目次
▼27日(金)の為替相場
(1):ポジション調整のドル売り先行
(2):ジョンソン英首相 新型ウイルス感染
(3):米経済指標 明暗を分ける
(4):米2兆ドル経済対策法案成立
27日(金)の為替相場
(1):ポジション調整のドル売り先行
3月末を間近に控えてドル調達コストが低下する中、ポジション調整のドル売りが先行。本邦輸出企業の円買い観測も重しとなり、ドル/円は108円台前半まで下落した。クロス円は、ユーロ/ドルなどのストレートドルの上昇で下値は比較的限られた。
(2):ジョンソン英首相 新型ウイルス感染
英国のジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染した事が判明するとポンド売りが強まる場面があった。なお、その後ハンコック保健相・社会福祉相もウイルスに感染した事が明らかになった。
(3):米経済指標 明暗を分ける
米2月個人所得は前月比+0.6%と予想(+0.4%)を上回り、同個人消費支出(PCE)は前月比+0.2%と予想通りであった。米2月PCE価格指数(デフレーター)は前年比+1.8%、同コア・PCEデフレーターも前年比+1.8%と予想(いずれも+1.7%)を上回った。ただ、その後に発表された米3月ミシガン大消費者信頼感指数・改定値は89.1と、2016年10月以来の低水準に沈んだ。市場予想(90.0)を下回り、速報値(95.9)から大幅に下方修正された。
(4):米2兆ドル経済対策法案成立
NY市場は終盤にかけてドルが全面的に下落。ドル/円は107円台に下落した一方、クロス円はストレートドルの上昇とともに強含んだ。米国の新型コロナウイルス感染者は、前日時点で中国とイタリアを上回り世界最多となった。なお、2兆ドル規模の米経済対策法案は、下院の可決を経てトランプ大統領が署名して成立したが、株価やドルの支えにはならなかった。
27日(金)の株・債権・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
半値押しが視野に
27日のドル/円は107.75~109.64円前後のレンジで推移。終値は前日比1.5%安の107.95円前後だった。米国で新型コロナウイルスの感染が急拡大した事や、米経済指標が著しく悪化した事からNY市場でドルが全面的に下落した。「有事のドル買い」は影をひそめ、「リスク回避の円買い」が優位となっており、今朝は一時107.60円台へと続落している。
現時点では、3月9日から24日までの上げ幅の38.2%押し水準(107.69円前後)でなんとか踏みとどまっているが、世界的に株安の流れが続くようなら半値押し水準にあたる106.45円前後まで下値を切り下げる可能性もあろう。