目次
▼10日(木)の為替相場
(1):バルニエEU交渉官「英交渉進展せず」ポンド下落
(2):ラガルド総裁 ユーロ高に強い警戒感示さず
(3):EU 英国内市場法取り下げ要請でポンド続落
(4):米IT株値下がり 円買い優勢
10日(木)の為替相場
期間:10日(木)午前6時10分~11日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):バルニエEU交渉官「英交渉進展せず」ポンド下落
英国と欧州連合(EU)の通商協議を終えたバルニエEU首席交渉官が、「英国との交渉は何も進展がなかった」としてEU大使らに警告した事が伝わるとポンドは下落した。
(2):ラガルド総裁 ユーロ高に強い警戒感示さず
欧州中銀(ECB)が金融政策の据え置きを決め、ラガルド総裁の記者会見が始まる直前に「ECBはユーロ高に過剰反応する必要ないと合意」とする関係者の発言が伝わった。総裁会見では、「中期的なインフレ見通しへの影響という点で為替相場を注意深く検証する」としつつも、ユーロ高に強い警戒感を示す事はなかった。なお、ECBは経済見通し(スタッフ予測)で2020年の成長率予測を-8.0%と従来の-8.7%から上方修正した一方、21年と22年は小幅に下方修正した。これらを受けてユーロ/円は126円台へと急伸した。ドル/円は、ドルが対ユーロで弱含んだ事や、米新規失業保険申請件数が高止まりした事(88.4万件、予想:85.0万件)が重しとなり、一時106円台を割り込んだ。
(3):EU 英国内市場法取り下げ要請でポンド続落
EUは、ジョンソン英首相が議会に提出した「国内市場法案」について、英・EU間の離脱協定の一部を無効化するものとして、9月末までに法案を取り下げるよう迫った。欧州委員会は「離脱合意の条件に反する事は国際法違反であり、信頼を損ない、将来の関係を巡る現在進行中の交渉を脅かす」との声明を発表した。年末までの「移行期間」内に英国とEUが自由貿易協定(FTA)を締結できる可能性が低下したとの見方からポンドは続落。その後、英政府が「国内市場法案」の取り下げを拒否した事からポンドはさらに下押しした。
(4):米IT株値下がり 円買い優勢
米国株式市場で、前日に急反発していたテクノロジー株が再び値下がり。NYダウ平均やS&P500などの株価指数が下げ幅を拡大する中、円買いが優勢となり、クロス円の下落圧力が増した。ドル/円は、豪ドル/米ドルなどストレートドルでのドル高に支えられて底堅かった。
10日(木)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
106円台前半中心で小動き
昨日のドル/円は終値ベースでほぼ横這い。ユーロやポンドに対してドルと円が揃って同じ方向に動いたため、ドル/円は105.98~106.30円前後の小幅な値動きに留まった。なお、ユーロは欧州中銀(ECB)がユーロ高を強くけん制しなかったとして急伸したが、米株安を受けて失速する乱高下を演じた。ポンドは英国と欧州連合(EU)の通商交渉が混迷する中、全面的に下落した。
ドル/円は、本日も106円台前半を中心とする小動きの展開が続きそうだ。引き続き、ドルと円が同方向に動きやすい他、週末を前に手控えムードも広がりやすい。米8月消費者物価指数の発表が予定されているが、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ目標の平均化を打ち出したため材料視しにくいだろう。
本日の注目イベント
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。