
作成日時 2026年5月22日 10時30分
現在のSP500は、好調な企業業績というプラス要因と、インフレ懸念・高値警戒というマイナス要因が綱引きをし、レンジ相場が続いています。このレンジをどちらに突き抜けるか迷うところですが、本稿では3つのポイントで整理した上で見通しを簡単に解説します。
来週のSP500見通し:中東情勢と米物価データが握る分岐点
SP500来週の予想レンジ:7,300~7,600
SP500は7,350〜7,520前後の箱(ボックス圏)の中で、もみ合う展開が続いています。このレンジを上に抜けて7,500台に定着できるのか、それとも高値警戒から利益確定売りに押されるのか、来週は重要な局面となりそうです。
なお、5月25日(月)の米国株式市場はメモリアルデーのため休場です。そのため、来週の実質的な取引は5月26日(火)〜29日(金)の4日間となります。中東情勢と原油価格、木曜夜の米物価データである個人消費支出(PCE)価格指数、高値圏にあるハイテク株の持続力が焦点となりそうです。
SP500を動かす3つの注目点
1. 中東情勢が原油価格を動かす
いま最も注目されているのが、中東情勢とホルムズ海峡を巡る供給不安です。株式市場にとって重要なのは、単に「和平合意か決裂か」という二択ではなく、原油価格の上昇圧力が和らぐかどうかです。
中東情勢が落ち着けば、原油価格の上昇圧力が後退し、インフレ懸念の緩和につながります。ガソリン価格や企業のエネルギーコストへの警戒が和らげば、SP500には追い風となります。
一方で、停戦維持への不安が強まり、ホルムズ海峡を巡る緊張が再び高まる場合は、原油高への警戒が強まります。その場合、物価が下がりにくいという見方が広がり、市場のFRB(米連邦準備制度理事会)による年内利上げ期待を押し上げる可能性があるほか、企業コスト増への懸念から、SP500の上値は重くなりやすいでしょう。
2. 木曜夜の物価データが利下げ期待を左右する
中東情勢とあわせて重要なのが、5月28日(木)21:30に発表されるアメリカの物価指標「PCE価格指数」です。特にコアPCE価格指数は、FRBがインフレ判断で重視するデータとして知られています。
今回発表されるのは4月分のデータです。中東情勢や原油価格の影響がどの程度表れているかに加え、基調的な物価圧力が鈍化しているかが焦点となります。
また、同じタイミングで米1~3月期国内総生産(GDP)改定値や耐久財受注も発表される予定です。そのため、木曜夜はインフレ、景気、企業活動を同時に確認する重要な時間帯となります。
PCEが市場予想を下回れば、年内利下げ期待が強まり、SP500は7,500台定着を試す可能性があります。一方で、PCEが上振れれば、利下げ期待が後退し、高値圏にある株式市場では利益確定売りが出やすくなります。
3. ニュースの内容で主役となる業種が変わる
ただし、すべての株が同じように動くわけではありません。中東情勢、原油価格、金利の動きによって、得をする業種と売られやすい業種が分かれます。
ハイテク株は、企業業績の強さが引き続き相場の支えとなっています。特にAI関連株への期待は根強く、日本時間21日に発表されたNVIDIA決算もハイテク株全体の安心材料となりました。ただし、高値圏では金利上昇や利益確定売りに弱い面もあるため、PCEが上振れた場合は上値が重くなりやすいでしょう。
エネルギー株は、原油価格が上昇する局面では相対的に買われやすい業種です。中東情勢が不安定化すれば、原油高を背景に底堅く推移しやすい一方、情勢が落ち着いて原油価格が下がれば、売られやすくなります。
製造業や化学株は、原材料高や物流コストの上昇に影響を受けやすい業種です。中東情勢が落ち着き、原油価格が下がる場合は、コスト低下期待から見直し買いが入りやすくなります。
なお、原油安シナリオは、日本株にも追い風となりやすい材料です。日本はエネルギー輸入への依存度が高いため、原油価格の落ち着きは企業コストや消費者心理の改善につながりやすく、米国株高とあわせて日経平均の支援材料となる可能性があります。
SP500テクニカル分析:上昇基調は維持も、短期的な過熱感に注意

SP500は25日移動平均線(赤)が7,295付近、50日移動平均線(青)が6,990付近で推移しており、価格は両移動平均線を上回っています。25日線・50日線ともに上向きで、テクニカル面では上昇トレンドが続いていると判断できます。
一方で、RSI(14日)は70付近まで上昇しており、短期的には買われ過ぎ感も出ています。上昇基調そのものは崩れていないものの、7,500前後では利益確定売りが出やすく、上値追いにはやや慎重さが必要です。
目先は7,500台に定着できるかが上値の焦点です。上抜けに成功すれば一段高を試す展開が見込まれますが、失敗した場合は7,350前後、さらに25日移動平均線の7,295付近までの調整も想定されます。
結局、SP500はどちらに動きそうか?
来週のSP500は、7,350〜7,520前後のレンジを維持しながら、7,500台に定着できるかが焦点です。5月25日(月)は米国市場が休場のため、実質的な取引は26日(火)からとなります。
週前半は中東情勢と原油価格、週後半は5月28日(木)21:30発表のPCE価格指数、GDP改定値、耐久財受注が相場の方向感を左右しそうです。PCEが落ち着いた内容となれば7,500台定着を試す一方、上振れすれば7,350方向への調整リスクが高まります。
売買戦略としては、上昇トレンドに沿った押し目買いが基本です。ただし、RSIが70付近にあり短期的な過熱感もあるため、高値追いは避けたい局面です。7,350〜7,300付近への押し目では買いを検討し、25日移動平均線を明確に割り込む場合は短期調整入りに注意が必要です。
来週の重要イベントカレンダー
- 5月25日(月)米国 終日:米国株式市場休場(メモリアルデー)
- 5月26日(火)米国 23:00:5月 消費者信頼感指数
- 5月27日(水)米国 28:45:クックFRB理事、発言
- 5月28日(木)米国 09:00:ジェファーソンFRB副議長、発言
- 5月28日(木)米国 21:30:新規失業保険申請件数
- 5月28日(木)米国 21:30:1~3月期 GDP改定値、企業利益
- 5月28日(木)米国 21:30:4月 PCE価格指数、個人所得・個人支出
- 5月28日(木)米国 21:30:4月 耐久財受注
- 5月28日(木)米国 23:00:4月 新築住宅販売件数
- 5月29日(金)米国 21:30:4月 卸売在庫
- 5月29日(金)米国 22:10:ボウマンFRB副議長、発言
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