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FX「株安、貿易赤字、ウクライナ危機の悪影響で米国が弱い。円は去年と比べれば格段に強い」

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総括

FX「株安、貿易赤字、ウクライナ危機の悪影響で米国が弱い。円は去年と比べれば格段に強い」

ドル円=112-117、ユーロ円=123-128 、ユーロドル=1.07-1.12

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨5位(5位)、株価12位(11位)、去年と比べれば格段に強い円。4月以降は輸出先行となる。今週は外貨投信残高と貿易統計」
 年初来、ドル円は115円を中心とした動き、高値が116.347 安値が113.466。ただ円相場自体は今年は強い。昨年は12通貨中11位が指定席であったが、今年は2位から5位あたりの先頭グループを走っている。
需給が少し変わり始めている。輸出が伸び始めて2月上旬は輸入の伸びを上回った。昨年13兆円増加した外貨投信が1月で3兆円減少したことだ。今週も7日に2月上中旬の貿易統計、11日に2月外貨投信残高が発表されるので注目したい。日本だけでなく世界の株価が下落している中で、外貨投資を増加させる投資家も少ないだろう。
 原油高で輸入が増えるが、経済の強さで需要が増加して輸入が増える兆しはない。30代半ばから50代半ばの世帯の所得が20年余り前の同世代と比べて100万円以上減少しているからだ。消費者態度指数2月は3カ月連続の悪化。消費が過熱して輸入増に繋り貿易赤字となればいい円安かもしれないが、その気配はない。また金融取引税引き上げの議論も続いているので株価浮揚材料は少ない。
 3月はリパトリ玉がある。4月から8月は例年通り輸出先行の相場となる。ドル高はあっても秋以降か。円高に気をつけたい。

*米ドル「通貨6位(4位)、株価(NYダウ)8位(11位)、株安、貿易赤字、ウクライナ危機の悪影響で米国が弱い」
 ウクライナ危機でユーロ、ポンド、スイスが下落した。その中での12通貨中6位なので強くはない。去年からも強い強いと言われながら最強通貨になった月間はない。膨大な貿易赤字を抱えていては無理だ。
今年はウクライナ危機の前から株価が弱い。投資家は去年から株から新興国に資金シフトを始めていた。さらにウクライナ危機で株価が下落。これではドルは上昇しない。米金融機関も不安がある。ロシアに制裁した影響は米銀にも降りかかってくる。米シティグループのロシア事業における損失が最悪の場合は数十億ドルに達する恐れがある。同行は、ロシア向けエクスポージャーが100億ドル近くに達すると明らかにした。米景気も強くはない。2月ISM非製造業指数は56.5に低下、1年ぶり低水準。2月のISM製造業景気指数は58.6と前月の57.6から上昇も前月は、2020年11月以来の低水準だった。
 パウエル議長は議会証言で今月のFOMCでは0.25%の利上げを提案し、支持する方向に傾いていると表明した。市場で予測されていた0.5%引き上げの確率はもうゼロに近い。そもそもコロナ禍のサプライチェーン問題やウクライナ危機での資源高によるインフレ高進が利上げでは収まらない。早まった利上げは景気後退を生む。

*ユーロ「通貨11位(9位)、株価14位(12位)DAX)、対ロシア制裁の悪影響が出始めるか 弱いユーロ」
 ウクライナ危機でユーロも株価も大きく下落した。ロシアへの制裁はロシアに多額の債権をもつユーロの金融、貿易、投資への重しとなって帰ってくる。いくら欧米がウクライナに武器を与えても数が多いロシア軍に対しては長期戦となる。ロシア経済は疲弊するが欧州経済も大きな影響を受ける。距離的に近いだけに核の不安もある。ユーロ、株が売られ債券市場に資金が流入する。紛争が起きる前の1月のユーロ圏小売売上高は前月比0.2%増、前年同月比では7.8%増と、いずれも市場予想を下回った。インフレ率が5%を超え消費者の購買力が低下したことを受けて、燃料や食品の販売が振るわなかった。ネット通販も低調だった。今後はこれにウクライナ紛争の悪影響が加わる。格付け会社スコープは2022年の独の国内総生産(GDP)伸び率予想をこれまでの4.4%から3.5%に引き下げたと発表した。頼みの綱の独の貿易収支も冴えない。1月の貿易統計によると、輸出、輸入ともに予想に反して前月から減少した。製造業で供給問題が続いている。輸出は前月比2.8%減、輸入は4.2%減少した。2月、3月の数字も悪化するだろう。
 ユーロ圏の短期金融市場ではECBの利上げ観測が一段と後退している。利上げ開始時期の予想も後ずれし、9月の利上げ開始を完全に織り込む展開。今月初めは6月の利上げ開始を織り込んでいた。

*ポンド「通貨10位(8位)、株価7位(4位)、ウクライナ危機の影響。ロシア債権の不良化あり」
 いち早く、コロナ感染者の隔離を不要とするなど、コロナ規制解除を強行し経済活動の正常化を目指した英国であったが、ウクライナ危機は影を落としている。地理的に近いことだけではなく、英国の銀行のロシア債権が不良債権となってしまうこと、原油価格が上昇することは資源会社の本社がある英国にとってはメリットだが、石油大手のシェルは主要な液化天然ガスプラントを含むロシアの全事業から撤退するとの報道もあり、ポンドも英国株も売られた。欧州大陸の国同様にロシアと商取引を禁じることは英国の会社にもデメリットとなる。
 英中銀マン政策委員は、2月の政策決定会合で0.5%ポイントの利上げを主張したのは、国民のインフレ期待が低下する兆しがほとんどなく、インフレ率の高止まりにつながるリスクがあると考えたからだと述べた。マン氏を含む4人の政策委員は0.5%ポイントの利上げを主張した。「賃金や物価、あるいは英国債を除く金融市場について、上昇期待が弱まっている兆しはほぼなかった」と指摘した。
政策委員全員が「目標をはるかに上回っている」との見解で一致したという。一方、テンレイロ委員は、約30年ぶりの高インフレに対抗するために利上げが必要なケースがあると考えているが、必要な利上げ幅はウクライナ危機もあり不明だと述べた。FRBの3月利上げ幅予想が0.5%ではなく0.25%に傾いていることもある。

*豪ドル「通貨2位(7位)、株価5位(9位)、豪ドル逆襲、3Q利上げ観測強まる」
 1月末は12通貨11位だった豪ドルが先週末は2位へ浮上した。コロナ禍での資源価格上昇にウクライナ危機が追い打ちをかけた。特にLNG輸出量がトップクラスの豪が恩恵を受ける観測がある。またウクライナから遠い地理的リスクの恩恵、貿易依存度の高い中国景気の安定ということもある。経済指標も好調だ。21年4Q・GDPは、前期比3.4%増加した。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン措置が解除され、個人消費が活発化した。前年比の伸び率は4.2%に加速した。1月の貿易収支は128.91億豪ドルの黒字で90億豪ドルの予想を上回った。21年4Q経常収支も黒字を維持した。1月の小売売上高は前月比1.8%増となり、過去2番目の高水準となった。
 以上から政策金利引き上げの準備が整ってきているが先週は予想通り政策金利は過去最低の0.1%に据え置かられた。中銀は金融引き締めに動く前に賃金上昇の加速を待つ用意があると改めて表明。その賃金指数も緩やかに上昇中だ。

*NZドル「通貨4位(11位)、株価8位(13位)、堅調、追加利上げ観測、商品高、英とのFTA締結など」
 豪ドル同様に1月は弱かったが、2月、3月ここまでは堅調だ。資源高で潤う豪ドルに連れ高ということもあるが、ウクライナ、ロシアという農業国の紛争から農産物の流通が滞り,NZにも注目が集まった。
フォンテラは乳製品価格の予測を引き上げた。また追加利上げ観測もNZドルを支えた。NZ中銀のチーフエコノミスト、ユオング・ハ氏はインフレ抑制に向けて金利面でさらなる対応が必要だとの見解を示した。ロシアのウクライナ侵攻が政策に与え得る影響については、評価するのは時期尚早と指摘した。ロシアやウクライナとの貿易規模は小さいものの、市場の変動やコモディティー価格を通じてある程度の影響を受ける可能性があると述べた。その上で、インフレに対処するため政策は引き締めスタンスに移行しなければならないとし、必要であれば0.5%の利上げもあり得ると述べた。
中銀は来年末までに金利が3.35%に達すると予想した。
 英国とのFTA締結も好感されている。関税については、英国側は96.7%の品目で関税を即時撤廃、NZ側は全ての品目で関税を即時撤廃する。コロナ規制解除も経済活動の正常化となろう。ただ2月企業信頼感は、大幅に悪化した。向こう1年間に経済が悪化すると予想した割合は差し引き51.8%と、昨年12月の前回調査の23.2%から大きく悪化した。

テクニカル分析

*ドル円「上ヒゲで下げるもボリバン下限で下げ止まる。5日線、20日線下向く」
日足、ボリバン2σ上限から下落、3月3日の長い上ヒゲも効く。一時雲の中に入り、ボリバン下限にも触れる。2月24日-3月4日の上昇ラインがサポート。3月3日-4日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向く。
週足、5週平均線下向くか。ボリバン2σ上限から反落。2月7日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。1月24日週-2月21日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン2σ上限から下落。5か月線まで下落。1月-2月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ライン(ほぼダブルトップ)が上値抵抗。雲の上。
年足、2021年は6年ぶり陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。ただ先週末で陰転。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限へ急落」
日足、ボリバン3σ下限へ急落。3月3日-4日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン3σ下限へ急落。2月21日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は雲の上に出きれず、3月急落。ボリバン2σ下限下抜く。1月-2月でダブルトップ。2020年3月-2022年2月の上昇ラインを下抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。20年‐21年の上昇ラインを下抜いている。17年-20年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン3σ下限へ急落」
日足、ボリバン3σ下限へ急落。3月3日-4日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン3σ下限まで急落。2月21日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。雲下へ。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は陰線。2月の長い上ヒゲで3月急落。ボリバン下位。20年5月-22年2月の上昇ラインを下抜く。21年6月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陽線も今年は陰転。20年-21年の上昇ラインを下抜く。14年-21年の下降ラインが上値抵抗。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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