トルコリラの上値が重い展開が続いている。先週3日に発表されたトルコ10月消費者物価指数(CPI)は前年比+19.89%に加速したが、中銀が重視するコアCPIは16.82%へと小幅に減速した。この日のリラ/円は、エルドアン大統領の健康不安説が流れた事もあって、一時11.541円前後まで下落。10月25日に付けた過去最安値11.463円前後に迫った。その後、やや持ち直しているものの12円台の回復には至っていない。来週18日の金融政策決定会合でトルコ中銀が追加利下げに動くとの観測がリラの上値を抑えているようだ。
また、トルコは隣国シリアへの越境軍事作戦の準備を進めている模様。高インフレなどで高まった国民の不満をそらす狙いが強いと見られ、仮に越境攻撃を行っても軍事行動は小規模なものにとどまるとの見方が一般的だ。そうした見方が正しければ、リラ一段安の手掛かり材料にはならないかもしれない。ただし、偶発的な衝突拡大に警戒が必要となる事から、リラの上値を抑える追加材料にはなるだろう。
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