執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
- ▼米ドル/円 タカ派センチメント後退で上値重い、50日線が目先の攻防ライン
- ▼05月23日週のドル/円は上値が重かった
- ▼市場は9月以降のFRB姿勢に興味
- ▼ドル/円は50日線の攻防
- 05/30週のイベント
- 一言コメント
執筆日時 2022年05月27日 17時00分
米ドル/円 タカ派センチメント後退で上値重い、50日線が目先の攻防ライン
05月23日週のドル/円は上値が重かった
発表された米経済指標が見事にパッとせず、安全資産とみられる米国債への逃避需要から米長期金利が2.7%台前半へ低下したことが重しとなり、ドル/円は126.355円まで売りが先行しました。突っ込み気味に下げた反動や実需勢のドル買いから127.573円レベルまで持ち直す場面はありましたが、見通しへの不透明感は根強く、すぐさま126円台へ押し戻されました。
市場は9月以降のFRB姿勢に興味
来週は6月1日に米5月ISM製造業景況指数、同4月JOLTS求人件数、同地区連銀経済報告(ベージュブック)、6月3日に同5月雇用統計、同5月ISM製造業景況指数など市場が動意づきそうな話題が豊富な週です。マーケットは9月以降の米国利上げスピードを見極める局面になっていますので、指標結果の強弱に振らされるのは仕方ありませんが、慎重に相場の行方を見極めたいです。9月以降の利上げ見通しはまだ固まっていませんが、先日のFOMC議事要旨からはこれまでのタカ派トーンが後退している様子です。CMEが公表しているFedWatchツールでも、1カ月前は4割程度だった9月0.25%利上げ予想が0.5%利上げ予想を上回り、6割を越えてきています。こうした状況は、米金利動向に直結しやすいドル/円にとって重荷になるかもしれません。
※出所:CME Group
ただ、金利が適切に抑制されている状態は株式市場や経済成長にとって追い風となるため、ドルが大崩れするとの期待も少ないです。ドル/円は安値を更新して下げ渋った場面では、戻りを狙って買い拾うのも面白そうです。もっとも、直ちに足もとの流れが逆転するとの考えも早計ですので、短期売買を心掛けたいです。少し余談ですが、一部のシンクタンクは、レポートで1983年から2018年までの6回の利上げ局面の平均利上げ幅は2.9%で、6回の内4回は利上げ局面後、平均15カ月で景気後退が発生したと報告しています。
ドル/円は50日線の攻防
50日移動平均線126.410円(26日時点)がワークし底割れを回避しています。再度、同ラインへ接近した局面は、押し目買い検討のポイントになるかもしれません。ただ、このラインを下回れば、次の節目が3月31日安値121.275円を起点とする上昇幅の61.8%押しである125.125円レベルですので、一旦、損切りして次の機会を待ちたいです。上方向は、一目の基準線レベルとなる128.851円レベル(26日時点)がいいところではないでしょうか。
【ドル円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:125.100-128.800
05/30週のイベント
05/30 (月) 24:00 米国 ウォラー米FRB理事、討論会出席
05/31 (火) 08:30 日本 4月 失業率
05/31 (火) 22:00 米国 1-3月期 四半期住宅価格指数
05/31 (火) 22:00 米国 3月 ケース・シラー米住宅価格指数
05/31 (火) 22:45 米国 5月 シカゴ購買部協会景気指数
05/31 (火) 23:00 米国 5月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
06/01 (水) 08:50 日本 1-3月期 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
06/01 (水) 23:00 米国 5月 ISM製造業景況指数
06/01 (水) 23:00 米国 4月 建設支出
06/01 (水) 23:00 米国 4月 JOLTS求人件数
06/01 (水) 26:00 米国 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
06/01 (水) 27:00 米国 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
06/02 (木) 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
06/02 (木) 21:15 米国 5月 ADP雇用統計
06/02 (木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
06/02 (木) 23:00 米国 4月 製造業新規受注
06/03 (金) 21:30 米国 5月 非農業部門雇用者数変化
06/03 (金) 21:30 米国 5月 失業率
06/03 (金) 21:30 米国 5月 平均時給
06/03 (金) 23:00 米国 5月 ISM非製造業景況指数(総合)
一言コメント
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