総括
FX「トランプ就任演説後小緩む。今週の2.5%利下げ予想も影響」トルコリラ見通し
(通貨11位、株価7位)
予想レンジ トルコリラ/円4.1-4.6
*トランプ大統領就任演説後はリラ安株高
*政策金利は2.5%利下げ予想
*1月経常収支は6か月ぶりに赤字
*11月小売売上、自動車生産、鉱工業生産はまずまず
*IMFが成長見通しを更新
*トルコも対中関税引き上げ
*さらなる利下げを宣言、エルドアン大統領
*リラ円は10年連続の年足陰線だが、10年ぶりの対円下落率が一桁%台へ
*12月消費者物価が低下
*格付け会社の評価は改善
*シリア問題も複雑、トルコ、米国、イスラエルが絡む
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
(トランプ大統領就任演説後はリラ安株高)
トランプ大統領が関税引き上げに具体的に触れず、インフレ懸念が一旦和らぎドル安が進んだが、円とトルコはその流れについて行けず。トルコは今週利下げ予想。
(日本は利上げ予想)
トルコリラは先週の4位から11位へ後退した。
株価指数(イスタンブール100)は年初来2.02%高。
10年国債利回りは乱高下し現在は27.75%。
(政策金利は2.5%利下げ予想)
トルコ中銀は今週、政策金利を2.5%引き下げて45%とする見通しだ。 中銀はインフレが鈍化し続けるのに伴い、政策金利を今年末までに30%に引き下げると予想されている。会合が従来の年12回から8回に減ることも、1月の利下げ観測につながった。
2月に会合が開催されないことを踏まえ、1月会合は従来見込んでいた休止ではなく、2.5%の追加利下げを予想している。
昨年12月の消費者物価は前年同月比44.38%上昇、前月比では1.03%上昇で場予想を下回った。
(カラハン中銀総裁)
カラハン中銀総裁は今週初め、年末までにインフレ率を21%に引き下げる目標を改めて表明した。
金融政策における断固たる姿勢により月間インフレの基調的傾向が緩和され、国内需要の再均衡、トルコリラの実質的な上昇、インフレ期待の改善を通じてデフレーションプロセスが強化されたと述べ、財政政策の協調強化もこのプロセスに大きく貢献するだろうと語った。
(1月経常収支は6か月ぶりに赤字)
11月経常収支は6か月ぶりに赤字となった。28.7億ドルの赤字。貿易赤字と第一次所得収支の赤字が増加した。好調な観光収入を含むサービス収支黒字は増加した。
(11月小売売上、自動車生産は)
11月小売売上は前年比で16.4%増で、10月の15.5%増を上回った。
12月自動車生産は前年比3.6%増で11月の15.4%減から回復、12月自動車販売は7.3%増で11月の5.3%増を上回った。
(IMFの成長見通しは)
IMFは1月2024年のトルコの成長見通しを2.8%とした。2023年は5.1%と高かった。2025年は2.6%で昨年の10月から0.1%下方修正した。2026年は10月と変わらず3.2%。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
じり安でボリバン下限ゾーンへ
日足、ボリバン2σ下限。雲下限。12月3日-1月17日の上昇ラインがサポートだが下抜けか。1月15日-20日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン下位から上昇も上位に留まれず、20日線あたり。12月16日週-1月13日週の上昇ラインがサポート。1月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線上向き。
月足、2σ下位で推移。8月の月足の長い下ヒゲ効果が薄れてきた。12月は陽線。8月-12月の上昇ラインがサポート。21年12月-23年3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2024年で10連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。
メルハバ
トルコさえも対中関税引き上げするほどの中国車の安さ
トルコ政府は2025年の追加関税の更新を発表した。
中国からの輸入自動車に対する追加関税が40%から50%に引き上げられた。また、関税の徴収最低額も車両1台当たり7,000ドルから9,500ドルに引き上げられた一方、プラグインハイブリッド車は40%に据え置かれている。
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