執筆：外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は93.10円前後で、ニュージーランド（NZ）ドル/円は85.44円前後で週初を迎えました。前週末NYクローズ直前に米大手格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを引き下げたことで、豪ドル/円、NZドル/円ともに前週末から20銭ほど下落して週初を迎えました。20日には豪準備銀行（RBA）が市場予想通りに利下げを実施したうえで、予想以上にハト派的に傾いていたことが判明し豪ドル売りが強まりました。また、21日には中東の地政学リスクの高まりを受けたリスク回避の円買いが進んだこと、22日には対米ドルを中心に円買いが強まったことなどで、豪ドル/円は一時92.00円前後まで、NZドル/円は84円台半ばまで下落しました（執筆時）。
豪州のインフレ鈍化が進めばRBAの追加利下げが早まる？
豪準備銀行（RBA）は今年の2月の会合で4年3カ月ぶりとなる利下げを実施し、さらに5月20日には2回目の利下げに踏み切りました。この背景には豪州のインフレ圧力が期待通りに緩和していることが挙げられます。また、米関税問題は依然として大きな不確実性が残るものの、豪州の成長や雇用、インフレ見通しを弱める可能性があるとRBAは警戒しています。豪州の労働市場は引き続き強い状態を維持しているものの、個人消費に鈍化の兆しが見え始めているのもRBAが景気減速への警戒を強める一因となっています。来週28日には豪4月消費者物価指数（CPI）が発表されます。市場予想は前年比+2.2%と前回の+2.4%から減速が見込まれており、インフレ圧力が引き続き緩和していることを示唆しています。仮に予想以上にインフレ圧力が緩和していた場合には、現在6割程度しか織り込まれていない次回のRBA理事会での追加利下げの織り込みが進むことになりそうです。
【豪月次CPIとCPIトリム平均の推移】
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は5月中旬に雲を上抜けましたが、上昇圧力は続かずに徐々に上値を切り下げる展開になっています。上値は日足一目均衡表・転換線が目先の目途となりそうです。その水準を上抜けた場合には5月13、14日の高値水準である95円台半ばがレジスタンスとして意識されそうです。一方下値は、日足一目均衡表・雲が引き続きサポートとして意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ：AUD/JPY：90.00-94.50、NZD/JPY：83.50-86.50
5/26週のイベント:
05/28 (水) 10:30 豪 4月消費者物価指数（CPI）
05/28 (水) 11:00 NZ ニュージーランド準備銀行（RBNZ）政策金利
05/29 (木) 10:00 NZ 5月ANZ企業信頼感
05/29 (木) 10:30 豪 1-3月期四半期民間設備投資
05/30 (金) 07:45 NZ 4月住宅建設許可件数
05/30 (金) 10:30 豪 4月小売売上高
05/30 (金) 10:30 豪 4月住宅建設許可件数
一言コメント：
5月に入り暑い日が増えてきました。週末は子供と外にいることが多いので結構日に焼けています。日焼け止めを塗った方が肌にも良いことは分かっているのですが、これまでそういった習慣がなかったため、つい塗り忘れてしまうことが多々あります。
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外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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