(1)
「トランプ米政権は、9月1日に発動した対中関税(1120億ドル相当の製品に15%課税)を撤廃するかどうか議論している」との英紙報道が伝わり、米中通商協議の進展期待がさらに高まると円安が進行した。
(2)
豪中銀(RBA)は大方の予想通りに政策金利を0.75%に据え置いた。声明も「労働市場を含めた動向を監視し、経済の持続的成長と完全雇用、長期にわたるインフレ目標の達成を支援するために必要であればさらなる金融緩和を行う用意がある」などと、概ね前回を踏襲。追加利下げに対する強い示唆がなかったとの見方から12月の利下げ観測が後退する中、豪ドルが上昇した。
(3)
英10月サービス業PMIは50.0と予想(49.7)を上回り前月(49.5)から上昇した。
(4)
米9月貿易収支(季節調整済)は525億ドルの赤字となり、赤字額は予想(524億ドル)と概ね一致。対中貿易は貿易戦争の影響で輸出入がともに減少した結果、赤字額は280億ドルと小幅に縮小した。
(5)
米10月ISM非製造業景況指数は54.7と、予想(53.5)を上回り、約3年ぶりの低水準だった前回(52.6)から持ち直した。これを受けてドル/円は109円台を回復した一方、クロス円はストレートドルでのドル高の影響で伸び悩んだ。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%上昇した。米中通商合意への期待が高まった他、米10月ISM非製造業景況指数が予想を上回った事を受けて109円台を回復。200日移動平均線を上抜けて109.24円前後までドル高・円安が進んだ。
今年8月と10月に上値を阻まれた109.30円前後が次の上値抵抗と見られ、これを超えられれば心理的節目の110.00円前後まで上値余地が広がりそうだ。なお、下値支持は20日移動平均線と日足一目均衡表の転換線が通る108.60円前後と見られる。本日は、世界的な株高の持続性が焦点となろう。