
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
メキシコペソ/円は先週21日、7月高値の9.400円前後を突破。9.408円前後まで上昇して2024年5月以来の高値を付けた。つまり、7月末に日米当局が行った円買い介入による最大約4.5%の下げを3週間で完全に克服した格好だ。この間、市場では日銀による9月利上げの観測が高まったものの、円が積極的に買われる場面はほとんど見られない。市場には、日銀の小幅な利上げでは円安は止められないとの見方が多いようだ。ましてや高い政策金利を誇るメキシコペソに対して円を買う理由にはなり得ないということだろう。
なお、メキシコ中銀は前回8月会合において政策金利を6.50%に据え置きつつ、インフレが3%目標に収束する時期の見通しを2027年4-6月期から同年10-12月期に繰り下げた。その上で、先週20日に公表した同会合の議事録では、インフレが緩和傾向にあることを認めつつも、レストラン、ホテル、航空旅行などのサービス部門の物価上昇率が2021年終盤以降4%を上回り続けている点を問題視。目標とするインフレ率3%(目標レンジは2~4%)の達成に向けた主要な障害の一つになっていると強調した。中銀は当分の間、政策金利を6.50%に維持すると見られ、こうした中銀の姿勢が高金利通貨としてのペソの地位を支えていると考えられる。
メキシコペソ/円 週足チャート

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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。

