(1)
独9月製造業受注は前月比+1.3%と、予想(+0.1%)を大幅に上回る伸びを示現。その後、独10月サービス業PMI・改定値も51.6と予想を上回り速報値(いずれも51.2)から上方修正された。これらを背景にユーロが小幅に上昇した。
(2)
「米中の『第1段階』の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がある」とする米政府高官の発言が伝わると、一時円買いが強まった。報道によれば、米中は、通商合意の条件や首脳会談の開催地について協議がなお続いているとの事。
(3)
12月12日の英総選挙に向けた世論調査で、ジョンソン首相率いる与党・保守党の支持率が36%に低下(前回38%)した。これを受けて、英国が欧州連合(EU)との合意に基づいた「合意あり離脱」の可能性が低下したとの見方からポンドは売りが優勢となった。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%下落。米中通商協議の部分合意が12月にずれ込む可能性があるとの報道を受けて108.82円前後まで小緩むなど、109円台前半の上値抵抗を克服できずに調整含みの展開となった。米中合意期待による月初来の上昇がひとまずストップした形で、改めて方向感を模索する局面に入った模様。108円台後半には、20日移動平均線(108.65円前後)や日足一目均衡表の転換線(108.59円前後)が通っており、この水準を維持できれば短期上昇トレンドも維持されよう。改めて109.30円の上値抵抗突破を試す展開も想定し得る。
一方、108.60円前後の下値支持を下抜けるようなら108.00円に向けて調整が深まる可能性もある。いずれにせよ、目先的な市場の関心は米中問題に向けられている。米中通商協議に絡む新たな手掛りがなければ108.60-109.30のレンジ内でもみ合う事になるだろう。