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米国不安要因が増加、テーパリングは延期か。リパトリのドル買いの後はドル売りへ

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総括

米国不安要因が増加、テーパリングは延期か。リパトリのドル買いの後はドル売りへ

ドル円=107-112、ユーロ円=126-131 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価9位(9位)、ドル円需給拮抗で動きにくい。日銀は無策か」
 円は夏にやや円高へ向かったが年間では12通貨中11位と安い。4月からは110円を中心に推移している。株価は首相交代への期待で上昇しているが、何か新しい経済政策が始まるような感じではない。
ドル円は動かず出来高が少ない。貿易収支は8月が6354億円の赤字となり年間では約7970億円の黒字とほぼ拮抗している。また上半期約10兆円の所得黒字を外貨投信の7兆円と機関投資家の外債投資で埋め合わせているのだろう。需給に歪みが無ければ大きく動かない。リース&ラグスという輸出の上半期のドル売りが終われば、晩秋あたりは輸入のドル買いが目立ってくるか。
  さて 政府の9月例経済報告で景気は「持ち直しの動きが続いているものの、このところそのテンポが弱まっている」とし、総括判断を4カ月ぶりに下方修正した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で低調なサービス消費に加え、これまで堅調だった新車や家電販売などに弱さが広がっていることや、半導体不足や東南アジアでの感染拡大でサプライチェーンに支障が出たことが生産に響いた。
景気の先行きについては、持ち直していくことが期待されるとした一方、「内外の感染症の動向、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスク」に十分注意する必要があるとし、先月から警戒感を強めた。この中で日銀政策決定会合が開催される。3月にETF買い入れを減額して以来、新たな政策はない。株価も3月から下落してきたが、日銀とは関係なく、新首相誕生期待で株が買われている。このところの緊急事態宣言の影響が経済指標悪化に繋がることを想定して政策支援を期待したいところだ。無策の日銀ではいけない。また麻生財務相は金融所得課税見直しは年末にかけ議論行われる中で与党税調で検討されるとした。新首相の抜本的な政策が無ければ日本に明るさは戻ってこない。


*米ドル「通貨3位(5位)、株価(NYダウ)4位(4)位、不安要因が増加、テーパリングは延期か。リパトリのドル買いの後はドル売り」
 先週のドルは上昇した。四半期末に特有なドル買いと、米株下げのリスク回避のドル買いが出ている。株下げの初期反応はリパトリ同様にドル買いとなることが多い。ただ経済の中味が悪化すれば、ドルは下落に転じるだろう。
 今週はFOMCが開催される。けっして力強さを感じさせることのない経済指標、債務上限の引き上げを巡る民主党と共和党の対立継続を受け、FRBは債券購入のテーパリングの発表を11月に先送りしそうだ。2022年いっぱいは事実上のゼロ金利政策を維持し、23年末までに0.25ポイントずつの2回の利上げを実施するとの予想が多い。
 さて、明らかにバイデン政権の不安要因が増加してきている。支持率も大きく低下している。債務上限問題でのデフォルト懸念が大きい。ベージュブックで景気減速が示されたように3Q、4Qの成長率は下方修正された。3Qの予想は4.4%、4Qが5.1%で8月調査の7.0%、5.9%の予想から減速する。デルタ感染の拡大、また限定的なブースター接種とされたことも影響する。3.5兆ドルの景気対策も可決が不透明だ。アフガン撤退で民間人を殺傷したこと、AUKUSでの原潜配置のトラブルでフランスが駐米駐豪大使を召還したこともあった。バイデン大統領の前途は多難である。
 モルガン・スタンレーやシティーは米国株の投資判断を「アンダーウエート」に引き下げた。クレディ・スイスも慎重な見方を示した。これまでもあったように米株の下げは初期はリパトリと似たような行動形式でドル買いとなるが、下落が続けば米国不安でドル売りにも繋がるだろう。


*ユーロ「通貨8位(8位)、株価5位(4位)DAX)、引き続き米ドルリパトリで下落。ECBはインフレ懸念強まる」
 先週は通貨、株価ともに下落した。例年、四半期末の9月下旬はドル買いが出る季節的要因もある。強い独の象徴メルケル首相が退陣し9月26日に行われる独総選挙で与党が敗退する予測もユーロ売りを誘った。さて欧州も米国より遅れたがインフレ懸念が高まりだした。8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年同月比3.0%上昇と、2011年11月以来、約10年ぶりの高い伸びを記録した。ECBは物価上昇は一時的との見解を示しているが、インフレ率予測を繰り返し上方修正している。コアインフレ率も加速した。変動の激しい食品・エネルギー除くCPIは前年比1.6%上昇した。
 ラガルドECB総裁は、新型コロナウイルスワクチン接種が迅速に進んだことで経済の大きな部門の再開が可能になり、ユーロ圏経済は6カ月前の予測よりも速く回復しているとの認識を示した。
ラガルド総裁は、成長トレンドは完全に回復していないものの、ユーロ圏の域内総生産(GDP)は年内にパンデミック前の水準を回復すると予想されていると述べた。7月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比1.5%、前年同月比7.7%上昇し、いずれも予想を上回った。資本財と非耐久消費財が好調だった。ユーロ圏各国の長期金利もインフレ上昇と鉱工業生産を受けて上昇している。
インフレ上昇と経済指標の改善でユーロも上昇してよいが、今週のFOMCのテーパリングに関する示唆があるかどうか確認してからか。また冒頭に述べた四半期末のドル買いが終わってからか。


*ポンド「通貨首位(2位)、株価11位(10位)、インフレ指標は引き締め催促、一方消費は抑制されジレンマあり」
 ポンドは人民元とともに最強通貨となった。ただ先週はポンドは下落、FT株価指数も下落した。他の通貨がより下落したので首位となった。今週の政策金利は据え置きが予想されている。物価は上昇しているが、それが一時的かどうか見方が分かれている。他の経済指標も強くはない。
 8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%上昇し、2012年3月以来約9年ぶりの大幅な伸びを記録した。昨年は新型コロナウイルス流行で大打撃を被った外食産業への支援策を受けて、昨年は外食費が下落していたことが背景にある。また8月のインフレ期待は、1年先が2.7%で、5月の2.4%から上昇した。将来のインフレリスクを抑制するための金融引き締めや利上げのタイミングを探っている英中銀にとって、インフレ加速は確かに気になるところだ。ただ引き締めを今行えば、景気回復を台無しにしてしまうリスクがある。金融引き締めを躊躇させる指標も出ている。8月の小売売上高は、前月比0.9%減少し、予想の0.5%増を下回った。前月比で減少するのは4カ月連続で、1996年の集計開始以来、最長となった。消費支出の回復が3Qに失速したことを裏付けている。英中銀が早ければ来年2月にも利上げできるような状況なのか、市場では懐疑的な見方が広がる。英中銀の引き締め開始を来年終盤以降と予想しているが、市場は2月の利上げ確率を約60%織り込んでいる。


*豪ドル「通貨10位(10位)、株価7位(7位)、3Qは低迷、期待は4Qか」
 豪ドルは低迷している。年間では10位だ。ロウRBA総裁は3Qは低迷、4Q楽観とした。コロナウイルス感染対策のロックダウンが原因で3Qは国内経済が大幅なマイナス成長になる見込みだが、4Qに制限が緩和され次第、経済活動が急速に持ち直すと確信していると述べた。またロウ総裁は、賃金が伸び悩んでいるため、2024年までに政策金利を引き上げる可能性は低いとの見解を改めて示した。総裁の発言通り、8月の雇用統計は悪化した。就業者数は前月比14万6千人減と、予想の9万人減よりも大幅な落ち込みとなった。ロックダウンで、企業が従業員のレイオフや労働時間短縮を余儀なくされたことが影響した。
失業率は4.5%で、7月の4.6%から改善した。求職者の落ち込みが背景にある。ロックダウンの影響で、統計には7月からゆがみが生じている。また鉄鉱石価格の急落も豪ドル売りを誘った。
 他の焦点は中国がTPP加盟申請をだしたが、豪は早速中国との交渉に入ろうとしている。一方、豪が米英と安全保障の歴史的な枠組みを構築(AUKUS)したことについては中国が「極めて無責任」で「偏狭」だと批判した。


*NZドル「通貨7位(7位)、株価14位(14位)、10月6日に利上げはあるか」
NZ中銀は8月の金融政策決定会合で0.25%の利上げをする予定であったが、オークランドで新型コロナウイルス感染者が1人確認され、全土でロックダウ入りしたため、政策金利を据え置いた。さて10月6日の政策金利決定が近づいてきた。予想は再び0.25%の利上げだ。ロックダウンは最大都市のオークランドを除く全地域で行動規制が緩和された。学校やオフィス、商店についてはソーシャルディスタンス規則を順守した上で再開を認めると発表した。
 2Q・GDPは前期比2.8%増加し、予想の1.3%増%を上回った。前年比では17.4%増加。予想は16.3%増だった。インフレは目標の1-3%のレンジを超える.3%。住宅価格は依然上昇、海外からの観光客は増加している。これを受け、最近の新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、中銀が利上げを開始するとの見方が強まった。中銀は短期的な変動を見越して金融緩和を縮小するとみられ、来月から一連の0.25%引き上げを行うだろうとされている。ロックダウンの影響で3Qの成長鈍化が予想されているが、ワクチン接種の進展や感染封じ込めにより急回復を見込も見込まれている。8月の製造業PMIが40.1と、前月改定値の62.2から低下した。これはロックダウンの影響を示している。今週は8月貿易収支の発表がある。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ、3σ下限から反発し上位へ」
日足、ボリバン2σ、3σ下限から反発し上位へ。雲中。9月16日-17日の上昇ラインがサポート。9月14日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン中位。横ばい。9月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。8月2日週-9月13日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足、一目の雲にかろうじて入っている9月。21年5月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ上限からは下落。ボリバン上位。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。


*ユーロドル「ボリバン2σ下限へ下落」
日足、ボリバン3σ上限に近い9月3日の上ヒゲ効いて2σ下限へ下落。雲の下へ。9月16日-17日の下降ラインが上値抵抗。8月20日-9月17日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン下位、雲中。9月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。8月23日週-9月13日週の上昇ラインがサポート。
月足、21年4月-6月の上昇ラインを下抜ける。8月は下ヒゲが長い。6月-8月の下降ラインを上抜くもそのラインまで下げてきた。21年5月-6月の下降ラインが上値抵抗。20年7月-21年8月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位で留まる。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。


*ユーロ円「ボリバン2σ上限から下限へ下落」
日足、ボリバン2σ上限から下限へ下落。9月16日-17日の上昇ラインがサポート。9月14日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。雲下。
週足、ボリバン2σ下限から反発も中位に届かず2週連続陰線。8月16日週-9月13日週の上昇ラインがサポート。9月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、8か月連続陽線とならず3か月連続陰線。7月、8月は下ヒゲ長い。20年11月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-8月の下降ラインを上抜く。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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