執筆：外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は94.05円前後で、ニュージーランド（NZ）ドル/円は86.99円前後で週初を迎えました。前週末に米国がイランの核施設を攻撃したことで、『有事のドル買い』が週初から持ち込まれました。豪ドル/円、NZドル/円は共にストレートドルの下落の影響から前週末からやや円高気味で取引が開始されましたが、その後は米ドル/円の上昇に引っ張られて上昇に転じました。ただ、週を通して米ドル中心の値動きだったことで、豪ドル/円は94円台、NZドル/円は87円台を中心とした狭いレンジでの値動きとなりました（執筆時）。
豪小売で消費者動向をチェック
25日に発表された豪5月消費者物価指数（CPI）は前年比+2.1%で市場予想（+2.3%）以上に前月（+2.4%）から伸びが鈍化していました。またコアCPIにあたるCPIトリム平均は+2.4%となり2021年11月以来の水準まで低下しました。ただ、豪準備銀行（RBA）が5月の会合で追加利下げの可能性を示唆していたことから、市場は7月会合での25bp（0.25%ポイント）利下げを8割方、年内3回の追加利下げを織り込んだ状態でした。そのため、豪5月CPIの結果がさらなる利下げ期待には繋がらず、豪ドル売りには繋がりませんでした。
豪州では5月の雇用者数は減少となったものの労働市場は依然として逼迫（5月RBA議事録より）した状態が続いています。一方で、豪1-3月期国内総生産（GDP）では家計貯蓄率が上昇しており消費が伸び悩み、景気減速が懸念されています。来週は2日（水）豪5月小売売上高が発表されます。前月は予想外に暖かかった影響から冬物の売り上げが伸び悩むなど低調な結果となりました（南半球に位置する豪州は日本とは夏冬が逆）。5月分では4月の落ち込みから反発すると市場は予想（前月比+0.3%）していますが、予想に反して低調な結果となった場合にはRBA年内4回利下げ期待が膨らみ始めるかもしれませんので注意しましょう。※市場予想は6月27日時点のもので、今後変わる可能性があります。
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円はローソク足が雲の上で推移しています。6月16日以降日足一目均衡表の転換線がサポートとして機能していますので、同線が目先の下値目途となりそうです。一方上値では、5月13日高値の95.64円前後が目途として意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ：AUD/JPY：92.50-96.50、NZD/JPY：86.00-89.00
6/30週のイベント:
06/30 (月) 10:00 NZ 6月ANZ企業信頼感
06/30 (月) 10:30 中国 6月製造業購買担当者景気指数（PMI）
06/30 (月) 10:30 中国 6月非製造業購買担当者景気指数（PMI）
07/01 (火) 07:45 NZ 5月住宅建設許可件数
07/01 (火) 10:45 中国 6月財新製造業購買担当者景気指数（PMI）
07/02 (水) 10:30 豪 5月住宅建設許可件数
07/02 (水) 10:30 豪 5月小売売上高
07/03 (木) 10:30 豪 5月貿易収支
07/03 (木) 10:45 中国 6月財新サービス部門購買担当者景気指数（PMI）
一言コメント：
梅雨入りしたとたんに気温がぐんと上がりました。少年サッカーのコーチをしていますが、これからは子供たちの体調には一段と気を付けないといけません。自分自身も炎天下に長時間いることになりますので、特に前日にお酒の飲みすぎるなどは気を付けなければなりませんね。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 研究員中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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