会メンバーの認識が一致したとなった。中立金利に関し「キャッシュレートの現行水準は推定される名目中立金利の低めのレンジを大きく下回っている。インフレ率を時間の経過とともに目標水準に戻すには、さらなる金利の引き上げが必要になる見通しをこれは示唆する」との見解が示された。RBAとしては初の2会合連続の0.5ポイント利上げを決定している。
 豪銀大手のウエストパックとNAB銀行はRBAの政策金利見通しを引き上げた。失業率低下や高インフレを受け、他の金融機関や市場でも利上げ加速を見込む動きが出ている。NABは現在1.35%の政策金利が今年末までに2.85%に上昇すると予想。ウエストパックは年末までに3%を超え、2月に3.35%でピークを打つ見通しとした。
 さて豪政権はインフレ高進と金利上昇を踏まえて、7月28日に最新の経済予測を議会に示す。また、RBAについて幅広い見直しを計画。チャルマース氏はRBA理事会について、より国民を代表するものにしたいとの意向を示している。今週は消費者物価と小売売上などが発表される。

*NZドル「通貨8位(8位)、株価11位(11位)、32年振りのインフレで、追加利上げは0.5%以上か」
 豪の隣国でありながら豪ドルのように強くはなれないのは、今回の世界的インフレがエネルギー資源高によるところが大きく、農業国のNZは恩恵を受けるところが少ないからだ。またNZの主要輸出品価格も大きくは伸びていない。
 2Qの消費者物価上昇率は前年比7.3%と予想を上回り、NZ中銀は8月に0.75%の利上げに踏み切るとの観測が高まった。2Q・消費者物価は1Qの6.9%から加速し、7.6%の上昇となった1990年2Q以来、32年ぶりの高水準となった。主に建設費や家賃の上昇がけん引した。予想は前年比は7.1%。中銀は昨年10月時点で過去最低の0.25%だった政策金利を2.5%まで引き上げており、インフレ抑制には追加利上げが必要との見方を示唆している。前年比のインフレ率はピークに達した可能性があるものの、高インフレが定着するリスクがあるため、中銀はインフレ圧力に対抗するため前倒しで政策金利を引き上げ、金融状況を制限的にする必要がある。大方は8月の利上げ幅を0.5%と予想している、一段と大幅な引き上げの可能性も浮上している。中銀は、来年半ばまでに政策金利が4.0%に上昇する可能性に言及している。
 また中銀は、為替レートが下落していることに留意し、NZドル安が輸入価格に影響を及ぼし続けていることにも言及している。

テクニカル分析

*ドル円「夏の円高需給。8週ぶり週足陰線。7月月足も上ヒゲ長く」
日足、7月14日にボリバン3σ上限を上抜くも、その後はじり安。夏の円高か。7月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。6月16日-7月22日の上昇ラインがサポート。5日線下向く。20日線上向き。
週足、8週ぶり陰線。例年通り7月下旬はドル円が弱い。7月11日週-18日週の下降ラインが上値抵抗。6月13日週-7月18日週の上昇ラインがサポート。
月足、7月の陽線も上ヒゲが長くなってきた。ボリバン2σ上限を超えている。5月-6月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「7月14日の長い下ヒゲの効力続き中位へ。週足は4週ぶり陽線」
日足、ボリバン2σ下限から反発し中位まで上昇。7月14日-22日の上昇ラインがサポート。7月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、4週ぶり陽線。7月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。6月27日週-7月18日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、6月、7月も下落だが、7月は下ヒゲが伸びてきた。ただまだボリバン2σ下限を下抜いている。4月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。

*ユーロ円「雲中へ下落、先週の週足は上ヒゲが長い」
日足、7月13日-21日の上昇ラインを下抜き、雲中へ下落。7月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。7月13日-22日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、先週は上ヒゲが長い。6月27日週-7月18日週の下降ラインが上値抵抗。7月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。5週線下向き、20週線上向き。
月足、4か月連続陽線だが7月はここまで陰線。ボリバン3σ上限超えから反落。22年5月-6月の上昇ラインを下抜く。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。