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米中対立激化、FOMCで株・資源下落、暑い夏が始まった

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総括

米中対立激化、FOMCで株・資源下落、暑い夏が始まった

ドル円=107-112、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.16-1.21

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨11位(11位)、株価13(13位)、ドル高円高、有事に強い円は生きている
FOMCの利上げ予想前倒しでドルは上昇し今月は最強通貨となっている(年間では5位)。ただ年間11位の弱い円も今月は2位で、リスク回避に強い円となっている。米中対立の激化と米金利上昇による株と資源価格の下落の有事には円が買われる伝統は消えてはいなかった。円に取り立てて買われるファンダメンタルズの良さはないが、強いて言えば、このところ前年比で輸出が伸びていることか。経済指標は弱くインフレ懸念もない。ただテーパリングに関して言えば、日本が従来行ってきた日銀の株購入がここ最近見られないのは、世界で真っ先に行った国かもしれない。株価は弱い。
 法人企業景気予測調査では大企業全産業の景況判断指数はマイナス4.7となった。マイナスは2四半期連続。日銀短観も期待できない。5月の景気ウオッチャー調査も、景気の現状判断DIは38.1となり、2カ月連続で悪化した。ちなみに黒田日銀総裁は「欧米の物価上昇は一時的とみている」と発言している。
 今週から職場や大学での新型コロナワクチン接種が開始される。これで一気に明るい雰囲気となるか。人流拡大でコロナ感染者数増加となるか暑い夏は続く

*米ドル通貨6(7)位、株価(NYダウ)7(5)位、FOMCは「一時的インフレ」論を捨てきったのか
「一時的なインフレ」論を踏襲すると見られていたがFRBは「利上げ予想の前倒し」を行い「テーパリング議論開始」を示唆した。ただこれによって米ドルが上昇し、資源価格が下落したことで、早速インフレが抑制された。また短期金利は上昇したが、長期金利はFOMC前より低下している。銀行のALMの観点からは長期貸し、短期調達なの収益にとっては良くない。これが株価下落に繋がればこれもインフレ抑制となる。 一方ECBは依然「インフレは一時的」論との見方を変えていない。それほど垣根のない欧米経済で見方が異なるのは興味がある。
 イエレン米財務長官はFOMC後の下院歳入委員会で証言を行い、米国がハイパーインフレに見舞われる危険性はないという認識を示した。今週はパウエルFRB議長が22日に下院特別小委で証言する。非常に興味深い。米国の経済指標はインフレの勢い程、強くはない。むしろ弱い数字も出始めている。議長はFOMC直後の会見では「インフレ率は主に一時的な要因を反映し上昇」とも言っているので、まだまだ揺れ動く気がする。 一方、セントルイス連銀のブラード総裁はインフレの予想が米金融当局の2%目標を上回っていることを踏まえ、来年に利上げを開始するのが適切かもしれないとの考えを示した。まだまだ紆余曲折ありそうだ。

*ユーロ通貨7(9)位、株価4位(4位)DAX)、FOMCと異なりECBは一時的なインフレ上昇論を踏襲するか
G7・NATOと中国との対立激化、FOMCの利上げ予想前倒しでユーロも下落したが資源国通貨ほど下落幅は大きくなかった。やはり膨大な貿易黒字・経常黒字が下支えしている。FOMCは「一時的なインフレ」論からやや宗旨替えの兆しもあるがECBはどうだろう。ラガルドECB総裁は債券を買い入れる「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」終了時期について協議するのは「全く時期尚早だ」と言明した。ECBの予測はインフレが今年加速するもののその後に低下すると見込んでおり、ラガルド総裁らは高インフレが定着すると考える根拠はないとした。「回復を真に定着させなければならない」と発言し、上方修正されたECB経済見通しにも言及、「われわれの経済予測とPEPPの設計が正しい方向を指し示しているように思われる」と述べた。
 一方、クノット・オランダ中銀総裁とワイトマン・独連銀総裁は、インフレ率上昇に言及。インフレ率が3%を超えれば当局は行動を考える必要があると述べた。5月の消費者物価は2%である。
今週は欧州の製造業・サービス部門PMIと独のIFO企業景況感指数の発表がある。

*ポンド通貨3位(3位)、株価11(8)位、弱含み、ロックダウン、米中対立、FOMCで下落、本邦の155円以上の売りも効く
感染拡大で新型コロナを巡る制限措置の解除を1カ月間延期すると発表していたところに、G7・NATOと中国との対立で資源価格が低下し、さらにはFOMCの利上げ予想前倒しとテーパリング議論開始で米金利が上昇したことでポンドは売られた。イタリアは英国からの入国者に対し新型コロナ検査と5日間の自主隔離を義務付けることとした。英国は6月19日、新型コロナのデルタ株(インドで最初に見つかった変異株)の週間の感染者数が79%増加したと発表した。資源価格の下落は、資源大手の本社株が上場されているFT株価指数の売り、ポンドの売りに繋がる。本邦からの155円以上の執拗な売りもポンドを下落させた。
 5月の小売売上高は前月比1.4%減と、予想外に減少した。予想は1.6%増だった。食品販売店が最も打撃を受け、売上高が5.7%減少。今週の政策金利決定は据え置きと見られている。5月の消費者物価は前年比2.1%上昇し、目標の2.0%を上回った。伸び率は2019年7月以来の大きさ。英中銀は、経済再開や世界的な原油価格上昇に伴い、インフレ率が年末までに2.5%に達すると予想している。ただベイリー中銀総裁ら大半の中銀当局者は、物価上昇は一時的で、大規模な金融緩和を縮小する必要はないと主張している。FOMCの決定を受けて当局の発言内容が変わるかどうか。

*豪ドル通貨6位(5位)、株価7位(9位)、長期に伸び悩んだ後、先週は大幅下落。米中関係対立激化で沈む
3月半ばから豪ドルは対円で85円に定着せず伸び悩んでいたが、先週は大きく下落し82円台となった。対中関係は悪化しているが依然、貿易取引での結びつきは強い。ただそこへG7・NATOと中国の対立が激化して世界的にリスク回避の流れとなった。資源価格も大きく下げた。秋には米中首脳会談開催の可能性が出てきたが、まだ具体的なものが出てきていないので不安定な状況は続く。
 FRBは利上げ予想前倒しを行ったが、豪ウエストパックはRBAも金融引き締めを前倒しして、2023年1Qに利上げを開始するとの見通しを示した。良好な5月の雇用統計で景気回復の勢いが示され、「流れが変わった」としている。政策金利(現行0.1%)は23年1Qに0.15%、2Qに0.25%、4Qに0.25%引き上げられる見通しとした。RBAは今のところ、利上げは早くても24年以降になるとの見通しを繰り返し表明している。今週はRBAロウ総裁、エリス総裁補の会見があるので注目したい。
 5月の雇用統計では、就業者数は11万5200人増加し、予想の3万人を大幅に上回る増加だった。フルタイム就業者数も9万7500人の大幅増だった。失業率は4月の5.5%から5.1%に低下。ロックダウンの影響を受けた昨年7月の7.5%から大幅な改善が続いている。雇用が改善したなら、あとは賃金上昇が伴えばテーパリング開始となる。

*NZドル通貨8位(8位)、株価15位(最下位)、GDP改善、住宅価格高騰でも世界のリスク回避の流れに勝てず
NZドルは対円で先週は2.28%下落、月間でも4.13%下落した。ただ年間では対円で2.94%高である。中銀が2022年9月に利上げ予想をしていたところにホークスビー中銀総裁補が、金融刺激策の解除が早過ぎるよりも、引き延ばし過ぎるほうが望ましいとの見解を示したことでNZドルが下落していたところへ、米中対立激化、FOMCの利上げ予想前倒しとなり下落が加速した。
 1Q・GDPは改善したが、世界のリスク回避の流れに勝てなかった。1Q・GDPは、新型コロナ禍からの回復に伴い予想以上に増加した。前期比1.6%増加した。予想は0.5%増、中銀の見通しは0.6%減だった。
前年比では2.4%増加。予想は0.9%増だった。雇用や小売売上高などここ数カ月の各種指標も堅調な数字となっている。
 懸念の住宅価格上昇では、5月の住宅価格は前年同月比32.3%急騰した。政府が過熱を抑える措置を講じているにもかかわらず、供給不足を背景に価格が押し上げられた。これでは再び利上げ論が高まるかもしれない。

テクニカル分析

*ドル円「月足は雲中へ上昇、久々の週足連続陽線、日足はボリバン2σ上限から反落」
日足、ボリバン2σ上限まで達して反落。6月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。6月16日-18日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、8週間、陰線、陽線を繰り返していたが先週は陽線で連続陽線でリズムが崩れた。ただ上ヒゲが長い。3月29日週-6月14日週の下降ラインが上値抵抗。6月7日週-14日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、一目の雲に突入。21年4月-5月の上昇ラインがサポート。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。2か月連続で109.30以下で下ヒゲ。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「雲の下へ。ボリバン3σ下限に沿って下落」
日足、ボリバン3σ下限に沿って下落。雲の下へ。6月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、4週連続1.22以上を維持できず下落。5月3日週-6月7日週の上昇ラインを下抜いて急落。4月5日週-6月14日週の上昇ラインがサポート。6月7日週-14日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上はかろうじて維持、ボリバン下位。
月足、1月-5月の下降ラインが上値抵抗。4月-5月の上昇ラインを下抜ける。20年11月-21年4月の上昇ラインがサポート。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「雲中へ、ボリバン3σ下限まで下落。3週連続陰線」
日足、雲中へ、ボリバン3σ下限まで下落。6月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、6週連続陽線の後、3週連続陰線。ボリバン2σ上限から中位へ反落。5月31日週-6月147日週の下降ラインが上値抵抗。1月18日週-6月14日週の上昇ラインがサポート。
月足、7か月連続陽線、ただ6月はここまで陰線。ボリバン中位へ下落。20年5月-11月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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