豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は続伸。米国では夏の行楽シーズンが始まりガソリン需要の増加が見込まれる。一時、1バレル=110ドル台まで上昇した(6月27日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月とおなじ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・6月7日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.40%)を上回る0.50%の利上げを実施。今後も大幅利上げの可能性がある。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円の動向は米国経済の先行きに委ねられる
本日も豪州や中国の経済指標の発表は予定されておらず、欧州や米国の景気への期待の増減が豪ドル相場に大きく影響を与えることとなりそう。そのため東京時間は材料待ちとなり、豪ドル/円は方向感を見出しにくくなりそうだ。本日の注目材料は2つ。米6月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)と米7年債入札となる。コンファレンス・ボードは米国経済の7割を占めると言われる消費行動の先行指標として注目されている。今回は特に6カ月後の景気見通しとなる「期待指数」に注目したい。なぜなら6月24日(金)に発表されたミシガン大消費者態度指数の確報値では、期待インフレ率が速報値よりも下方修正されていたためだ。米国の消費者マインド自体は同国のインフレが高止まりしていることと、急速な利上げにより悪化していることが予想される。それでも未来への見通しが改善していれば、資源需要の回復期待に繋がり、資源国通貨である豪ドルにもプラスに働くこととなりそうだ。
米国の経済後退への警戒感がジリジリと低下してきている(もちろん今後の経済指標の結果次第では再び警戒感は増す)。そのため、安全資産と言われる米国債への入札が不調(米債が買われない)となっている。本日の米7年債の入札が昨日の2年債と5年債入札と同様に低調な結果となれば、米金利の上昇を招き米ドル/円が上昇。その場合は豪ドル/円は米ドル/円につれて上昇することとなりそうだ。
ただし、米国をはじめとした世界経済の後退懸念は払拭されたわけではない。そのため、上記の通りの結果だったとしても、米ドル/円、豪ドル/円が青天井に上昇する状況ではないことは覚えておきたい。そして、本日は月末、期末のスポット応当日となる。東京時間の仲値公示前後、ロンドン時間のロンドンフィキシング前後には思わぬ値動きが起こる可能性もあることも意識しておくと良さそうだ。
個別の想定シナリオ
■米国のコンファレンス・ボード(期待指数)の好結果
⇒米利上げサイクルが予想されていたほど急激ではない(期待)
⇒米景気後退は起こらない、もしくは軽微(期待)
⇒資源需要の減退も予想ほどではない(期待)
⇒豪ドルは資源国通貨
⇒豪ドル/円は底堅い
チャート分析
今後の注目材料
米コンファレンス・ボードの結果
米7年債入札
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。5時に豪ドル/米ドルのMACDで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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