
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
新興国・高金利のペソと先進国・低金利の日本円
ペソ/円は今月9日に8.347円前後まで上値を伸ばして約1年2カ月ぶりの高値を付けた。しかし、翌10日には自民党とともに長らく日本の政権を担ってきた公明党が連立を離脱したことや、米国のトランプ大統領が中国製品に100%の追加関税を課すと表明したことから一転して下落。高市トレードの逆流や米中貿易摩擦の激化を巡る懸念を背景に、日米の株価が揃って大きく値下がりする中、8.112円前後まで最大で約2.8%におよぶ大幅な調整が入った。キャリートレードの巻き戻しによるペソ売り・円買いが活発化したと見られる。
ペソ/円は、今年7月31日から8月1日にかけても約2.9%急落する場面があった。米7月雇用統計や米7月ISM製造業景況指数が米国景気の減速を示唆したことが投資家のリスク志向を委縮させるとペソ売り・円買いが強まった。これら2つの急落劇は、理由や背景にかかわりなくショックに脆いというペソ/円相場の性質を物語る値動きだ。
新興国・高金利通貨のメキシコペソと先進国・低金利通貨の日本円の組み合わせであるペソ/円は、平常時は金利差が意識されて買われやすい。しかし、それだけに想定外のショックが市場を襲えば一時的にせよ急落を免れない通貨ペアであることをあらためて認識する必要があるだろう。
メキシコペソ/円 週足チャート

【キャンペーン】のご紹介
【高金利通貨特集】「メキシコペソ/円」 ページはこちら
【最新チャート】「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場の為替アナリストが、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

