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米景気対策がペソ押上げ。来週は政策金利、株価好調、原油下落

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総括

米景気対策がペソ押上げ。来週は政策金利、株価好調、原油下落

予想レンジ 5.0-5.5

(ポイント) 
*3月25日に政策金利決定 据え置きか
*前回は政策金利は0.25%引き下げられ4.0%へ
*2月CPI上昇
*銀や原油価格の上昇はペソを支えるが昨日は原油急落で下げる
*中銀総裁はインフレ見通しは不透明とした
*米景気対策で一気にボリバン下限から上限へ
*OECDが成長見通し上方修正
*株価も上昇、年初来7.95%高
*コロナワクチン接種が遅れている
*国営電力業者保護法案が民間業者や米加の不満を生む
*大麻を解禁へ 世界最大の市場に
*海外のメキシコ人労働者からの国内送金は増加し続けている
*中南米から米国を目指す移民が増加
*1月は8か月ぶり貿易赤字
*外部要因が強い(貿易、被仕向送金、原油高など)が国内は脆弱
*対米貿易依存度が頗る高い
*経常収支は3Qに史上最大黒字に

(リスク選好続く。米の大型景気対策でメキシコ市場好調。OECD成長見通し上方修正)
 3月のメキシコは好調だ。昨日まででメキシコペソは今月は対円で3.7%上昇した。株価(ボルサ指数)も3月は急騰している。バイデン米新政権のコロナ追加経済対策のメキシコ経済への影響は大きい。昨日は下落したが原油高が続いていることも産油国メキシコにメリットとなる。OECDは21年のメキシコの成長率見通しを0.9%上方修正して4.5%とした。

(政策金利は)
気になるのは米国同様にインフレ高進と金利動向だ。メキシコ中銀は今月下旬に金融政策決定会合を開く。中銀は前回、金融緩和政策を再開し、政策金利を0.25ポイント引き下げ約5年ぶりの低水準となる4%とした。一方、今月25日に行われる会合で追加利下げが行われる可能性は低下している。燃料費の値上げを背景に2月のインフレ率は前年同月比3.76%上昇と、4カ月ぶりの高い伸びとなったからだ。中銀は消費者物価が2Qに中銀の目標レンジ上限の4%を超えて上昇するものの、年末には目標レンジ内の3.6%に収まるとの見通しを示している。

(中銀総裁発言)
メキシコ中銀のディアスデレオン総裁は、米国の追加経済対策や利回り上昇が幅広い市場で再調整を促したが、インフレ率や経済成長に対する影響は今のところ不透明だとの見方を示した。
メキシコ債のイールドカーブは、新型コロナウイルス禍の中で他の新興国と比べ好ましく推移していると指摘した。米国の景気刺激策成立を受け投資家がポートフォリオ調整を行う中、中銀はインフレがどのような反応を示しているかを見極めることになるだろうと述べた。
メキシコのインフレ率の軌道は、米国需要の行方やそれが世界の原油価格に与える影響に左右されるとの見方を示した上で、メキシコ経済には引き続き大きなスラック(たるみ)があると述べた

(懸念材料)
懸念はコロナワクチン接種が遅れていることと、国営電力業者保護法案で米国やカナダのみならず国内民間業者からも不満が出ていることで、今後の波乱要因にもなりかねない。

(大麻で税収増となるか)
 さて日本人には違和感があるが、メキシコで嗜好品としての大麻合法化の大枠が決まった。国家としての解禁は南米ウルグアイ、カナダに次いで3カ国目。人口規模で世界最大の市場となる。政府は組織犯罪の減少や税収の増加を期待する。

(メキシコへの工場進出)
*フォード=フォード・メキシコはメキシコ州のクアウティトラン・イスカリ工場でグループ初となる100%電気自動車(EV)の生産を開始する
*鴻海=米アップルの大手サプライヤーとして知られる台湾の鴻海精密工業は、米ウィスコンシン州かメキシコで電気自動車(EV)を製造する方針を示した。

テクニカル分析

米景気対策で3連続大陽線 円を抜いて年初来最下位脱出

 日足、3月12日の長い下ヒゲから4連続陽線でボリバン2σ上限へ。ただ昨日は長い上ヒゲを残した3月12日-17日の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限は5.36。5日線上向き。
 週足、雲の上に出る。一時ボリバン2σ上限を上抜く。21年3月8日週-15日週の上昇ラインがサポート。ボリバン3σ上限は5.40。
 月足、雲下での推移が長い(2016年1月以来)。ボリバン中位は上に抜ける。21年1月-2月の下降ラインを上抜ける。20年9月-11月の上昇ラインがサポート。
 年足、陽転。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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VAMOS MEXICO

メキシコ国境の川を渡って米国を目指す移民

米国入りを目指す中米からの不法越境者が急増している。米南西部国境での2月の拘束者数は10万人超と、2019年6月以来の高水準となった。移民に強硬的だったトランプ前政権から、1月にバイデン政権に移行したことが背景にある。保護者が同伴していない未成年の拘束者の増加が目立ち、米政府は対応に苦慮している。
 米税関・国境取締局(CBP)は10日、米南西部国境での拘束者数は2月に10万441人になったと発表した。1月に比べて28%増加した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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