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FX/為替見通し「豪ドル/円に調整終了の兆し?経済指標から微かな光を探し出す」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年05月28日

週刊為替レポートハロンズ 豪ドルNZドル

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円に調整終了の兆し?経済指標から微かな光を探し出す

今週の振り返り

先週末5月21日に行われました、豪総選挙では労働党が下院の過半数を獲得して9年振りに政権が交代しました。ただ、①事前予想でも労働党有利が伝えられた、②同党の掲げる経済政策がこれまでの政策から大幅に変更されない、③無事イベントを通過した、といったことから週明けは豪ドル買いで反応。バイデン大統領が米国の対中関税の引き下げについて「検討している」と伝わったことも中国と交易関係の強い豪ドルにとってポジティブ材料となり、23日には豪ドル/円は91.04円前後まで上昇しました。24日以降は米国や欧州の景気減速懸念が根強いことでリスクオンには傾けられず、かと言ってリスクオフの動きを加速させる材料もなく、89.00円-91.00円のレンジ内で方向感を模索する形となりました。
NZ準備銀行(RBNZ)は25日に金融政策会合を行い、0.50%の利上げを実施し政策金利を2.00%としました。利上げ幅は市場の予想通りでしたが、政策金利のピーク水準の予想を3.4%から3.9%に引き上げたことで、RBNZのタカ派的な姿勢が意識されて、NZドル/円は82.83円付近まで上昇しました。その後は豪ドル同様に世界経済の減速懸念が上値を抑える格好となり、82円台での動きとなりました。

豪経済指標で足元を固めたい

来週は月末月初週ということで、数多くの注目経済指標の発表が予定されています。豪州では6月1日の1-3月期GDPに注目が集まります。新型コロナ・オミクロン株の感染拡大や2月後半には豪州東部で大雨による洪水被害など、回復基調にあった豪経済の足を引っ張る出来事もありました。それでも、雇用を見ると完全雇用に近い状態となっています。賃金もインフレ率と比べると理想的な上昇率ではないですが、着実に伸びています。欧米や中国景気減速懸念は資源国通貨である豪ドルの悩みの種ですが、豪国内経済の堅調な結果が確認できれば豪ドルを支える材料になりそうです。

中国製造業の回復度合いは?

その中国ですが、来週は製造業PMIの発表が控えています。中国国内では、新型コロナ・オミクロン株の感染拡大防止のため、厳格なロックダウンを実施する地域がありました。世界最大の貿易港を持つ上海の封鎖も中国の製造業を減速させる要因となりました。それでも5月半ばあたりから、徐々に経済活動を再開させる地域が出てきていることから、5月の製造業PMIは4月から改善している予想となっています。市場予想を上回ればポジティブ材料になることはもちろんですが、好不況の境目となる50.0を上回る結果となれば豪ドルにとっても強い支援材料となりそうです。予想を下回った場合でも、上海は「6月中の経済活動の正常化を目指す」姿勢を見せています。ネガティブ材料として豪ドルの頭を抑え続けることにならなそうです。

米経済指標次第では調整相場も終わり?

今週は欧米、特に米国の経済減速懸念の強まりが資源国通貨である豪ドルやNZドルの上昇を阻みました。来週は米雇用統計のほかにもISM製造業景況指数/非製造業景況指数など、米国の主力級の経済指標が多数予定されています。米経済の減速が示されると、豪ドル、NZドルは今週同様に上値が抑えられることも考えられそうです。一方で、中国のロックダウンに回復の光(期待)が見え始めたように、欧米経済の減速も一時的なものと見られています。ここ最近の値動きを見ていても、ある程度の経済減速は市場も織り込んだように見えます。米経済指標が予想外に大幅悪化していなければ、この調整期間も終わりに近づくのではないでしょうか。

テクニカル的には

豪ドル/円は雲の中での動きとなっており、方向感を模索している状態です。5月17日以降はざっくり見ると89.00~91.20円でのレンジ相場となっています。上下ともにまずはこのレンジを抜けられるかがカギとなりそうです。上値は91.52円付近に週足・一目均衡表の転換線が位置しています。この水準を上抜けることが出来れば、日足一目均衡表雲上限が93.00円付近まで切り上がっているので、同水準が上値目途となりそうです。一方で下値は前述のレンジ下限付近には日足一目均衡表雲下限も切り上がってきますので、強い抵抗がありそうです。下抜けた場合は5月16日安値の88.45円付近や5月12日安値の87.30円付近が下値目途として意識されそうです。

【豪ドル/円 (左)週足チャート・一目均衡表、(右)日足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:88.00-93.00、NZD/JPY:80.00-84.00

5/30 週のイベント:

05/31 (火) 10:00 NZ 5月ANZ企業信頼感
05/31 (火) 10:30 中国 5月製造業購買担当者景気指数(PMI)
05/31 (火) 10:30 豪 1-3月期経常収支
05/31 (火) 10:30 豪 4月住宅建設許可件数 (前月比)
06/01 (水) 10:30 豪 1-3月期四半期国内総生産(GDP) 
06/01 (水) 10:45 中国 5月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
06/02 (木) 10:30 豪 4月貿易収支
06/03 (金) 中国 端午節で祝日休場

一言コメント:

6月1日の14:15頃から東京MX2で放送されている経済番組、東京マーケットワイドの1コーナー『FXフォーカス』に出演します。6月からは出演頻度が増える予定となっています。そろそろスタジオデビューも考えているのですが、「緊張して話すことが飛んでしまったらどうしよう?」など不安だらけです。悩める日々は続きそうです。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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