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FX「6月の所得黒字の大幅減少によるドル高円売りが終盤へ」

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総括

FX「6月の所得黒字の大幅減少によるドル高円売りが終盤へ」

ドル円=132-137、ユーロ円=140-145 、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価6位(6位)、6月の所得黒字の大幅減少によるドル高円売りは、7月は起こらない」
 ウクライナ紛争以降はなかなかドル円が3日連続陰線とはならない。先週もそうであった。まだ貿易赤字の影響が相場に出てくる。6月は経常収支のうち所得黒字が12月とともに大幅減少する月だ。6月。12月以外は2兆円を超える黒字だが6月は5,6千億円に激減する。今月のドル円上昇の基礎需給はそうなっている。今週は海外半期末、日本四半期末のドル買いも6月30日に出よう。
ただ7月になれば所得黒字は再び2兆円超えとなるので一方向にドル買いが出ることはない。例年7月下旬から8月上旬にやってくる円高といつ終わるかわからぬウクライナ紛争によって引き起こされている貿易赤字との勝負となる。
 さて財務省・日銀・金融庁がせっかく円安懸念の声明を出したが、財務省の先輩である日銀黒田総裁からは気遣いが見られず、金融緩和政策は継続され、長期的には円安にメリットがあると言われている。
黒田総裁はコアCPIは当面2%程度で推移した後、「エネルギーの押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅が縮小していく」との見通しを示した。政策運営については「賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定目標を安定的・持続的に実現できるよう、金融緩和を実施していく必要がある」と述べた。ただこれだけ低金利が続くので、預金からの利子はないに等しいので資産増加には結びつかない。日本の豊かさは低金利で奪われ、それがデフレをスパイラルさせているようだ。

*米ドル「通貨3位(2位)、株価(NYダウ)11位(12位)、パウエル議長のリセッション示唆と長期インフレ期待低下で売られる。今週も引き摺るか」
 ドルは今月はここまで最強通貨であるが先週は週間で10位と弱かった。パウエル議会証言で米国経済がリセッションとなる可能性を示唆したからだ。最近はFRB一同がほぼ同じようにインフレ抑制が最優先とし大幅利上げを掲げているのでドルも上昇してきた。パウエル議長も、約40年ぶりの高水準に達しているインフレを抑制するFRBのコミットメントは「無条件」と表明した。ただ、積極的な金融引き締めが失業率の上昇を招くリスクが存在するという認識を示した。さらにリセッションは不可避ではないという認識を示した。その後、6月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)で、中長期のインフレ期待が速報値から下方修正された。5-10年先のインフレ期待は3.1%と、速報値の3.3%から下向きに修正された。これで長期金利が低下しドルも売られた。先週も製造業PMIを始め、弱い経済指標が多く、IMFの22年の米経済成長率見通し2.9%とし、4月時点の3.7%から下方修正された。金利が高いことと、高騰する資源価格の取引がドルで行われていることでドルが買われているが実体経済はそれほど強くはない。ロシア・ウクライナ紛争解決のメドがつけばドル急落のリスクもあるが、リーマンショックや債務危機と違って解決のメドがついていないことが、まだ不安の中でのドル買いが続いている要因だ。ただ6月30日の末日のドル買いには気をつけたい。

*ユーロ「通貨8位(8位)、株価14位(10位)DAX)、貿易赤字は6月連続赤字で需給は弱い、金利断片化防止策が上手くいくかに注目」
 対ドルで今年1.14台から1.03台まで下落したユーロだがまだ低迷している。対円では3月以降125円から140円台へ続伸している。消費者物価が7%、8%へ上昇し、一時的なインフレとしていたECBも利上げを示唆した。ただ投機に晒されやすいギリシャやイタリアの長期債の利回り上昇が速くドイツ債との利回り格差が拡大し困惑したのだろうか、対応策を取り始めた。ECBは、域内市場の断片化を阻止するための手法としてパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で購入した債券の再投資の柔軟活用を決めた。利回りが急上昇した債券を買い入れる。
 一方、デギンドスECB副総裁は、来月に0.25%利上げする意向を明確に示唆してきたと述べ、それを上回る利上げが必要になるとの見方を織り込む市場をけん制した。0.5%の利上げについては9月に見極めるとした。 経済指標は弱い。貿易収支は4月で6か月連続赤字、経常収支も4月赤字に転じた。ドイツが主導する黒字国のイメージが消えてしまう。独6月IFO業況指数、ユーロ圏総合PMIは悪化した。先の見えないロシアのウクライナ侵略でエネルギー価格も高値で落ち着かないこともユーロ圏経済を弱くしている。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価2位(3位)、年初来番付では10位と弱い。弱い経済指標に高インフレ。ポンド安懸念の声あり」
 価格が大きいだけに派手に動いている印象はあるが、年初来の通貨順位は10位と弱い。悪材料も多い。通貨安がインフレを招いているとの声も出始めた。英中銀マン委員はインフレを押し上げるポンド下落を食い止めるため、より積極的に金利を引き上げる必要があると主張した。 国内の価格上昇圧力は従来見込まれたよりも強い公算が大きいと指摘。政府の景気支援策や力強い雇用、多額の賞与支払い、住宅市場の堅調、消費者の積み上がった貯蓄などを理由に挙げた。マン委員は前回の金融政策判断で0.5ポイントの利上げを支持していた。この政策判断では2009年以来の高水準となる1.25%への利上げが決まったが、今回の発言は利上げペース加速への支持を同氏が続けることを示唆している。一方経済指標は悪化している。6月の消費者信頼感指数はマイナス41と、5月のマイナス40を下回り、統計開始後の48年間で最低を記録した。過去にリセッションの先触れとなった水準を下回った。5月小売売上も悪化した。スタグフレーションの道を歩んでいるのだろうか。

*豪ドル「通貨5位(5位)、株価10位(9位)、利上げ幅は0.25%か0.5%か、5か月連続陽線となりそうな安定感」
 月足はどうやら5か月連続陽線となりそうだ。多少のアップダウンはありながら、貿易黒字があるので下落幅も小さい。インフレは高いが、資源国だけに欧米ほどは高くはない。5月各種PMIは製造業が僅かに改善、サービス業は小幅悪化した。共に50を超えている底堅さはある。ロウRBA総裁は、インフレ対応に向け次回の政策会合で0.25%もしくは0.5%の利上げを検討する可能性があると述べた。国内インフレ率が年末までに7%に達すると予想される中、ロウ総裁は中銀はインフレに真剣に対応すると表明。インフレは来年には低下すると確信していると述べた。また、中銀がインフレ対応を進める中、豪経済がリセッションに陥るとは予想していないと語った。政策金利発表前日の7月4日には毎月発表されるインフレ指標(TD-MIインフレ指標)があるので、それも参考にしたい。毎月上旬は豪の重要指標が多く発表される。政策金利やインフレ指標の他に商品価格、建設許可、求人広告、小売売上、貿易収支などが発表される。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価13位(14位)、消費者信頼感指数は最低水準だが、高インフレで利上げ継続のジレンマあり」
 月足は豪ドルのように5か月連続陽線には向かっていない。底堅さはあるが豪ドルに比べるとやや見劣りする。いち早く政策金利を引き上げ2%となっているNZ(豪は0.85%)だが影響も出ている。2Qの消費者信頼感指数は78.7と、前期の92.1から低下し、1988年の統計開始以来最低水準となった。指数は100を上回ると楽観的な見方が悲観的な見方より多いことを示す。家計はここ数十年見られなかった圧力を受けている。住宅ローン金利の上昇と生活費の増大で、可処分所得は既に大幅に削られている。そこに一段の金利上昇が予想され、今後数カ月は多くの家計にとって圧迫要因が増大すると見られている。1Q・GDPは前期比0.2%減、4月住宅建設許可は前年比8.5%減だ。ただインフレは6.9%とインフレターゲットの1-3%のレンジを大きく上回っている。景気減速、インフレ高止まりのジレンマは続く。救いは農産物資源は輸出できるほど豊富なことだ。

テクニカル分析

*ドル円「3日連続陰線とならず。週足は上ヒゲ」
日足、3日連続陰線とならず。ウクライナ紛争以降、3日連続陰線は3月年度末の1回だけ。それだけドル買い意欲が強い。6月23日-24日の下降ラインが上値抵抗。6月23日-24日の上昇ラインがサポート。
週足、4連続陽線。先週は上ヒゲを残す。6月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限から小反落。
月足、6月はここまで陽線。ボリバン3σ上限に近づく。5月-6月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「雲に入りきらず」
日足、雲に入りきらず。6月23日-24日の上昇ラインがサポート。6月22日-24日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン下位。6月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。6月6日週-20日週の下降ラインが上値抵抗。5週線横ばい、20週線下向き。
月足、ボリバン3σ下限から反発も一時的に終わり下落中。5月は5か月ぶりに陽転するも6月は一時2σ下限下抜く。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。

*ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落」
日足、ボリバン2σ上限あたりから反落。6月23日-24日の下降ラインが上値抵抗。6月16日-24日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、6週連続陽線。6月13日週は下ヒゲが長く先週は上昇。6月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。144.25あたりがダブルトップ。5週線、20週線上向き。
月足、3か月連続陽線、6月もここまで陽線。ボリバン3σ上限超えで反落。22年3月-5月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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