執筆日時:2024年12月9日 12時55分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
米雇用は底堅さ示唆も、米12月利下げ観測の払しょくならず
12月6日に発表された、米国の11月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の20.0万人増を小幅に上回る22.7万人増(10月分は1.2万人増から3.6万人増へ上方修正)となりました。また、失業率は10月から0.1%ポイント悪化し4.2%となったほか、時間給は前月比と変わらず0.4%の伸びとなりました。分野別では、ヘルスケア、人材派遣、製造業などが好調でした。
NFPは3カ月平均で17.3万人増と雇用の底堅さが見られた一方、労働参加率の低下に加え、失業者数が今年7月以来の高水準へ上昇するなど、内容は強弱まちまちでした。12月FOMCでの利下げ予想を覆すほどではなかった、との受け止め方が多かったようです。
指標発表後、為替市場は米ドル売りへ傾斜し、150.50円付近だった米ドル/円は149円台半ばへ低下。さらに「ベラルーシにオレシュニクシステム(新たな中距離弾道ミサイルシステム)を配備することは可能」とのプーチン露大統領の発言も加わり、米ドル/円は149.361円まで下げ幅を広げました。ただ、売り一巡後は12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想より強かったこともあって、米ドル/円は150.13円付近まで戻しました。こうした中、株式市場は方向性が定まらない格好となり、ダウ平均は前日比123.19ドル安い44642.52ドルとなったほか、ナスダック総合株価指数は159.05ポイント高い19859.77ポイントで越週となりました。
関連記事
米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。