<第128回調査>2020年1月24日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
調査実施期間
2020年1月17日(金)13:00~2020年1月21日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は930件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間の米ドル /円相場の予想レートについてお答えください
問3:今後 1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後 1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
問6:2020年の最も強い(高い)通貨はどれになると思いますか
問7:2020年の最も弱い(安い)通貨はどれになると思いますか
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が51.2%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は21.2%であった。この結果「米ドル/ 円予想DI」は△30.0%ポイントとなり、前回(△4.9%ポイント)から、プラス幅が急拡大した。
調査期間前後の米ドル/円相場は約8カ月ぶりに110.29円前後まで上昇する場面があった。米中の通商協議が第1段階の合意に至り、両国の対立への懸念が緩和する中、個人投資家の米ドル強気・円弱気姿勢が強まったと見られる。
問2:今後1カ月間の米ドル /円相場の予想レートについてお答えください
「今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レート」については、「±1円で推移」が38.3%と最も多く、次いで「1円~3円の米ドル高・円安(38.0%)」と続き、以下「1円~3円の円高・米ドル安(16.0%)」、「3 円以上の米ドル高・円安(4.8%)」、「3円以上の円高・米ドル安(2.9%)」の順になった。
ヒストグラムの形状は、米ドル高・円安方向へと傾いており、問1の結果と整合的と言える。「±1円で推移」と「1 円~3円の米ドル高・円安」に8割近くの回答が集まっており、個人投資家の今後1カ月の予想レンジは、概ね109.00円~113.00円前後に集約されているようだ。
問3:今後 1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が31.8%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は32.2%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は▼0.4%ポイントと、弱気度合いを示すマイナス幅は前回(▼13.4%)から縮小したが18カ月連続でマイナスを記録した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、約6カ月ぶりに122.80円台に上昇する場面もあったが、個人投資家のユーロ/円下落見通しは崩れなかった。米ドル/円の上昇予想が多い一方で、ユーロ/円では下落予想が優勢という事は、ユーロに対する個人投資家の弱気姿勢が相当に根強い事を物語っている。
問4:今後 1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が35.5%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は28.7%であった。この結果豪ドル/ 円予想DI」は△6.8%ポイントとなり、前回(△0.9%ポイント)からプラス幅がやや拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、76円台に乗せると上値が重くなり、75円台前半に押し戻される展開であった。大規模森林火災が豪経済に与える打撃は小さくないとの見方や、豪中銀(RBA)が2月に利下げに動くとの見方が、豪ドル/円相場と個人投資家の見通しの重しになっている模様。
問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください
「今後注目している通貨ペア」について尋ねたところ、「買い」で注目の通貨ペアは、米ドル/円が43.8%の回答割合を集めて1位となった。続く2位には英ポンド/円(9.9%)、以下、3位豪ドル/円(8.6%)、4位ユーロ/米ドル(6.2%)、5位トルコリラ/円(6.1%)と続いた。なお、米ドル/円は前回(33.2%)から回答割合をを増やして88カ月連続で1位となった。中下位層では、これまで2回連続でベスト10入りしていた南アランド/円が、圏外の11位まで順位を下げたのが印象的だ。南アランドは、脆弱な国内景気や格下げリスクがくすぶる中での中銀の利下げなどが重しとなり軟調地合いが続いている。そうした中、高金利通貨志向の個人投資家からも敬遠されつつあるようだ。
一方、「売り」で注目の通貨ペアは、米ドル/円が23.1%の回答割合で首位をキープした。以下、2 位英ポンド/円(15.2%)、3位ユーロ/米ドル(14.9%)、4位ユーロ/円(11.8%)、5位豪ドル/円(6.7%)と続いた。なお、米ドル/円は前回(25.6%)から回答割合が小幅に低下した。その他、英ポンド/米ドルは前回の5位から7位へと順位を下げ、回答割合も6.9%から5.4%へと低下している。英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitが間近に迫り、英中銀(BOE)は利下げの構えを見せているが、個人投資家のポンド売り意欲は高まっていないようだ。EUとの「移行期間」における交渉は曲折が予想されるが、12月の英総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が下院で絶対過半数を獲得した事などから、政治的な混乱は当面起きないと見ているのかもしれない。
問6:2020年の最も強い(高い)通貨はどれになると思いますか(ひとつだけ)
今回の特別質問として、「2020年の最も強い(高い)通貨はどれになると思いますか(ひとつだけ)」と尋ねたところ、「米ドル/円」との回答が57.6%と圧倒的に多かった。2番手に「円(21.8%)」と続き、以下「ポンド(5.1%)」、「ユーロ(3.4%)」、「スイスフラン(2.2%)」、「豪ドル(2.0%)」となった。
合わせて、その理由を自由記述形式で尋ねたところ「米ドル」と答えた向きからは「米国は景気が良く株価も高い」「米大統領選でトランプ氏が再選する」「中国との覇権争いで有利な立場にいる」などの声が挙がった。「円」については「中国やイランとの対立が続く」、「オリンピックがあるから」などと、リスク回避の影響や東京オリンピック(訪日外国人の増加など)効果が上昇の理由として挙げられた。
問7:2020年の最も弱い(安い)通貨はどれになると思いますか(ひとつだけ)
今回の特別質問として、「2020年の最も弱い(安い)通貨はどれになると思いますか(ひとつだけ)」と尋ねたところ、「ポンド」と答えた向きが19.5%ともっとも多く、次いで「円(15.3%)」、「ユーロ(13.3%)」と「トルコリラ(13.3%)」が同率で続き、「中国人民元(11.4%)」、「米ドル(5.7%)」となった。
その理由については「ポンド」と答えた向きからは「EU離脱による実体経済への影響」「EU離脱の移行期間が短く不透明感が強い」など、英国のEU離脱=Brexitを懸念する声が圧倒的に多かった。「円」と答えた向きからは「オリンピック後の景気不安」など、日本の景気悪化を理由とする回答が目立った。「円」については、株高などのリスクオンによる下落を予想する声がほとんどなかった点がやや意外であった。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第128回目となりました。調査開始から10年超が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。
なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。