本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の長期金利や原油価格の動向を注視しながら、5日に行われた高市首相の所信表明演説に対する衆・参議院での2日目の代表質問での質疑応答に注目することになる。
昨日の代表質問での高市首相は、「金利が想定と異なる動きしたら、必要に応じて施策の再構築や歳出歳入を見直す」「特定の金利水準や為替水準にはコメントしない」などと述べた。一方、消費税減税にも意欲を示しており、財政拡張路線を維持する姿勢が改めて示された。
本日の衆・参議院の代表質問では、所信表明演説で言及した「機動的な対応」や5回も言及した「市場・マーケット」などに関する質疑応答に注目しておきたい。
昨日のドル円は158.51円まで上昇したものの、200日移動平均線(以下200日MA)の158.52円が上値を抑える展開となった。
本日の200日MAは158.53円に位置しており、158.67円に低下してきた日足一目均衡表・雲の下限とともに、攻防の分岐点として念頭に置きながら相場に臨んでいきたい。
ドル円が200日MA付近で伸び悩んでいる背景としては、10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退していることに加え、米長期金利の上昇がドル買いにつながる一方、ユーロ安などを通じてクロス円では円買いが入りやすくなっていることも挙げられる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、10月の利上げ確率は20%以下、12月は70%程度になっている。
一方で、日銀の金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)での利上げ確率は、10月の日銀金融政策決定会合が10%台、12月は80%台になっている。
また、フランスの財政懸念を受けて、ユーロが下落基調にあり、ユーロ円の下落がドル円の上値を抑える一因となっている。ドル円が160円台に向けて上昇していた局面では円全面安の色彩が強かったが、足元ではユーロ安がクロス円での円買いにつながり、ドル円にも上昇一服の動きが波及している。
すなわち、米長期金利の上昇を背景にドルが対ユーロなどで底堅さを維持する一方、フランスの財政懸念を受けたユーロ安などからクロス円では外貨安・円高が進みやすくなっている。こうした通貨ごとの強弱が交錯する中、ドル円は米金利上昇によるドル買いと、クロス円の下落を通じた円買いの綱引きとなっており、200日MAを明確に上抜けられるかが焦点となりそうだ。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
