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金(ゴールド)反発シナリオ、視線は米CPIに|4700ドル台回復+原油安・金利低下が条件(XAU/USD)2026年5月7日

 

米CPI・原油安・金利低下がカギ2026年5月7日

作成日時:2026年5月7日 11:30
監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

2026年5月第3週のドル建て金(ゴールド)相場は、高値圏での調整が続く中、米金利やドル指数が相場の方向性を左右する局面に入っています。短期的な利益確定売りと中長期の上昇要因がせめぎ合う中、金市場は不安定な値動きが予想されます。本記事では、こうした環境下での金相場のポイントを整理します。

金(ゴールド)の今後1週間の想定レンジ:4,500~4,850ドル

金(ゴールド)「有事の金買い」が目立たない理由

現在の金(スポット)相場は、米・イラン和平期待に加え、原油価格の下落やドル安が追い風となり、金は反発基調を強めています。

もっとも、こうした足元の反発は、典型的な「有事の金買い」とは性質が異なる動きです。これまでの経験則では、リスクが高まれば金が買われ、リスクが低下すれば利益確定売りが出やすいのが一般的ですが、今回はそのパターンが当てはまりません。

金(ゴールド)実質金利差が主導

背景にあるのは、現在の金相場が中東情勢そのものよりも、実質金利差の動向を主要なドライバーとしている点です。このため、中東情勢が好転しても金が素直に下押しされるとは限らず、むしろ原油安 → インフレ懸念後退 →(米連邦準備制度理事会) FRB利下げ期待の復活という流れが金を支える可能性があります。

結果として今週は、中東情勢の変化そのものよりも、その変化が米インフレ見通しにどう波及するかがより重要なポイントとなります。

金(ゴールド)の行方は米インフレ動向が主導

正式な枠組み合意や停戦延長が伝われば、安全資産需要の後退から金には売りが出やすくなります。ただし、前述のとおり米国のインフレ動向が最大の注目点です。

5月12日21:30に4月米消費者物価指数(CPI)が発表されます。CPIが市場予想を上回れば、FRBの利下げ期待が後退し、米長期金利・実質金利の上昇 → 金の下押しにつながります。

反対に、CPIがインフレ鈍化を示せば、相場の流れは大きく変わります。中東情勢の落ち着きで原油価格が下がり、さらにCPIも弱ければ、「インフレ再燃で利下げできない」懸念が後退します。その場合、金はV字回復し、4,700ドル台の上抜けを試す展開が見込まれます。

その後も、卸売物価指数(PPI)・小売売上高・鉱工業生産が続きます。これらはCPI後の金利見通しを補強するのか、それとも修正するのかを判断する材料となります。

また、週末にかけてはFRB議長人事も補助材料として意識されます。新議長がインフレ抑制重視と受け止められれば金には重しとなり、逆に利下げに含みを持たせる発言が出れば金の支援材料になります。

金(ゴールド)テクニカル分析と戦略:4,700ドル前後が上値の焦点

金スポット 日足/25日・50日移動平均線/RSI(14日)

金スポット 日足/25日・50日移動平均線/RSI(14日)(外為どっとコムCFDネクスト)

日足チャートでは、3月下旬の急落後に反発したものの、その後は上値が抑えられましたが、足元では4,500ドル台前半で下げ渋り、再び4,600ドル台後半まで戻しています。

ただし、25日移動平均線(4,695ドル)50日移動平均線(4,785ドル)が上値抵抗として控えています。4,700ドル前後で押し戻されるようなら、4,550ドル → 4,500ドルへの再調整が意識されます。

一方、25日線を上抜けて定着できれば、次の上値目処は50日線の4,785ドル付近です。ここを突破できれば、4,850ドル → 5,000ドル方向への戻りを試す余地があります。

RSI14は39.2と売られすぎ圏から持ち直しつつありますが、中立水準の50を下回っており、上昇トレンド転換には力不足です。

金(ゴールド)の押し目買いを検討

5月11日週の金(ゴールド)は、4,500~4,850ドルのレンジを想定します。CPIを前に上下に振れながらも、米物価が大きく上振れしない限り、下値では買いが入りやすい展開です。

売買戦略としては、「下値では買い、4,700ドル台では戻り売りに注意」というスタンスが現実的です。押し目買いは4,550~4,600ドル台が候補。ただし4,500ドル割れなら買い目線を弱めたいところです。

一方、CPI鈍化をきっかけに4,700ドル台を明確に上抜ければ、戻り売り圧力はいったん後退し、4,785ドル → 4,850ドル方向への戻りが視野に入ります。

金(ゴールド)の見通しまとめ

5月11日週の金相場は、前半は中東情勢、後半は米CPIが主役です。中東情勢の好転は金の売り材料ですが、原油安を通じてインフレ懸念が和らげば金の支援材料にもなります。

今週は「和平期待で金が売られるか」だけでなく、原油・米金利・ドルの反応が重要です。テクニカル面では4,700ドル前後が分岐点となり、4,500ドル台前半の下値維持と4,700ドル台回復から定着の可否が焦点です。

5月11日~15日 注目の経済イベント

  • 5月11日(月)~週内:ウォーシュFRB議長指名、上院本会議採決見通し
  • 5月12日(火)21:30:米4月CPI
  • 5月13日(水)21:30:米4月PPI
  • 5月14日(木)21:30:米4月小売売上高
  • 5月14日(木)21:30:米新規失業保険申請件数
  • 5月15日(金)21:30:米5月NY連銀製造業景気指数
  • 5月15日(金)22:15:米4月鉱工業生産・設備稼働率
  • 5月15日(金):パウエルFRB議長の任期満了/ウォーシュ氏就任の可能性

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株式会社外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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