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FX「「夏の円高」対「原油円安」」

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総括

FX「「夏の円高」対「原油円安」」

ドル円=134-139、ユーロ円=136-141、ユーロドル=0.99-1.04

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価6位(6位)、「夏の円高」対「原油円安」が続く」
 7月の円相場は一時最強通貨となったが、先週末は人民元と米ドルに抜かれ3位へ後退した。前回触れたように輸出入業者のリーズ&ラグスで7-8月は輸出のドル売りが先行しやすい。また例年通り6月の所得黒字は推定数千億円と減少しドル円の上昇要因となったが、7月は再び2兆円超えの黒字となるので円安要因は減殺される。例年は円高になりやすいが、やはり今年は原油価格の高止まりで輸入が増えて貿易赤字となり円高を阻む面もある。先週発表の6月中旬までの貿易統計では1兆326億円の赤字となり、前年同期の2717億円の黒字から大幅悪化した。7月は需給的に6月ほどの一方的円安にはならないが、もみ合いとなろう。
 今後の焦点は7月12日のイエレン米財務長官の来日だ。ロシア産石油の取引価格上限や物価高対応、サプライチェーン強化などが議題となるが円安ドル高が続く為替問題について言及するかどうか。もう一つは7月21日の日銀政策決定会合では消費者物価の見通しが前年度比1.9%から2%台に上方修正する方向で検討されるようだ。ただ、日銀はこうした物価上昇について、あくまでも原材料高が主因で持続性に乏しいとの見方を崩しておらず大規模緩和策は継続する方向だ。欧米もそのような見方で昨年は金融緩和を続けていていたが、一向に下がらぬ物価を見て現在利上げへ進んでいる。日本が後を追う事態となるか、今後も物価動向を注視したい。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)10位(10位)、雇用は強いが他の指標は弱くリセッションの可能性あり。貿易赤字でもドル高の理由は」
 日本は原油高で貿易赤字となり円安、一方、貿易赤字国の米国は資源価格上昇で資源国の強みと、資源取引がドルで行われることもありドル高を維持している。原油為替が続く。さて米6月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比37.2万人増加した。失業率は3.6%と、4カ月連続で横ばいだった。雇用の伸びは予想を上回り、失業率は新型コロナウイルスのパンデミック前に近い低水準にとどまった。労働市場の勢いが持続していることを示し、FRBは7月27日のFOMCで0.75%の利上げを決める弾みになるとみられる。米長期金利も雇用統計後、上昇しドル高となった。ただ雇用以外の米国指標は弱い。アトランタ連銀のGDPナウ(7月8日付)では米国2QのGDP予測はマイナス1.2%でリセッションの可能性を示唆している。一方、サマーズ元財務長官は、インフレを抑えるには何百万人ものアメリカ人が職を失う必要があるかもしれないと主張した。インフレ率を下げるには、現在3.6%の失業率を5%に引き上げる必要があると述べた。
 ドル高が対円中心に続くが、まだドル高への批判は強くない。パウエル議長はドル高はインフレ抑制に効果があるとした。一部米企業や仏中銀総裁、マン英中銀委員などがドル高懸念を表明しているが、世界全体の大きな声とはなっていない。その意味でも7月12日の日米財務相会議や15日のG20中銀・財務相会議に注目したい。また今週は6月消費者物価の発表があり、前年比で8.8%の高い上昇の予想だ。

*ユーロ「通貨9位(8位)、株価13位(14位)DAX)、独まで貿易赤字に。欧州債市場の分断化阻止ツールは機能するか」
 1985年のプラザ合意は日本と西ドイツの貿易黒字を削減するためのドル安誘導だった。いくらドル安にしても貿易黒字を維持してきた独を中心とするユーロ圏であったが、日本に続き、またユーロ圏全体に続き、独単独でも貿易赤字となってしまった。5月独貿易統計は10億ユーロの赤字。予想は27億ユーロの黒字だった。輸出は前月比0.5%減、輸入は2.7%増だった。ジョンソン首相を辞任に追い込んだ英のポンドよりも弱い。インフレは8%を超えて高いが、他の経済指標は弱いものが続く。5月のユーロ圏小売売上高は前月比0.2%増加した。予想の0.4%には届かなかった。物価が上昇する中、食品・飲料・たばこへの支出は2カ月連続で減少した。6月のユーロ圏総合PMI改定値は52.0と前月の54.8から低下し、16カ月ぶりの低水準となった。7月のユーロ圏投資家センチメント指数はマイナス26.4と、前月のマイナス15.8ら低下し、2020年5月以来の低水準となった。
 
焦点は7月21日のECB理事会で0.25%の利上げが予想されているが、それよりも注目されているのは、欧州債市場の分断化を阻止する新ツールが会合に間に合うよう準備できるかどうかだ。また独連銀ナーゲル総裁は、市場の混乱抑制を目指す新たな政策手段の危険性に警鐘を鳴らした。ユーロ圏の国債スプレッドが秩序に拡大する「域内市場の分断化」の防止策は、利上げ開始を準備するプランの主要な柱として、詰めの作業が進められているが、ナーゲル総裁は新たな利回り格差抑制策を支持する条件を提示。抑制策は条件と期間が綿密に定義された例外的な状況下でのみ行われるべきであり、常に有利な資金調達条件をECBが保証すると示唆することは避けるべきと主張した。新しい政策決定で揉めればそれもユーロ売りとなろう。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価2位(2位)、貿易赤字、原油高、指標悪化で弱い。ただ通貨安懸念を有する中銀委員あり」
 ジョンソン首相が7月7日、辞任を表明した。不祥事が続き、閣僚や与党・保守党内の離反が相次ぐ中で3年にわたった波乱の政権に幕を下ろした。ポンドは売られたが、同じく物価高、経済指標悪化で苦しむユーロドルほど売られず、ユーロポンドではポンド高となった。英国も日本や豪などと同じく首脳交代でも経済活動が大きく変化しない国の一つだ。焦点は政局よりも物価高と弱い経済指標だろう。原油高、貿易赤字、ウクライナとの地政学的リスクでポンドはユーロと共に弱い。

 英中銀のチーフエコノミストのピル理事は、長期的な物価上昇圧力が定着するのを防止するために必要な場合にのみ、「不快なほど高い」インフレに対処するため、利上げのペースを速めることを検討すると述べた。マン英中銀政策委員は、足元のインフレ高進がいつまで続くのか明確さに欠けるため、各国中銀は利上げを迅速かつ積極的に行うべきと述べた。また、英中銀は利上げしすぎて後から利下げが必要になることを懸念すべきではないと指摘。「将来的に政策が巻き戻されたとしても大目に見られるだろう」とした。このほか、英中銀は足元のポンド安が国内の高インフレにどのように影響しているのかを注視すべきと指摘。中銀は通貨をターゲットにすべきではないが、「特にインフレ率が非常に高い足元の環境下で、通貨の役割について認識を深めることが重要だ」とした。FOMCによる急速な利上げは長期的には世界経済の成長鈍化につながるとしても、ドル高を引き起こし、短期的には英国のインフレを押し上げる可能性があるとした。

*豪ドル「通貨6位(7位)、株価9位(9位)、過去最大の貿易黒字、追加利上げ観測もあり下落一服」
 対円、対ドルで下げ止まった。追加利上げ予想や過去最大の貿易黒字が豪ドルを支えた。RBAは政策金利を0.5%引き上げ、1.35%とした。利上げは3会合連続で、政策金利は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年6月(1.25%)の水準を超えた。足元の経済は底堅さを維持するが、急ピッチの利上げで住宅市場などを通じた景気の下押し圧力も強まりそうだ。ロウ総裁は「豪州のインフレ率が政策目標内に戻るように必要なことを行う」と述べ、今後のさらなる利上げを示唆した。またRBAは従来為替の変動に敏感だが最近は為替に言及していない。対円では強いが、対ドルでは年初来5.76%安と心地よい水準なのだろう。
 5月の貿易収支は159.65億豪ドルの黒字となり、黒字額は過去最大を更新した。予想の107.25億豪ドルを大幅に上回った。輸出は9.5%増加、石炭と液化天然ガス(LNG)の輸出急増が全体を押し上げた。輸入は5.8%増。ガソリン高や自動車輸入が増加。内需は力強い。
 ただ今週発表される6月NAB企業信頼感指数、WESTPAC消費者信頼感指数、雇用者数は若干予想が弱いようなので気をつけたい。

*NZドル「通貨8位(9位)、株価11位(13位)、弱い指標続くもインフレ懸念で0.5%利上げか」
 NZ中銀は7月13日の会合で政策金利が0.5%引き上げ2.5%とすると見られている。インフレの抑え込みを目指すとみられる。NZのインフレは1Qで6.9%であり、インフレターゲットの3.0%を大きく上回っている。利上げすると1999年3月以降で最も積極的な引き締めとなる。中銀は来年半ばに政策金利が4.0%に上昇すると想定している。問題は成長率が鈍化する見通しのため、住宅価格の下落とそれによるマイナスの資産効果で、結果的に中銀の想定通りの利上げは行われないと見る向きもある。
 経済指標は弱い。NZ経済研究所(NZIER)の2Q企業信頼感は引き続き前期から悪化した。企業がコスト増と金利上昇に苦慮している。業況全般が「改善する」と回答した企業の割合から「悪化する」と回答した企業の割合を引いた値はマイナス65%で、前期のマイナス40%から悪化した。パンデミックが宣言された2020年1Q以来最低に落ち込んでいるとした。国内経済の先行きが一段と不透明になる中でもインフレ圧力は引き続き強まっている。

テクニカル分析

*ドル円「またもや5日連続陽線も伸び悩む」
日足、やはり3日連続陰線(6/30-7/1)はなり難し。ただその後5日連続陽線も大きく伸びず。6月29日-7月8日の下降ラインが上値抵抗。7月6日-8日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向きもなだらかに。
週足、大きくは伸びないが6連続陽線。6月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。
月足、6月は陽線で終える。7月も小幅陰線。ボリバン2σ上限を超えている。5月-6月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限近くまで下落。先週末は下ヒゲが長い」
日足、雲に入りきらずボリバン3σ下限まで下落。ただ先週末は下ヒゲが長い。7月6-8日の下降ラインが上値抵抗。雲のはるか下へ。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限。6月27日週-7月4日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、5月のボリバン3σ下限から反発も一時的に終わり7月も下落中。4月-6月の下降ラインが上値抵抗。5月-6月の上昇ラインとボリバン2σ下限を下抜く。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。

*ユーロ円「ボリバン2σ下限下抜くも先週末は長い下ヒゲで戻す」
日足、ボリバン2σ下限を下抜くも先週末は長い下ヒゲで戻す。7月78日の下降ラインが上値抵抗。5月12日-7月8日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、2週連続陰線。6月27日週-7月4日週の下降ラインが上値抵抗。5月9日週-7月4日週の上昇ラインがサポート。5週線下向き、20週線上向き。
月足、4か月連続陽線、7月は陰線スタート。ボリバン3σ上限超えから反落。22年5月-6月の上昇ラインを下抜く。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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