FX/為替「FX個人投資家は、まだドル円強気。高値予想の中央値は131.5円」外為短観 第156回

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<第156回調査>2022年5月27日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

調査実施期間
2022年5月20日(金)13:00~2022年5月24日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は700件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の予想レートについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:年末の米国の政策金利(FFレート誘導目標上限)はどの水準だと思いますか
問8:6月FOMC後のドルの動きはどうなると予想しますか。よろしければその理由もお聞かせください
今後の調査実施計画及び公表方針

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が、44.1%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は26.0%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△18.1%ポイントとなり、前月の△61.0%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後の米ドル/円相場は、5月9日に2002年4月以来の131.35円前後まで上昇したが、その後は世界的な金融引き締めによる景気後退への懸念から126円台まで弱含む展開であった。20年ぶりの高値圏からの反落によって個人投資家の先高観が弱まったと考えられる。

今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が140.00円、最安値が115.50円となり、高値の平均値は131.82円、安値の平均値は125.30円であった。高値の中央値は131.50円、安値の中央値は125.50円だった。個人投資家は依然として米ドル強気・円弱気の見通しを維持しているが、5月に付けた20年ぶり高値をしっかりと超えていくのは難しいとの見方に傾きつつあるようだ。一方で、前月に続き125円台では下げ止まると見ている個人投資家が多いこともわかった。

米ドル/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の予想レートについてお答えください

今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、34.1%であったのに対し「ユーロ安・円高方向」と答えた割合は27.6%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△6.5%ポイントとなり、前月の△41.2%ポイントからプラス幅が大きく縮小した。調査期間前後のユーロ/円相場は、欧州経済がスタグフレーションに陥るとの懸念から下げが加速し、一時132.65円前後まで下落。ただし、欧州中央銀行(ECB)総裁が政策金利を7月に引き上げることを示唆したことから136円台まで戻している。

今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が145.00円、最安値が120.00円となり、高値の平均値は138.73円、安値の平均値は131.46円であった。高値の中央値は139.00円、安値の中央値は131.00円であった。なお、前月の高値中央値は142.00円で、安値中央値は135.00円であった。予想DIと予想レートが示す通り、個人投資家のユーロ強気見通しは大きく後退しており、足元ではほぼ中立となっているようだ。

ユーロ/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、39.0%であったのに対し「豪ドル安・円高方向」と答えた割合は23.7%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△15.3%ポイントとなり、前月の△44.8%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後の豪ドル/円相場は、中国のロックダウン(都市封鎖)長期化による世界経済の先行き不透明感や米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め加速への警戒感から世界的に株価が下落したことが重なり87.30円前後まで下落した。

今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は94.13円、安値の平均値は86.67円であった。高値の中央値は94.50円、安値の中央値は87.00円で、前月より安値の中央値が4円低下した。調査期間前に87.30円前後まで下落したことが個人投資家の先高観を後退させたと考えられる。ただ、その後は、底堅いエネルギー価格や6月の豪中銀(RBA)理事会における利上げ幅の拡大期待などから91円付近まで戻す展開となっており、個人投資家の豪ドル強気スタンスも維持されているようだ。

豪ドル/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し

「今後1カ月間のポンド/円相場の見通し」については、「ポンド高・円安方向」と答えた割合が、33.1%であったのに対し「ポンド安・円高方向」と答えた割合は25.9%であった。この結果「ポンド/円予想DI」は△7.2%ポイントとなり、前月の△41.0%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後のポンド/円相場は、英国経済の減速懸念や北アイルランド議定書問題などから一時155.60円前後まで下落。その後、161円台まで反発するも英インフレ率が1982年以来の高水準となり、スタグフレーション(不況下の物価高)懸念が広がる中、再び157円台まで下落する展開となっている。そうした中で、個人投資家のポンド強気スタンスは大きく後退した格好だ。

なお、今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が175.00円、最安値が145.00円となり、高値の平均値は164.87円、安値の平均値は154.88円であった。高値の中央値は165.00円、安値の中央値は155.00円で、前月から5円前後英ポンド安・円高方向へシフトした。

英ポンド/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が46.7%と最も多かった。次いで「円」が19.1%、「豪ドル」が8.0%と続き、さらに「ユーロ(6.6%)」、「英ポンド(5.3%)」、「メキシコペソ(5.0%)」などと続いた。「米ドル」の回答割合は前回の62.3%から低下した一方、2位の「円」の割合は前回の13.3%から上昇した。米ドル強気予想がいくぶん後退し、円強気予想がやや拡大した格好で、問1の米ドル/円予想DIのプラス幅が縮小した点と整合的であろう。なお、米ドルとした理由については「利上げ」や「金利上昇」など金融政策に絡む回答が引き続き多かった。円については「米国の景気後退によるリスクオフ」「売られすぎの反動」などが指摘された。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が44.0%と最も多かった。次いで「米ドル」が18.3%、「ユーロ」が12.4%で、「中国人民元(6.1%)」、「英ポンド(5.6%)」、「トルコリラ(4.9%)」、などと続いた。円の回答割合は前回の62.0%から低下した一方、米ドルは前回の11.4%から上昇した。ユーロも前回の8.7%から上昇した。ユーロと回答した理由については「ウクライナ紛争の長期化による景気悪化が見込まれる」「スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題が長引く恐れあり」などの声が上がっており、このところの上昇は続かないとの見方が増えているようだ。

問7:年末の米国の政策金利(FFレート誘導目標上限)はどの水準だと思いますか(現在は1.00%)

2022年末のFFレート予想

今回の特別質問として、「年末の米国の政策金利(FFレート誘導目標上限)はどの水準だと思いますか」と尋ねたところ、「1.25%」との回答が20.0%で最も多かった。次いで「1.50%」が17.7%で、以下「2.00%」が11.4%、「1.75%」が11.3%と続いた。米連邦準備制度理事会(FRB)は積極的な利上げの方針を示しているものの、積極的な利上げが景気悪化に繋がるとの懸念も根強いようで、年内の追加利上げは比較的小幅にとどまるとの見方が少なくなかった。そうした中で、回答が広範囲に分散したと見られる。なお、2.00%以上への引き上げを予想した合算割合は40.5%にとどまった。

問8:6月FOMC後のドルの動きはどうなると予想しますか。よろしければその理由もお聞かせください

6月FOMC後の米ドルの動き

今回のもうひとつの特別質問として、「6月FOMC後のドルの動きはどうなると予想しますか。よろしければその理由もお聞かせください。」と尋ねたところ上昇基調が続く」と答えた割合が34.0%で最も多かった。次いで「短期的に上昇するも横ばい(19.0%)」、「短期的に上昇するも反落(16.4%)」、「短期的に下落するも反発(10.9%)」などと続いた。6月FOMCでは追加利上げが濃厚だが、利上げは織り込み済みとの見方も少なくないようで、米ドルの動きについては見方が分かれている。上昇が続く理由としては「今後も利上げを継続する」との声が多く、追加利上げへの期待が根強い事がわかった。一方、FOMC後の反落を見込む理由としては「金利上昇で株価が下落する」との見解が示されるなど、米景気の先行きを不安視する声が上がっていた。

今後の調査実施計画及び公表方針

本調査も第156回目となりました。調査開始から11年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。

主要4通貨の相場とDI

主要4通貨の相場とDI(グラフ)

本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2022Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. www.gaitamesk.com
f:id:gaitamesk:20191106165135p:plain 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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