
作成日時:2026年5月21日 11:30
監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人
本記事では、2026年5月21日〜28日の金(ゴールド)相場の見通しを解説します。
中東情勢の進展期待による金利低下観測が支援材料となる一方、FRB(連邦準備制度理事会)のタカ派姿勢が上値を抑える可能性があります。また、中東情勢は金相場にとって強弱両面の材料となる点は見通しを難しくしています。
金(ゴールド)の今後1週間の想定レンジ:4,350~4,650ドル
金(ゴールド)週間見通し:中東情勢の緩和期待とFRBタカ派姿勢の綱引き
5月21日~28日の金(ゴールド)相場は、米・イラン情勢の進展期待によるインフレ懸念の後退と、FRBの追加利上げ警戒が交錯する展開となりそうです。ホルムズ海峡を巡る緊張が和らげば、原油価格の落ち着きや米金利低下を通じて金には支援材料となる一方、インフレ高止まりが意識されれば上値は抑えられやすく、方向感はなお不安定です。
金(ゴールド):7週間ぶり安値圏から反発も戻りが鈍い
足元の金相場は、7週間ぶり安値圏から反発しました。5月20日は一時4,530ドル台まで上昇し、米国債利回りの低下と原油価格の軟化が買い戻しを誘いました。背景には、トランプ米大統領がイラン情勢について前向きな発言を行い、ホルムズ海峡再開を含む中東情勢の改善期待が広がったことがあります。
もっとも、FRB議事要旨では、インフレが2%目標を上回り続ける場合、追加利上げが必要になるとの見方も示されており、金利低下期待だけで金相場を一方向に買い進める地合いではありません。中東情勢の緊迫化以降、大きく調整した水準にとどまっており、投資家心理はなお慎重です。
来週の金(ゴールド)見通し:ホルムズ海峡巡る動きは強弱両面のバイアスに
来週の金相場で最大の焦点は、ホルムズ海峡の再開を含む米・イラン情勢の進展です。トランプ米大統領は、イランとの協議が最終局面にあるとの認識を示しており、緊張緩和への期待が市場で意識されています。
仮にホルムズ海峡を巡る不安が後退すれば、原油価格を通じたインフレ圧力が和らぎ、米金利の上昇圧力も低下しやすくなります。金は利息を生まない資産であるため、金利低下観測が強まれば買い戻しが入りやすくなります。
もっとも、楽観一辺倒にはなりにくいでしょう。地政学リスクの後退は本来、安全資産としての金需要を弱める面もあります。また、米・イラン双方の発言はなお揺れやすく、合意期待が後退すれば、原油高・米金利上昇・ドル高を通じて金の上値を抑える可能性があります。
一方で、ホルムズ海峡の混乱が長期化する場合は、スタグフレーション懸念が強まり、金には逃避需要が入りやすくなります。短期的には中東情勢のヘッドラインに振らされやすいものの、原油価格・米長期金利・ドル相場の反応をあわせて確認することが重要です。
金(ゴールド)テクニカル分析と売買戦略:押し目買いは200日線まで引き付けたい

これは金CFDの日足チャートです。25日移動平均線の4,650ドル付近、50日移動平均線の4,680ドル付近を下回って推移しており、短期的には上値の重い形です。一方で、200日移動平均線は4,370ドル付近にあり、中長期の下値支持線として意識されます。RSI(14日)は46.0と中立圏にあり、売られすぎ感は乏しいものの、過熱感もありません。
売買戦略としては、4,650~4,680ドル台を明確に回復できるかが焦点です。この水準を上抜ければ、いったん買い戻し優勢となる可能性があります。一方、戻りが鈍い場合は、4,500ドル割れ~4,370ドル付近までの調整リスクに注意が必要です。現時点では、強気に追いかけるよりも、押し目を慎重に見極める局面といえます。
金(ゴールド)まとめ:中東報道と米長期金利がカギ
金相場は、中東情勢の改善期待でいったん反発していますが、FRBのタカ派姿勢が残る限り、上値を一気に伸ばすには材料不足です。来週は、ホルムズ海峡を巡る報道・原油価格・米長期金利の3点が方向感を左右します。金利低下が続けば底打ち感が強まる一方、インフレ再燃や追加利上げ観測が強まれば、再び戻り売りに押される展開も想定されます。
重要イベント
- 5月21日(木)米国 22:45 5月PMI速報値
- 5月26日(火)米国 23:00 5月消費者信頼感指数
- 5月28日(木)米国 21:30 1~3月期国内総生産(GDP)改定値
- 5月28日(木)米国 21:30 4月個人所得・個人消費支出(PCE)
- 5月28日(木)米国 21:30 4月耐久財受注
- 5月28日(木)米国 23:00 4月新築住宅販売件数
- 期間中随時 中東情勢 米・イラン協議、ホルムズ海峡関連報道
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