
作成日:2026年4月13日 11時30分
ドル円、中東情勢不安で160円付近へ上昇
今週のドル円は、原油高と中東情勢の緊迫を背景に、ドル買いが入りやすい展開が続きそうです。11日に開催された米国とイランの協議が難航し、原油価格が上昇したことで、インフレ懸念とリスク回避のドル買いが同時に意識されています。
日本はエネルギー輸入依存度が高いため、原油高は円に不利に働きやすく、ドル買い・円売りの流れが重なりやすい状況です。ただし、160円台では日本当局のけん制や介入警戒が強まりやすく、上値追いには慎重さも残ります。下値は堅い一方、節目では伸び悩みやすい相場が想定されます。
米ドル動向とドル円への影響
ドルを支えているのは、米金利が大きく低下しにくいとの見方です。直近の3月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.9%、前年比3.3%と伸びが加速し、エネルギー指数も前年比12.5%上昇し、インフレは十分に落ち着いたとは言えず、原油高が今後の物価押し上げ要因として意識されています。このため、FRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測は後退し、ドルの下支えとなっています。今回も原油高とリスク回避の動きが重なり、ドル円は下がりにくい流れを維持しています。
中東情勢とドル円の関係
今週の焦点は、やはりトランプ米大統領の対イラン姿勢です。11日に開催された協議が合意に至らなかったことで、ホルムズ海峡をめぐる物流不安が一気に高まりました。市場がこれを重く受け止めているのは、単なる外交問題にとどまらず、エネルギー供給への懸念を通じて原油価格や世界の物価見通しに直接響くためです。
為替市場の視点では、今回の地政学リスクはドル円を押し上げやすい材料として作用しやすいと考えられます。ひとつは、有事の局面でドルが選ばれやすいこと。もうひとつは、原油高が日本の輸入コストを押し上げ、円に不利に働きやすいことです。つまり今回は、ドルが買われやすいだけでなく、円も売られやすいという形で、ドル円を支える構図になっています。
投機筋ポジションとドル円の方向性

2026年4月7日現在、円買いポジションは前週比で -3,796 枚となり、円売りポジションは前週比で +17,074 枚となった。これに伴い、投機筋ポジションの売り越しは前週比で +20,870 枚となっている。 市場心理は全体としてドルにやや強気に傾いていますが、強気一色というわけではありません。原油高と中東情勢の緊迫を受けてドル買いが入りやすい半面、ドル円が160円に近づくほど、日本当局の対応への警戒も強まりやすいためです。相場全体としては、下値は堅いものの、上値も軽くはないという印象です。
ドル円テクニカル分析:上放れはまだ不明確

テクニカル面でも、こうした見方と大きなずれはありません。10日移動平均線は159.26円前後に位置し、足もとのドル円はこの水準を上回って推移しています。短期的には持ち直しの流れを保っており、下値を切り上げる動きが意識されやすい局面です。RSI9日も57.6と買われ過ぎには達しておらず、相場の過熱感はまだ限定的です。そのため、短期的には上方向を試しやすい状態にあると言えます。
上値のポイント
ただ、上値には明確な壁があります。3月30日高値160.466円から引いたレジスタンスラインは、本日時点で159.65円前後に位置しており、足もとの相場はちょうどこの水準を試しているところです。ここをしっかり上抜けることができれば、160.00円の節目、さらに160.466円、その先では4月1日安値を起点としたフィボナッチエクスパンション161.8%にあたる160.75円が次の目安として意識されやすくなります。
下値のポイント
反対に、159.65円前後で上値を抑えられるようだと、戻り売りが出やすくなりそうです。その場合、まず注目されるのは10日移動平均線の159.26円です。ここを維持できれば短期的な持ち直しは続きやすいものの、下回ると159.00円前後まで押し戻される可能性が出てきます。現状は、下値を固めながら反発を試している段階ではあるものの、まだ上放れが明確になったとは言えない局面です。
今週のドル円予想まとめ
今週のドル円は、原油高と地政学リスクを背景に下値が支えられやすいとみられます。インフレ懸念が残ることでFRBの利下げ期待は後退し、押し目では買いが入りやすい環境です。
ただし、上値余地は限定的です。まずは159.65円のレジスタンスを突破できるかが焦点で、160円台では戻り売りや介入警戒が意識されます。160.466円を超えれば上昇基調が明確になり、160.75円が次の目安となります。
一方、159.65円を超えられず10日線も割り込む場合は、上値の重さが再確認され、159円割れ方向への調整もあり得ます。総じて、下値は堅いものの上値も重く、上昇の持続性を見極める週となりそうです。
今後の重要イベント・経済指標
4月13日(月)23:00 ホルムズ海峡封鎖開始
4月14日(火)21:30 米PPI(生産者物価指数)
4月15日(水)21:30 米輸出入物価指数
中東情勢をめぐる関連ヘッドラインや日本当局の円安けん制発言には常に注意したい
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