このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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ペソ/円、落ち着いた動き 「下影陽線」で下げ止まりか
週明け17日のペソ相場は東京市場で比較的落ち着いた動きとなっている。フランスの政治リスクなどから日経平均は2%を超える大幅安となっているが、ペソ/円は先週終値とほぼ変わらない8.51円前後で取引されている。先週12日には年初来安値となる8.204円前後を付けたが、13日以降の反発で週足は陽線引け。それも下ヒゲを長く伸ばした「下影陽線」で、下げ止まりのシグナルと見ることも可能な足型だ。
政治を巡る懸念くすぶる 38.2%戻しを超えるまで下落リスクを警戒
もっとも、今月に入りペソを押し下げてきたのは、右派政権の選挙独り勝ちによって生じた財政悪化への懸念と、市場軽視につながりかねない国有企業優遇策を巡る懸念であろう。こうした懸念が和らいだわけではないことを踏まえると、足元のペソの動きは自律反発の域を出ないと見ることもできる。5月高値(9.455円前後)から先週安値(8.204円前後)への下げ幅の38.2%戻しにあたる8.682円前後を超えるまでは、ペソ安リスクに警戒が必要だろう。できることなら、対ドルでも38.2%戻し(ドル/ペソの38.2%押し)にあたる18.0514ペソ前後の下抜けを確認したい。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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