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日経平均:6万円割れは一時的?内需株は堅調、長期金利が上昇【週間見通し】 2026年5月20日

 

日経平均見通し2026年5月20日

作成日時:2026年5月20日 11時30分

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

日経平均株価は、AI関連株の急調整により大きな岐路を迎えています。この下落は一時的なショックなのか、それとも、これまで相場をけん引してきた半導体・ハイテク株中心の上昇が見直される局面なのか。本記事では AI関連株の調整、米金利、エヌビディア決算、国内要因などを踏まえた 日経平均の今後の動き を解説します。

今後1週間の日経平均の想定レンジ

58,000円~61,500円

日経平均の見通し:AI関連株の急調整も全面的なリスク回避局面ではない、6万1,000台回復も

日経平均(現物)は終値ベースで5月13日に史上最高値を更新した後、短期間で3,000円超下落し、20日午前には6万円も割り込んでいます。金利上昇を背景に、これまで相場を押し上げてきたAI・半導体関連株には逆風が吹き始めているのが大きな理由です。

ただし、日本株全体が一斉にリスクオフへ傾いているかと言われるとそうではありません。内需関連株やバリュー株には資金が向かっており、TOPIXの下げは日経平均に比べて限定的です。今回の下落は、日本株全体が崩れているというより、AI・半導体関連株に偏っていた上昇がいったん修正されている局面と見ることもできます。

こうした状況を踏まえると、5月20日~27日の日経平均は、海外要因と国内要因のバランスによって、6万円台の回復に時間を要する可能性がある一方、日本時間21日早朝に予定されているエヌビディア決算を無難に通過し、金利上昇への警戒が和らげば、61,000円台回復を試す展開も考えられます。

海外要因:エヌビディア決算と米金利が日経平均に与える影響

まず相場に最も強く影響しているのが、米長期金利の上昇です。金利が上がると、将来の成長期待で買われてきたハイテク株やAI関連株は、割高感が意識されやすくなり、日本の半導体関連株にも売りが波及しやすくなります。

特に注目されるのが、半導体大手エヌビディアの決算です。エヌビディアはAI向け半導体の中心企業であり、同社の決算は日本の半導体株にも大きく影響します。決算内容が市場予想を上回れば、AI関連株の調整が一巡し、日経平均にも買い戻しが入る可能性はあります。

一方で、好決算なら必ず株価が上がるとも限りません。AI関連株にはすでに高い期待が織り込まれているため、内容が良くても市場の期待を大きく上回れなければ、材料出尽くしで売られる可能性もあります。短期的には、エヌビディア決算をきっかけにAI相場が再び勢いを取り戻すのか、それとも利益確定売りが続くのかが焦点です。

加えて、中東情勢や原油価格の高止まりも株式市場の重しです。原油高は企業のコスト増加につながり、インフレ懸念を強めます。これも金利上昇への警戒を通じて、株価の上値を抑える要因となります。

国内要因:内需株の底堅さと日銀政策の影響

一方で、国内要因には相場を下支えする材料もあります。小売、食品、通信、陸運、銀行、保険などの内需・バリュー株は、半導体株に比べて底堅く推移しています。これまで半導体株に偏っていた相場が、少しずつ見直され、銘柄物色に広がりが出ている点は、日本株にとってプラス材料です。

ただし、国内長期金利の上昇には注意が必要です。日銀の追加利上げ観測や財政悪化への警戒から国内金利が上昇しており、短期的には株式市場の重しになっています。銀行や保険株には追い風となりやすい一方、グロース株や不動産株には逆風となりやすく、銘柄ごとの明暗が分かれやすい局面でもあります。

また、5月22日に発表される日本の4月消費者物価指数(CPI)も、物価上昇が強ければ、日銀の追加利上げ観測が強まり、国内金利の上昇を通じて日経平均株価の上値を抑える懸念もあります。

とはいえ、企業業績は総じて崩れているわけではなく、価格転嫁の進展、内需の底堅さ、円安による輸出企業の収益押し上げは、相場の下支え材料です。そのため、今回の下落を全面的なリスクオフと見るより、半導体・AI関連株の調整と、内需・バリュー株への資金シフトが同時に進んでいる局面と捉えるのが自然かもしれません。

日経平均テクニカル分析:25日線割れで短期調整色が強まる

日本N225 日足/25日・50日移動平均線/RSI(14日)2026年5月20日

日本N225 日足/25日・50日移動平均線/RSI(14日)(外為どっとコムCFDネクスト)

テクニカル面では、日経平均CFD(日本N225)は25日移動平均線の60,600円付近を下回って推移しており、短期的には上値の重い形となっています。これまでの上昇局面では25日線が下値支持線として機能していましたが、足元ではその水準を割り込んでおり、上昇トレンドはいったん調整局面に入ったと見られます。

一方で、50日移動平均線は57,400円付近に位置しており、中期的な下値目途として意識されます。日経平均が6万円台を早期に回復できれば、短期調整の範囲内と判断できますが、60,600円付近の25日線を明確に上回れない場合は、戻り売りが出やすい展開と見るのが無難です。

また、RSI(14日)は50.3と中立圏にあり、過熱感はすでに後退しています。ただし、売られすぎを示す水準にはまだ達していないため、ここからすぐに強い反発が入るというより、エヌビディア決算や金利動向を確認しながら方向感を探る局面といえます。

短期売買戦略:想定される押し目までの距離を考えた取引を

売買戦略としては、6万円台を回復し、25日線の60,600円付近を上回って定着できるかが最初の注目点です。上抜ければ61,500円方向への戻りを試す展開が想定されます。

一方、6万円台を回復できずに下値を探る場合は、50日線の57,400円付近が押し目買いの目安となります。ただし、押し目買いの水準までは現状レベルからかなり離れているため、AI関連株の調整が続く間は、安易な買い下がりよりも、状況確認に徹し、反発を見極めてから段階的に買いを入れる姿勢が無難です。

日経平均見通しまとめ、悪い下げと決めつけず、反発時期を見極め

5月20日~27日の日経平均は、エヌビディア決算、米長期金利、国内金利、日本のCPI、中東情勢をにらみながら、神経質な展開となりそうです。

今回の下落は、必ずしも悪い下げとは言い切れません。過熱していたAI・半導体関連株が調整し、内需株やバリュー株にも資金が広がるのであれば、相場の健全化につながる可能性があります。AI関連株への売りが続けば、日経平均は6万円台の回復に時間を要する可能性がある一方、エヌビディア決算を無難に通過し、金利上昇への警戒が和らげば、半導体株の買い戻しを通じて61,000円台を試す展開も考えられます。

今後の日米重要イベント

  • 5月20日(水) 27:00 米国 FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨
  • 5月21日(木) 早朝  米国 エヌビディア決算(決算発表:05:20頃、決算説明 06:00頃)
  • 5月21日(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
  • 5月21日(木) 22:45 米国 5月製造業/サービス業PMI速報値
  • 5月22日(金) 08:30 日本 4月全国消費者物価指数(CPI)
  • 5月22日(金) 23:00 米国 5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値
  • 5月25日(月)  --:--   米国 メモリアルデーで米国市場休場
  • 5月27日(水) 08:50 日本 4月企業向けサービス価格指数

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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