ドル円 FOMC通過し上値重い展開へ
今週初めのドル円は、先週末の乱高下を経て155円台後半でスタートしました。
先週末、日銀会合と植田総裁の会見を受けて次回の利上げまでには時間がかかるとの見方が広がり、一時円を売る動きが強まりました。
週明けの27日(月)にはトランプ大統領がコロンビアに対する関税を引き上げると発表したことでリスク回避の円買いが強まりました。その後関税措置が見送られたことで円売りに転じましたが、中国の新興企業「ディープシーク」が低コストのAIモデルを開発したことで米企業のAI分野における優位性が脅かされるとの懸念が広がり、ドル円は153円台後半へと下落しました。
その後ドルを売る動きが一服し、トランプ大統領の関税政策でアメリカのインフレが再加速するとの警戒感が広がる中で円売りドル買いが活発化して、28日(火)には156円手前まで反発しました。
29日(水)は米FOMCを控えて155円台を中心に方向感に乏しい動きが続きました。30日(木)未明にFOMCで市場予想通り政策金利が据え置かれたことが伝わると、FRBは今後の利下げに慎重と受け止められ一時ドル買いが強まりましたが、上昇の勢いは続かず154円台へと失速しました。その後も上値は重く、31日(金)昼過ぎにかけて154円台前半を中心に揉み合いとなりました。
今週のドル円は中国企業による低コストAIモデルの開発を受けて一時大きく下落する場面もあり、上値の重い展開となりました。米FOMCでは予想通り政策金利の据え置きが決定され、市場ではFRBは今後の利下げに慎重との受け止めが広がりました。
来週は米1月雇用統計などの重要イベントが予定されています。ドル円の上値が重い中、来週の米雇用統計が弱い結果となった場合は一段とドル安が進むことも予想され、慎重に方向感を見極める必要がありそうです。
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