FX投資は、通貨ペアを売買して利益を得る金融商品です。
この通貨の持ち高を「ポジション」といい、新しくポジションを持つことを「エントリー」、保有しているポジションを決済することを「エグジット」といいます。
あるポジションで利益が出ているときに、エグジットして利益を確定することを「利食い」と呼びますが、この利食いのタイミングが、FX投資を成功に導く上で非常に大切です。
いったいどうすれば、最も良いタイミングで利食いを行えるのか、初心者のために、そのポイントを解説します。
利食いと損切り
FXの世界で、難しい判断を迫られる局面の一つが、利益を確定するための「利食い」と、損失が出ているポジションからエグジットする「損切り」です。
チャートの変化を眺めながら「もっと相場が上がるのでは?」とか、「何とかして損失を回避できないか」とか、ついつい「欲」が出て、利食いや損切りの判断を鈍らせてしまうのです。
実際、経験を積んだベテランでも利食いのタイミングは難しいといわれています。
FXで成功している投資家は、自分の予想と異なる値動きとなったときの損切りが素早く、利益のピークに近いところでエグジットできるような判断を下しているのです。
それではノウハウのない初心者はどうすればいいのでしょうか。
利食いを間違えないための3ポイント
誰でも利益が最大になるタイミングでエグジットしたいと思って売買していますが、いつもうまくいくとは限りません。
特にFXの経験が少ない初心者は、タイミングの見当すらつかないのが実際でしょう。
そこで、初心者が利食いで失敗しないための3つのポイントを紹介しましょう。
1)利益幅
例えば、「1回のトレードで30銭(1万通貨で3,000円)利益が出たら決済」と決めておき、その利益幅に達したら必ず利食いをします。
そのまま持っていれば、それ以上の利益が出ることもあるでしょう。
しかし、欲を出さずに、ルールに従って、粛々と利益を確定します。
この方法であれば、変動の激しい相場にあっても着実に利益を積み上げられます。
その際、水準の設定が大切ですが、それはボラティリティ(通貨ペアの価格の変動率)で判断します。
各通貨ペアの1度の値動きが、どの程度の値幅になるかを、1日単位、1週間単位などでチェックして、その値幅より、やや少なめの利益幅で、利食い注文を出しておくようにします。
2)トレンドライン
トレンドラインとは、チャート上での相場傾向、方向性を示す線のことです。
FXの相場分析の基本となる情報です。
これ以上相場が下がらないと予測される「サポートライン」と、これ以上相場が上がらないと予測される「レジスタンスライン」に注目します。
これに近づいたら、一度、利益が出ているポジションで利食いをする目安です。
なお、これらのラインをブレイクすれば、その方向に相場の勢いは増し、さらなる利益をあげるチャンスになります。
経験を積んできたら、相場の動きを見ながら、今にもラインをブレイクしそうであれば、ポジションの全部は売却せず、一部をそのまま保有しておくというやり方もあります。
3)時間で区切る
相場の動きが自分の想定通りにならない場合は、時間を区切って、一度、ポジションを解消するのもひとつの方法です。
どの程度の時間で区切るのかは、相場の状況にもよりますが、欧州時間、米国時間など、相場が移動して、新たな投資家たちが参入してくる時間帯を前に、利食いするケースが多いです。
例えば、欧州時間に入ると、東京時間のときとは反対の方向に、相場が動く傾向にあるといわれています。
利食い判断のためのテクニカル分析
テクニカル分析などが持ちいられることもあります。
テクニカル分析にはさまざまな手法があります。
中でも利食いの目安を判断しやすいのが、多くのトレーダーが愛用している「ボリンジャーバンド」でしょう。
ボリンジャーバンドの詳しいロジックは、複雑になってしまうので、ここでは割愛します。
ちなみに、相場の値動きがその幅に収まる可能性が高い「±2σ(シグマ)」にタッチしたら、利食い注文を出すタイミングと判断するケースが多いようです。
相場の勢いが強いときは、その目安を「±3σ」にすることもあるそうです。
「欲をかかない」ことが利食いの一番のポイント
先ほども述べた通り、利食いはプロトレーダーでも難しいのです。
FXの初心者は、最初から欲張って大きな利益額を狙うのではなく、今回ご紹介したポイントなどを参考にしながら、自分にあった方法を見つけて、コツコツと利益を積み重ねていく姿勢が大切です。
そして、損切りは素早く、少しでも資金が減らないようにしてください。
FXでは資産が減ると、それを取り戻すためには、より利益率を上げないと、回復できません。
つまり、負けないことが一番大切なのです。
地道に“シングルヒット”を重ねることが、成功者になるための近道なのだと思います。
PickUp編集部