総括
米中通商協議の部分合意観測で元が上昇
(先週=製造業PMI 財新製造業PMI、今週=米中通商協議、財新サービス業PMI 貿易収支)(通貨8位、株価9位 )
予想レンジ 人民元/円 15.0-16.0
(ポイント)
*米中通商協議で部分合意か 12月にずれ込む可能性もあり
*財新製造業PMIは改善
*今週は貿易収支の発表がある
*中国は対外開放策を続ける
*今週は元が対ドルで7.0を割り込む
*3Q・GDPは減速
*9月貿易収支は輸出入ともに縮小
*PPIが低下
*米国は中国への投資制限を示唆し圧力をかけている
*S&P中国の格付けを維持
*習主席は2049年までのリスクへの闘争を示唆、一方トランプ大統領は早期解決を望む
*米国は中国を為替操作国と認定
*中国は通貨バスケット制に基づき元を変動させる.
*全人代のCPI上昇目標は3%
(米中首脳会談は、APECは中止)
元は上昇している。対ドルでは7.0を割り込んだ。9月初めには一時1ドル7.20へにのせかけていた。米中通商協議は進展している。トランプ大統領もクリスマス前に何らかの成果を上げたいところだろう。トランプ大統領は、中国との通商部分合意について、穀倉地帯のアイオワ州で署名する可能性を示した。米中首脳はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で署名する見通しだったが、デモや暴動が相次ぐチリが会議の中止を決めた。
(部分合意か)
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米中交渉官が第1段階の通商合意に向け「大きく前進」したと述べた。カドロー委員長によると、農産物や金融サービス、為替の分野での合意はほぼ完了したものの、知的財産権侵害を巡る問題での合意がまだ残されているという。さらに、技術移転を巡る問題は「第2段階」の合意に先送りされる公算が大きいと述べた。合意には中国による米農産物の購入および農産物に対する市場開放に向けた一段の措置が含まれているほか、金融サービスに関しては、保険、証券、投資銀行、商業銀行などの米企業による中国内の全額出資が認められる見込みとした。
(中国は対外開放策)
中国も外国投資を促進する一環として、外資系企業による国内外での株式および債券発行を通じた資金調達や制限のない利益の本国送還を来年1月1日から認可する方針を示した。
また、中国の経済開放が「約束倒れ」に終わりかねないという欧州連合(EU)側の指摘について、そうした恐れはないと反論した。
EUは今週の上海で開催される中国国際輸入博覧会(CIIE)を前に、中国は商取引環境を迅速かつ大幅に改善する必要があると警告した。
中国外務省の報道官は、国として改革開放を巡る約束に常に忠実だとした上で「中国は約束や確約を果たすための努力を惜しまない。欧州が主張する『(約束)倒れ』の問題はない」と明言した。
またEUが昨年のCIIEについて、売り上げが伸びたなどと評価したことについては喜ばしいとし、今年のCIIEもきっと満足してもらえるだろうと述べた。
(財新製造業PMIは改善、今週は貿易収支)
経済指標では、10月財新製造業PMIは51.7で、約2年半ぶりの高水準となった。新規輸出受注や生産が伸びた。今週は10月貿易収支の発表がある。
(米国の9月貿易収支より 対中貿易は)
米商務省が発表した9月の貿易収支によると、対中国のモノの貿易赤字は280億2800万ドルで前月比3.1%減った。関税をかけ合う貿易戦争の影響で、輸出と輸入のいずれも縮小した。
中国からの輸入は4.9%減の370億ドル。9月発動の「第4弾」制裁関税を避けるために8月に増えた「駆け込み輸入」がなくなり、大きく落ち込んだ。対中輸出は10%減の90億ドルだった。中国の報復関税が影響したとみられる。1~9月期でみると、対中輸入は前年同期比13.5%減、輸出は14.6%減で、いずれも大きく縮小している。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン上限到達
日足。ボリバン上限到達。11月1日-4日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。20日線越え。雲上。
週足。9月9日週-16日週、4月15日週-7月29日週の下降ラインを上抜き上昇
10月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。ボリバン上限へ近づく。
月足、5月-8月の下降ライを上抜く9月-10月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-18年の上昇ラインを下抜く。16年-18年の下降ラインが上値抵抗。11年-12年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国副首相:中央政府は香港の林鄭月娥行政長官の仕事を完全に信頼
一時、退任の報道もあった香港の林鄭月娥行政長官だが、 中国副首相は「中央政府は香港の林鄭月娥行政長官の仕事を完全に信頼していると発言した。また、「香港の抗議行動は、「一国二制度」と香港の利益を損なっている」とした
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